2003年 4月 3日(木)〜13日(日) 新宿コマ劇場 2003年 4月17日(木)〜28日(月) 大阪 梅田コマ劇場 観劇日 2003年4月24日 1階4列23 劇場 大阪 梅田コマ劇場 HP主人 森(=SUN)筆。 「桜吹雪狸御殿」 初演時、観たいなと思いながら行けなかった舞台。 金子さんが下記にてお書きになってる通り、 ファンにとってはうれしい舞台ですね。 それにしても、金子さんの 植田理事長は毎年『狸御殿』だけお書きになったら、という感じだ。 には笑った。 すみません理事長。 ってなことで、金子さんの劇評いってみよう。 桜吹雪狸御殿 総製作:小林公平 原案:木村恵吾 作・演出:植田紳爾 演出:酒井澄夫、三木章雄 <感想>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「あー、なんだかしらないけれど楽しかった」 家へ帰って 「元星組トップIN『狸御殿』という感じ」 とにかく楽しかった。 これだけで感想を終えたい気分だがそうはいかないので、人別中心に書こうと思う。 話の筋はとにかく大爆笑でそれこそ化かされてきたようなものだが、 他愛もなくて植田理事長は毎年『狸御殿』だけお書きになったら、という感じだ。 劇中に鳳蘭さんの「スカーレット〜」で始まる「胡桃割り」の再現あり、 劇の最後は初風さんの「お待ちなさい」で全員凍りついて(おおげさか?)終わり、 ショーの部分も『エリザベート』の日本物バージョンのパロディあり、 昭和の「ベルばら」4強のうちの3強が「♪愛あればこそ」を合唱してくれるなど 盛りだくさんだ。 とうとう宝塚ファン歴27年に突入してしまった金子にとっては、 懐かしいやら楽しいやら。 母と行ったのだが、普通のときは、金子の入れ込み方と全然違って、 超冷めたスタンスで観る母が『狸御殿』だけは金子同様げらげら笑っていた。 毎年あるなら多分親子で通うでしょう。 ただ、出演者が元星組トップの人が多くて(鳳さん、瀬戸内さん、峰さん、麻路さん)、 他の組はトップ経験者が花組安奈さん、月組榛名さん、雪組平さん、 と一人ずつしかいないのは少し寂しかった。 皆さんそれなりにお忙しいのだろうが、せっかくのOGの催し、 色々な方に出演していただきたかった。 また、これはありがたいことなのだが、席が良くて、 後ろの客席から登場の場合、3列のところで客席のほうへ振り向かれるので、 角から2つめに座っていた金子、朝香さん、真織さん、麻路さん、など 本当に手が届くところで観られてどきどきしてしまった。 また、来年も趣向を変えて、また新しいメンバーも加えてお願いします。 さて、メンバー全員に関してベスト2で書けばこんな感じであろう。 (1)とにかくパワフルな方=鳳蘭さん、瀬戸内美八さん (2)現役時代と変わらない方=麻路さきさん、真織由季さん (3)容色が衰えた方(すみません・・・・)=郷真由加さん、若葉ひろみさん (4)まだ現役なみに美しい方=久城彬さん、五条まいさん あとは人別に(プログラム出場順) 現役時代を知っている方が長くなるのはお許しを。 鳳蘭さん(ツレちゃん)。 とにかく「なんだかわからないけれどあなたはスター」なのである。 今回は2役で片方は相手役が安奈淳さんだから、レトロムード全開であろう。 (金子はその時代は知らないが) とにかく、実力がどうであるだの、こうしたほうがいいだの、書く気にもならない。 とにかく「ツレちゃんは、『狸御殿』のスター」なのである。 一緒にしてしまっては失礼かもしれないが、美吉左久子、大路三千緒のお二人。 初舞台の年を書かれると、お年にも関わらず(また失礼!)かくしゃくとした演技で、 在団時の舞台姿を是非拝見したかった。 お二方とも宝塚が生んだ名役者でしょうね。 大路さんに関しては、最近TVで「おしん」の再放送を見たのだが、 父も「これ宝塚の人?うまいねー」と感心していた。 初風諄さん(カンちゃん)。 芸能界に復帰されてからは拝見しているが、さすがの美声である。 現役時代はいかばかりか、と思ってしまった。 やはり、初風さんといえば、マリー・アントワネット、 「♪青きドナウの岸辺」を歌っていただけたら、これ、満足でございます。 榛名由梨さん(ショーちゃん)。 今回は初風さんの姉の北の方、という役であったが、 やはり、ショーちゃん、とくれば包容力のある男役でしょう。 それでも、これみよがしの装飾品をつけて、大路先生にラブラブのところは 背丈の都合があって笑えた。 歌ももう1曲ぐらいあってもいいのでは。 ショーちゃんは、宝塚の徳川吉宗みたいな人なのだから。 安奈淳さん(オトミさん)。 二年前はどうして出演されないのかしら、と思っていたが大病をわずらわれていて、 初の舞台復帰。 今回は旅芸人の女座長だが、粋で芝居はあいかわらず上手いなー、と思ってみていた。 ただ、二幕冒頭の「♪望郷の琵琶歌」は確かに難曲であるが、 地声のところと裏声のところのシフトが出来ていなくて、 ミュージカルをされるなら、歌のレッスンが必要であろう。 でも、金子が1番はじめに好きになったスターさんだけに、 久しぶりに元気な姿が拝見できるのは嬉しかった。 瀬戸内美八さん(ルミさん)。 