■■■AYAの観劇記■■■



劇団四季ミュージカル
マンマ・ミーア!


2005年 2月2日(水)〜9月30日(金) 大阪四季劇場 こけら落とし公演

金子さん観劇日:2005年3月4日 1階B列24番


HP主人 森(=SUN)筆。

今回も、金子さん メール投稿劇評 ありがとうございます。

金子さんは、ちゃんと3月5日(観劇の翌日)に送信してくださっているのに、
実際こうして私が更新しているのは、3月26日。

申し訳ありませぬ。

さてさて。

金子さんは「観劇感想」に、下記の様に書かれています。

 東京で観たときは、「これをこのまま大阪にもっていったらどうかな」と思った。
というのは、あまりにも整然としていて、アドリブもなかったからである。
で、大阪公演であるが、東京と少しも変っていなくて、正直残念だった。
脚本は変更できないとしても、誰かに大阪弁をしゃべらせるとか、
アドリブをいれるとか、いわゆる「ドタバタ」が大阪には受けるので
その面を変えて欲しかった。
大阪は「笑いに厳しい」と言われるが、
確かに今回は東京のときより笑いが少なかったように思った。
劇団四季というところは、基本的にアドリブ不可なのだろうか?

上記、黒文字は金子さん筆。

演出に許可も無しに勝手に変えるのは不可なので、上記は不可。
演出は、フィリダ・ロイド氏です。

※出演者は都合により、急遽変更になる場合がございます。
この上記は四季の注意書き。

観に行くまで、誰が出演するのか分からないなんて、
芝居の見方として、映画の見方として、ドラマの見方として、
どうなんだろう?

金子さんの劇評の前に、スタッフ名を掲載しました。
今回限らず、金子さんからのメール観劇評を、自身HPに掲載するにあたり、
私は勝手に時折スタッフ名を書き加えています。

ってなことで、金子さんの劇評いってみよう。




ロンドン・オリジナル・プロデューサー
リトルスター・サービス・リミティッド


ディレクター

ジュディ・クレーマー
リチャード・イースト
ベニー・アンダーソン
ビョルン・ウルヴァース


オリジナル・クリエイティブ・スタッフ

     プロダクション・デザイン:マーク・トンプソン
           照明デザイン:ハワード・ハリソン
           音響デザイン:アンドリュー・ブルース
                  ボビー・エイトキン
音楽スーパーバイザー、追補及び編曲:マーティン・コッシュ
               振付:アンソニー・ヴァン・ラースト
               演出:フィリダ・ロイド


日本公演来日スタッフ

エグゼクティブプロデューサー:アンドリュー・トレイガス

           演出補:ポール・ガリントン
   音楽スーパーバイザー補:マーティン・ロウ
           振付補:レア・スー・モーランド
      装置デザイナー補:ジョナサン・アレン
      衣裳デザイナー補:ルーシー・ゲイジャー
      照明デザイナー補:アンドリュー・ヴォーラー
      音響デザイナー補:ブライアン・ビーズリー
      舞台監督(UK):クレア・ウィットフィールド
  キーボード・プログラマー:ニック・ギルピン


リトルスター・サービス・リミティッド

ファイナンス・コントローラー
:アシュレイ・グリスデール

アドミニストレーター
:ピーター・オースティン

ジュディ・クレーマー助手
:サラ・ニコールズ

コミュニケーション・コーディネーター
:クレア・ティアー

プロダクション・アシスタント
:ジョン・グローブズ

ファイナンス・アカウント
:ジョー・リードマン

アカウント
:シーラ・エッグブージー

アカウント・アシスタント
:ケイト・キーブル

アドミニストレーティブ・アシスタント
:マシュー・ウィリス

アシスタント(UK)
:エマ・クレイトン

法務
:バリー・ショー

プロダクション保険業務
:ハワード・ジョーンズ

ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース担当
:ワルトン&パーキンソン・リミティッド

ビジネスマネージャー及びスカンジナビア広報担当
:ヨーレル・ハンセル

国際広報担当:エイドリアン・ブライアン-ブラウン


アンドリュー・トレイガス・アソシエイツ・リミティッド

    ジェネラル・マネージャー:ジュリアン・ストーンマン
  アンドリュー・トレイガス助手:ジャッキー・ハーディング
プロダクション・コーディネイター:ダニエル・スパロウ
  プロダクション・アシスタント:ナターシャ・ヒギンズ


