■■■AYAの観劇記■■■



ミュージカル
風と共に去りぬ



2002年 12月10日(土)〜12月24日(木) 大阪 梅田コマ劇場
2003年  1月 2日(火)〜 1月28日(水) 大阪 梅田コマ劇場
2003年  5月 5日(月)〜 5月31日(土) 帝国劇場


観劇日
2002年12月13日 3階1列36(アシュレー=岡幸二郎)
2003年 1月 9日 1階7列25(アシュレー=石井一孝)

劇場
大阪 梅田コマ劇場



HP主人 森(=SUN)筆。

そんなにみんな痩せていなくてもいいだろう。
と、金子さんの文中の「痩せてくれ」お願い文を読んで思うのだが。
グラマラスなのは、男も女もかっこいいぜ。
太り過ぎてるのはイカンけど。
過ぎたるは及ばざるが如し。
何事も中庸がよいぞ中庸が。
おいといて。

今回の<金子のよしなしごと>のテーマは「タダ券」。
タダ券。
いいなあ、私もぜひ欲しいのです。
それより欲しいのは、全国(全世界だとなおいいが)劇場フリーパス券。
無期限。

あるかそんなもん。

チケット代なぁ。
高いんですよね、舞台。

「1月9日は12000円がもったいないから、39.1度の熱をおして行ったわよ!」
と金子さんは書いている。
私も行くな、熱あっても。舞台。
12000円は行くよ。

熱があろうが、骨を折ろうが、身体が動けば舞台を観に行くが、
仕事が入ってたり、チケ代が工面出来ません!
の時は、あきらめないとイケナイのだ。
チケ代は高いんです。

全国劇場フリーパス券、
まけといて、東京劇場フリーパス券でもいい。
「まけとく」も何も、そんなものはない。


無料、フリーといえば、
今、ベニサン・ピットで上演中の「BENT」
公演期間:2002年12月28日〜2003年1月19日。
観劇料 :無料。
製作  :tpt。

心意気を感じた。
製作に、舞台に、感動した。


ってなことで、金子さんの劇評いってみよう。



ミュージカル
風と共に去りぬ


    原作:マーガレット・ミッチェル

    脚本:菊田一夫

    潤色:掘越 真

    演出:山田和也

    音楽:佐橋俊彦

    作詞:秋元 康

    装置:堀尾幸男
    照明:服部 基
    振付:上島雪夫
    衣裳:緒方規矩子
    音響:大坪正仁
  声楽指導:林アキラ・楊 淑美
  声楽監修:北川 潤
    指揮:塩田明広

   製作:坂本義和


<メイン・キャスト>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     スカーレット:大地真央
   レット・バトラー:今井清隆
       メラニー:杜 けあき
 アシュレ・ウィルクス:岡幸二郎/石井一孝

   ベル・ワトリング:寿ひずる
        マミー:花山佳子
     ピティパット:木村有里
       プリシー:植田チコ

  フランク・ケネディ:藤堂新二
チャールズ・ハミルトン:安崎 求


<絶対読めない原作>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○学生の時、宝塚でこの演目が再演されたとき、
母が箱に入った文学全集の原作を買ってくれたのだが、
金子、1章読んだらもういやになった。
母は「せっかく買ったのに・・」と大分落胆していたが、
まるでスカーレットが自分のことを言われているようで、
あらさがしされているようで嫌になってしまったのだ。
それ以降、何度か挑戦したがだめである。
よって、金子の「風と共に去りぬ」はどっぷり宝塚につかった概念である。
ちなみに昨年の日生劇場もチケットがとれず、観ていない。

 かつて、「宝塚で最高のスカーレット」と言われた一路真輝さんが、
「スカーレットは絶対B型だと思う」とおっしゃっておられたが、
金子もそうだと思う。
そして今回の真央さんも本で調べるとB型。
スカーレットの気が変わりやすいところ、確固とした信念、
などB型以外の人には表現しにくいだろう。
そんな気がした。

<感想>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「大地真央が演じるダイナミックなスカーレットに圧倒される舞台」

プラス

「1月9日は12000円がもったいないから、
               39.1度の熱をおして行ったわよ!」

   宝塚版が当たり前状態になっている人間にとって、
「大分違う『風共』だな」と思ったが、
メラニーの比重が宝塚より多くなっていることや、
スカーレット像の描き方などは宝塚よりはっきりしていて、
「こういうのもありか」と納得できる舞台であった。
ナンバーはレットが人を食ったように歌う「♪葉巻」と
スカーレットとレットの「♪心のかたち」などは歌詞がシンプルで分かりやすいが、
この梅田コマ劇場は3階で観ると歌詞の60%しか聞こえなくなるのが難点だ。
演歌の場合などはこれでいいのだろうが、
ミュージカルの場合はやはり1階で高い料金を払って観ざるをえない。
しかし、9日の隣の人は「大地真央ファンクラブ」の会員で、7回見るそうだ・・・・
12000×7?+東京・名古屋も行くらしい。
熱狂的真央さんファンだな、と思った。
金子など足元にも及ばない。それでも、である。
やはり、「♪君はマグノリアの花のごとく」とか
「♪さよならは夕映えのなかで」がないとどうも落ち着かなかった。
一路さんのビデオをみた父は「宝塚が変えているのだよ」というが、
どうも宝塚版に慣れてしまって、少し落ち着きが悪かった。
ただ、アトランタ陥落の場面の火薬を使った場面は迫力があった。
後は人別に。