さすが地元の方、阿波踊りは後ろで踊る下級生とは別格でお上手でした。 そしてなにしろ、この方のいいのは滑舌が素晴らしいこと。 劇団四季なみ。 そして、ツレちゃんと並ぶぐらいパワフルで、ちっとも年を感じさせないこと。 東京などで舞台活動されないのに、こんなにパワーがあるのは凄いと思った。 峰さを理さん(ミネちゃん)。 今回は日本物ということで、ミネちゃんの上手さが目立った。 振付をするほどなので、日舞は「しな」を作るのがすごくお上手で、 他の人と一緒に踊ると上手さが良く分かった。 そして、現役時代からのセールスポイントの歌。 「♪流れゆく花びら」はミネちゃんの歌が一番楷書法的で聞き易かったし、 『エリザベート』のフランツの「扉を開けてくれ〜♪」の歌も 宝塚の歴代フランツ役の人が苦戦しているところだが、楽々歌っていて、 さすがだな、と思った。 つまり、ミネちゃんからダンスを取れば万全なのだ、ということが改めてよく分かった。 『レ・ミゼラブル』に出演されるそうだが、あの歌唱力なら問題ないでしょう。 平みちさん(モサクさん)。 この方も芸能界復帰組だが、雪組トップ終わりごろに見えた 容色の衰え(ごめんなさい!)が見えず、二番手時代の若々しい姿で安心した。 現役時代難点だった歌も、大分努力されたのか「♪私は妖精」は危なげなく聴けた。 今回の気の弱い役は大阪弁をふくめてよくあっていた。 若葉ひろみさん(ヒトミさん)。 あの貞奴が、シャロンが、と宝塚の歴史上に残るトップ娘役さんだったが、 少し痩せすぎなのか、あの「花占い」のときのような、 太陽を思わせる輝きが感じられなかった。 現役時代のすごい時を知っているだけに残念である。 ただ、芸は相変わらず達者で、ひたすらコメディ路線でも笑わせてもらえた。 麻路さきさん(マリコさん)。 ブラジルからはるばる来られて、舞台復帰はこれだけですか? と聴きたいところだけれど、今回は姫の方の比重が高くて、 またこの姫が天守閣から落ちた後遺症で、 赤ちゃん言葉を喋る、超純粋無垢な姫なのだが、 マリコさん、すこしデカイけれど可愛い! とても土方歳三や暴君ネロを演じて大型硬派男役で通していた人とは思えなかった。 ブラジルではこんな感じなのかな?と思った。 若君の方はもう安心してみていられたが、正直姫のほうが面白かった。 また、『エリザベート』の死に神役では「♪愛と死のロンド」などは 安心して聴いていられた。 学年順で行くと随分下級生だと思うが、 2番手扱いで結構おいしいところを持っていった感じだ。 一人だけ、素晴らしい芸を披露してくれた方を。 未央一さん。 『エリザベート』のパロディの前に落語のような「語り手」をしておられたのだが、 長い時間持たせてなんとも軽妙で 「宝塚を出て芸の幅を広げる」とはまさにこういう方をいうのだな、と感心させられた。 といろいろ書いてきたが、最後のカーテンコールのツレちゃんの挨拶! 「皆さん、もう性欲 アッ (会場大爆笑) 食欲しかない方々ばかりでしょうが、 この『狸御殿』を楽しみにして生きていってください」ときた。 ツレちゃん、少なくとも金子は食欲以外もありますぞ。 ま、この面白さがあるなら来年も来ますか。 これで感想を終える。 <金子のよしなしごと>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 前回の月組大劇場の観劇記につけたほうが良かったかもしれないが・・・・。 今回のテーマは「初舞台生」。 金子が初めて初舞台生のお披露目公演を観たのは1981年。 花組で演目は『春の踊り』『恋天狗』『ファースト・ラブ』。 トップは松あきら、順みつきのダブルトップ時代。 口上で居並ぶお姉さんたちを見て、 「‘末永く’といっているのだから、この人たちの最後までは見届けようか」 と子供心に決心したのである。 で、その初舞台生のメンバー。 なんと、豊作で、トップになった人が4人も出た。 黒木瞳(月組トップ娘役)、 毬藻えり(星組トップ娘役)、 涼風真世(月組トップ)、 真矢みき(花組トップ)。 これらの人以外でもこの期は豊作でいろんな人が抜擢されていた。 ということで金子は「毎年こんなものなのか」と思っていたらそうでもなかった。 次の年は一路真輝(雪組トップ)だけ。 まあ、毎年1人トップがでるのが普通か、と後で理解した。 しかし、黒木などトップになるのも、退団するのも早かったが、 真矢は大分時間がかかった。 彼女がトップになったとき、金子は客席で時代を感じてしまった。 「ああ、人間は大成するのには、あのガキが○学生になるまで時間がかかるのだ」と。 だからなおさら真矢が退団した時はサヨナラパレードにも行けなかったが、 その日は感慨深かった。 「ああ、とうとう『古いファン』になったな」と。 今年の初舞台生がどういう道をたどるのか今のところでは分からないが、 早咲きにせよ、遅咲きにせよ、 自分が納得できる宝塚生活をすごして欲しいと心から願っている。 今回は、すこし真面目でした。 金子亜矢 bacew609@jttk.zaq.ne.jp □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ |