■■■SUNの舞台評■■■



海の沸点

観劇日:1997年7月14日(月) 13:30〜
劇場 :紀伊國屋ホール

   作:坂手洋二
  演出:栗山民也

  出演:津嘉山正種
     中田喜子
     岡本健一
     茅野イサム
     たかお鷹/その他・・・



たかお鷹さんは文学座の役者さんだ。
今、8月の文学座アトリエ公演「河をゆく」の稽古でご一緒している。
まだ「海の沸点」の公演中なので
それが終わってからかけつけてくれてたりする。
とっても素敵なおじさまだ。

この「海の沸点」を観にいったのは、
友人が「面白いかもしれない」と言ってたこともあるが、
来年坂手洋二氏の戯曲を文学座で演るというので、
実をいうと今まで氏のものを観たことがない私は
「観にいかねばなるまい、地人会だし」ということでの観劇だったのだ。
(その友人と一緒に行った)

栗山民也氏は今回はいけない。
いきなり大胆なことをとお思いでしょうが、
言わせていただく。
氏は東宝現代劇などを、芸術座や宝塚劇場で演るノリで今回も作っている。
そんな感じを持った。
氏の「丁寧」な見せ方を必要としない観客なのだよ、
地人会を観に紀伊國屋まで足を運ぶ観客は。
東宝現代劇じゃないんだから
(決して”それ”が低俗だと言ってるわけじゃなのよ、
 観客の層の問題としてということだから、
 そのへん誤解なきように)
「観念」という
(これは言葉足らずかもしれないが)
やつをなんとか「リアリズム」
(これも違うかも・・・)
でわかりやすくしようとしたのだね。

沖縄の基地問題の戯曲を(幽霊も出てくるのに=岡本健一)
あんまり「リアル」にやりすぎたね。
そして、そこに中田喜子さんを初めとする現代劇の皆さんが、
その”現代劇”演技をしたのだ紀伊國屋で。
たかお鷹さんだけだった。その空間に生きていたのは。
今回は演出家の責任です。
地人会、演出家を選ぶべし。

−SUNの舞台評へ戻る−
−タイトルへ戻る−