オリジナル・ロゴ・デザイン、クリエイティブ・コンサルタント

ンLittlestar Services Limited


日本スタッフ

     企画・製作:浅利慶太
    日本語版歌詞:浅利慶太
      演出協力:浅利慶太
    日本語版台本:湯川裕光
音楽スーパーバイザー:鎮守めぐみ
振付スーパーバイザー:古澤 勇
      技術監督:滑川 武


大阪公演 共同主催:阪神電気鉄道株式会社
       協賛:江崎グリコ株式会社/ダイキン工業株式会社
     特別後援:大阪府/大阪市
     特別協力:西日本旅客鉄道株式会社
       後援:社団法人関西経済連合会/大阪商工会議所
          社団法人関西経済同友会
       協力:京阪電気鉄道株式会社/近畿日本鉄道株式会社
          南海電気鉄道株式会社/阪急電鉄株式会社


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キャスト

ドナ・シェリダン:
保坂知寿、早水小夜子、久野綾希子、前田美波里

ソフィ・シェリダン:
吉沢梨絵、樋口麻美、木村花代、谷内 愛

ロージー:
青山弥生、平野万里、久野綾希子、秋本みな子

サム・カーマイケル:
渡辺 正、荒川 務、芝 清道

ハリー・ブライト:
明戸信吾、飯野おさみ、渋谷智也

ビル・オースティン:
野中万寿夫、栗原英雄、松浦勇治

スカイ:
鈴木涼太、阿久津陽一郎、田邊真也

アリ:
森実友紀、八田亜哉香、沼上麻子

リサ:
五十嵐可絵、森実友紀、沼上麻子、宮崎しょうこ、石倉康子、荒井香織

エディ:
川口雄二、丹下博喜、中島大介、山崎義也、坂本 剛

ペッパー:
望月龍平、大塚道人、丹下博喜


男性アンサンブル

大塚道人、徐 元博、丹下博喜、蔡 暁強、中村 匠、浜名正義、平田郁夫、
村中弘和 、太田浩人、川口雄二、田辺 容、玉城 任、虎尾信弘 、山添 功、
カン テウル、藤原大輔、飯村和也、福山 弘、天野陽一、田井 啓、鎌滝健太、
小島良太、中島大介 、長清 智、吉賀陶馬ワイス、那俄性 哲、中村 巌、
川東優希、嶋崎孔明、松本 海、西尾健治、岩城雄太、染矢 裕、上田 亮、
須永友裕、吉末高久、笠嶋俊秀、原田昌幸、韓 盛治、白倉一成、関川慶一、
深堀拓也、良知真次


 女性アンサンブル

佐和由梨、高島田 薫、石倉康子、井藤湊香、岡 聡里、大田未稀、大西奈穂 、
奥田久美子、戸田真美、沼上麻子、八田亜哉香、平田曜子、宮崎しょうこ、
村上絵里子、山崎ゆみ子、孫 智賢、井田智子、加藤久美子、松下沙樹、
一色有希子、遠藤瑠美子、北 聖子、中出裕子、村上久美子、斉藤瑠理、
首藤萌美、前川遙子、西山愛由美、熊本亜記、村上 智、村上未来、今井美範、
かわづ 恵、上延 綾、小島由夏、小林英恵、笹倉 舞、福麻むつ美、
片山加奈子、黒崎 綾、笠井真由美


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観劇当日(3月4日)のメインキャスト

 ドナ・シェリダン:保坂知寿
ソフィ・シェリダン:谷内愛
     ターニャ:森似鶴美
     ロージー:青山弥生
サム・カーマイケル:渡辺正
 ハリー・ブライト:明戸信吾
ビル・オースティン:松浦勇治
      スカイ:田邊慎也


観劇当日(3月4日)の男性アンサンブル

上記の「男性アンサンブル」の中から7人


観劇当日(3月4日)の女性アンサンブル

上記の「女性アンサンブル」の中から7人


<感想>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ABBAとミュージカルのコラボレーションの結晶」

