■■■SUNの舞台評■■■



ドン・ジョヴァンニ

オーチャードホール

観劇日:1999年1月26日(火)
    19:00〜(3階 4列 9番)

エクサンプロヴァンス国際音楽祭
1999年1月25日〜28日
Bunkamura オーチャードホール
全2幕・原語上演日本語字幕付

オペラ「ドン・ジョバンニ」−あるいは罰を受けた放蕩者

2幕のドラマ・ジョコーソ
    作曲:モーツァルト
    台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ

    指揮:ダニエル・ハーディング
    演出:ピーター・ブルック

    共同演出:マリ=エレーヌ・エティエンヌ
    美術:トム・パイ
    衣装:クロエ・オボレンスキー
    照明:ジャン・カルマン
   管弦楽:マーラー室内オーケストラ



ここ最近、観まくっているのは、
3〜6月は旅公演に参加するからです。(=女の一生)
東京から離れるもので。
「今のうち、観とかないとっっ! 
2/11初日(只今の仕事「女の一生」のこと)近くなると、
他の舞台にかまけてられなくなるし」と言ったところです。

ドンナ・アンナ役のモニカ・コロンナさんが急病で、
代わりに出口正子さん。
と掲示があった。
「?」だけど、これはまあ仕方ないとしよう。
しかし、開演前の場内アナウンスで、前記のことを言うのはいいが、
その次に続くアナウンスに驚いた。
 
「・・・・そして、ツェルリーナ役の
 キャトリン・ウィン・デイヴィスさんは、
 風邪を押しての出演です」

こんなアナウンスをされたのは、私は初めてだよ。
何?
だから歌が少しばかり駄目でも了承しろってこと?
 暖かい目でみてやれってこと?
どういうつもりだ、キャスト本人もオーチャードホール側も。

身体のコンディションを本番に向けて整えるのは、
プロとして最低限のことだ。

それが出来ないでおいて、なのに
「風邪だけど、がんばって歌うの、褒めて」
(っていうことでしょう、あのアナウンスは)
なんてことを、言う奴も奴だが、制作者側も何を考えているんだ?

日本の観客はそんなに嘗められた存在か?

身体のコンディションが調整出来なかった、
というのは恥ずべきことだ。
(気を付けようのない病気は除外だよ、例えば盲腸とか)

プロだったら、本番の舞台でそんなことは言えない筈だ。
だけど、調子の悪い時だってあってしまうだろう、
それは人間だもの。
でも、悪かったとしても、
それを気取られてはいけないんだ、観客に。
プロだったら。

わかりやすく言うと、プロサッカー選手が、
試合前にスタジアムにアナウンスで
「僕、今日、右足の筋を少し痛めています。
 でも、それでも全力でゲームに挑みます」
って言うのと同じことなんだよ。

舞台の本番というのは、試合なんだから。
観客との真剣勝負。
稽古ってのは、それに立ち向かう為のものでもあるはずだ。
そういうのってのは、
プロとして自分自身の誇りの問題じゃないのかなあ。

と、幕も上がる前から、
いきなり不機嫌にさせられた本日の舞台である。

だって、幕開きをワクワクして客席で待っている時に、
こんな目にあわせられたら、ショックですよ。

と、肝心の観劇感想文にかかろうと思ったら、
近所のBar「K」から電話。
「今、若いのが来てるからおいで。寝酒代わりにさ」
2:30AMだ。
ってことで、行ってくる。
ってことで、続きは明日。

明日って言ったのに、今は1/30になってしまった4:00AM。
「K」には今年になって初めての来店。不義理してましたね。
マスターが私を呼んだのは、
その「若いの」が初めていらしたお客さんで、お芝居されてる方。
そして、私と同年代の方達だったからですね。
いい出会いだったなあ。

またしても「虚」は「実」に負けた。
中途半端だけど、「ドン・ジョバンニ」の感想文はおしまい。
おしまいだ。

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