■■■SUNの舞台評■■■



宝塚雪組「虹のナターシャ」

観劇日:1996年12月10日(火) 13:00〜
劇場 :東京宝塚劇場「虹のナターシャ」

           原作:林 真理子/大和和紀
        演出/脚本:植田紳爾
           演出:谷 正純

出演:       三条薫:高嶺ふぶき
     蘭子/ナターシャ:花總まり
         栗崎武志:轟 悠
          長岡仁:和央ようか
             /宝塚歌劇団 雪組


さて、ユキちゃん(高嶺ふぶき)の御披露目だ。
かっこよくなったねえ。

それにしても、脚本の植田氏。
あの終り方はないよ。
「あれ? これって2幕ものだっけ」と、
パンフの脚本読んで確かめてしまった。
物語が続くなら続くなりの終らせ方ってものがある。
あれじゃ消化不良だ。
「よし、お芝居観た」という宝塚の満足感がないではないか。
このところ理事になったり色々でお忙しいのだろうけど、
本業を疎かにしてはいかんよ。
と、偉そうに言ってみる。

ま、それはさておき、高嶺ふぶきのさわやか二枚目好青年、
よかったですね。
轟の武志も相変わらずの男っぷりではまってました。

難なのが花總まり。
彼女に「俺さあ」
「トーヘンボクの日本人じゃねえか」などの江戸っ子言葉は似合わない。
ナターシャのカラッとした気質を表現したいのだろうけど、
反対に、こびているようにしか聞こえない。
花總があの江戸っ子口調を喋る度にハラハラしてしまった。
「ナターシャ、無理してそんな言葉で話さなくてもいいんだよ」
と言ってあげたくなる。
”娘役”という枠を外すなら外して、
もっと思いっきり演らせてあげればよかったんじゃないだろうか。
植田氏、谷氏の責任。

三条(高嶺ふぶき)の台詞で、ナターシャのところから帰るとき、
ナターシャの「気をつけて」に
「大丈夫、知らない人にはついていかないから」
には笑ってしまった。
アドリブだね、ユキちゃん。
そういやユキちゃんショーでもコケてて
「コケちまった」とか言って踊っておりました。

−SUNの舞台観劇記へ戻る−

−タイトルへ戻る−