 この作品は昨年1月東京の「海」劇場で、相当後ろの席で観たのだが、
今回は最前列が取れたということと、
大阪の一等地に劇場が出来て見物がてら母といった。
キャストについては女性陣のところはあまり変らなかったが、
男性陣は東京とはがらりと変った。

 2回観て思うことは、このミュージカルの成功の要素はなんといっても、
ABBAのヒット曲がエーゲ海の小島のホームドラマに
上手くはめられているところだろう。
まるで、このミュージカルのために
すべての曲が書かれたような錯覚を起こしそうに。
また、それもヒット曲を使っているので
「♪ダンシング・クイーン」など知っている曲が出てきて、
最後はスタンディングまで持ち込める強みがある。

 しかし、この作品のテーマは意外と古風な「家族のあり方」だと思う。
21世紀に入って、DVだの幼児虐待やらが問題となり、
挙句の果てに最近は一家心中まででてきた現代に中で、
この作品に出てくる母と娘のつながり、男女の考え方などは
あくまでも「あるべき姿」である。
それが荒れたというべき現代社会において新鮮に思える、
また家族というものを省みられるというところがヒットの理由だと思う。

 東京で観たときは、「これをこのまま大阪にもっていったらどうかな」と思った。
というのは、あまりにも整然としていて、アドリブもなかったからである。
で、大阪公演であるが、東京と少しも変っていなくて、正直残念だった。
脚本は変更できないとしても、誰かに大阪弁をしゃべらせるとか、
アドリブをいれるとか、
いわゆる「ドタバタ」が大阪には受けるのでその面を変えて欲しかった。
大阪は「笑いに厳しい」と言われるが、
確かに今回は東京のときより笑いが少なかったように思った。
劇団四季というところは、基本的にアドリブ不可なのだろうか?
この作品は現実的にはミュージカル・コメディだと思うので、
もう少しエンターテイメント性が欲しかった。
最後のスタンディングも東京のときは全員すぐ総立ちだったが、
ばらばらと立った感じだった。
あとは人別に。(敬称略)


 ドナの保坂知寿
タフなシングルマザーの設定だが。
スタイルにしても抜群だし、なによりも一挙一動が主役だった。
演技も緩急がハッキリしていて、歌も完璧に歌いこなしていて、
最高の当たり役ではないか。
かなり一公演やったらハードな公演だと思うが、
大阪も最後までお願いします、というところか。


 ソフィの谷内愛
歌唱力はなかなかなので、すぐ他の演目でも大役が回ってくるのだろう。
個人的には露出度の大きい衣装が多いので、もう少し痩せて欲しいな、
と自分のことは棚に上げて思ってしまった。
ちゃっかり者、というより溌剌としたソフィだった。


 ターニャの森似鶴美
バツ3のいわゆる「お姉さま」の雰囲気は十分だった。
ペッパーを相手に「坊やちゃん」と軽くあしらうところは
ドナにない「お色気」場面できちんと場面を作っていた。


   ロージーの青山弥生
小柄で気がよく回る女性、
ああこういう人いるな、という感じがすごくした。
ビルに急に迫るところも嫌味が感じられなかった。
保坂と並んで、もう四季の重鎮だろうに、しっかり脇を固めている。


 パパの3人。
ドナと最終的には結婚するサムの渡辺正は、
正直一幕の台詞の一本調子が気になった。
歌は十分なのだが。
3人ともそれぞれの役の人生観を上手く出していたと思う。


 スカイの田邊真也
あまり内容に関係ないが、
この役名、他のミュージカルでは主役になってしまうのであまりいいとは思わない。
証券会社からベンチャー企業を立ち上げるようという人物としては、
もう少し堂々とした確信があってもいいのではないか。
ただの2枚目ではないと思う。
台詞ももう少しメリハリが欲しい。


 最後にペッパーの大塚道人が役名のようにスパイスになっていて良かった。
ただ、個人的にはこの役は関西出身者に当てて、
大阪弁で話す役にすると面白いと思うのだが。


 いろいろ書いてきたが、最前列で楽しめたし、最後はノリノリで家路に着いた。
これで終わる。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
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