■■■SUNの舞台評■■■



しあわせな日々

観劇日:1997年10月11日(土) 14:00〜
劇場 :シアタートラム

     作:サミュエル・ベケット
    演出:ピーター・ブルック
 装置・衣装:クロエ・オボレンスキー

    出演:ナターシャ・バリー
       ジャン・クロード・ベラン


女が一人胸元まで砂に埋っている。
これを劇的と言わず何と言おう。

どうして「こうなったのか」は分からない。
そして、女から見えない(女の後ろにあたる位置に)
『ウィル』と女から呼ばれる男がいる。

この男。
一幕では我々観客にも見せるのは胸から上の背後だけ。
この『男』実在するのか、女の『幻想』なのか。
迷った。

ウィルも『穴』にはまり込んでいて、女と同じく「不自由」らしい。
しかし、女から言わせると
「あなた、動けるから不自由ね」。

下手に動けるのは不自由ということだ。
この台詞が一番胸にきた。

フランス語がわかりたい(字幕でした)と思った。
でも、言葉(=理屈)は分からずとも、心で分かった。
上質の舞台だった。

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