 スカーレットの大地真央(マオちゃん)。
金子も上の人ほどではないが、宝塚現役時代からのファンだが、
スケールの大きいスカーレットに3階で観ていても圧倒されてしまった。
「宝塚最高のスカーレット」と言われた一路さんのスカーレットは、
「スカーレットとしてあるべき姿」を忠実に的確になぞった感じだが、
マオさんのスカーレットはしっかりとした生命力を持ち、泣き、笑い、
時にはコケテッシュにフランク・ケネディを誘惑し、
とても自分に素直で「こんな女もいるのよ」と言われているようだった。
明るいミュージカルのマオちゃんもいいが、
スカーレットはライフワークの役になるだろう。
歌は「♪家はどこ?」が一番良かった。


 レットの今井清隆さん。
歌は低音がしっかりしていて、聴き応えがあったし、
宝塚と違って本当の男性がやると、スカーレットの首をしめるシーンなど
本当に迫力満点で「さすが本当の男性」と思ってしまった。
ただ、あまりにも恰幅がよくていらっしゃるので、
宝塚の細身に慣れている身としては
「もう少し痩せていただけないかな」などと馬鹿な注文をつけたくなった。
無頼漢と言われているが、本当は紳士のレットを上手くこなされていたとおもう。


 メラニーの杜けあき(カリンチョさん)。
退団後の舞台を拝見するのは初めてであるが、
さすが演技巧者で鳴らしただけの人である。
メラニーはレットに言わせると「アトランタ唯一の貴婦人」なのだが、
宝塚版では「やさしくて病弱」というイメージしかなくて、歌もないのだが、
今回は、やさしいのは当たり前だが、品格があり、
他人の立場に立ってその人のことを思いやれ、
そして「人はこう生きなくてはいけない」という芯を持った女性であった。
そして、カリンチョさんはそんなメラニーを余すところなく表現していた。
12月13日に観た後に、父に請われてSKY STAGEで「忠臣蔵」を見たのだが、
あの大石倉之助が上品なメラニーに変わるとは
役者とはやりがいのある商売なのだな、と思った。


アシュレー役(13日)の岡幸二郎さんは、
「レ・ミゼザブル」で名を上げた人だということは知っていたが、
なにせ兵庫に住んでいては、大阪に「レ・ミゼラブル」がそうそう来るわけはないし、
トリプルキャストともなると、チケット代との相談があって、全キャスト観る、
というわけにはいかないのだ。
ま、そんな言い訳で、岡さんの舞台姿を拝見するのは初めてだったのだが、
ルックスもすっとした二枚目でアシュレーのイメージを裏切らなかった。
内面表現にいたっては、あまりにも理知的過ぎるがゆえに、
その絵に書いた餅の「こうあるべき」理知に溺れてしまって、
メラニーによってしか「現実社会とのロープ」が結んでもらえない、
ひ弱な男性を表現しえていたと思う。
しかし、13日の観劇後、父は
「レットより、アシュレーの方が難しいな。
 レットは『俺の言うことが聞けないのか!』と大胆に迫っていけばそれでいいけど、
 アシュレーは繊細でなくてはいけないからね。」と言っていた。


アシュレー役(9日)の石井一孝さんは、
「カルメン」のエスカミリオなどでは豪胆な役をこなしていらしたので
今回はどうでるか、と期待したが、現実と離れた高尚な考えを持つ好青年が
そのまま成長してしまって、現実世界と結び合わせてくれたのは
メラニーのおかげであることを知らないままで、
メラニーの死によって初めて自分が現実に即していないということがわかって、
弱く崩れてしまう、という結構宝塚的なアシュレーであった。


ベルの寿ひずる(イーちゃん)。
自分がレットにスカーレット以上に愛してもらえないことを知りながら、
レットの気持ちなどお見通しのいい女をイメージどおりに表現していた。
また商売を鼓舞する「♪ようこそ」などその手のお姉さんらしくさばけていて良かった。
ただ、今回の役はこれぐらいグラマラスでもいいが、
他の役をやるならもう少し痩せていただけたらいいのに、と思った。


マミーの花山佳子さん。
2幕の「♪天使よ」はゴスペル調だが、もう少し低音がでればいいと思った。
ただ、マミーとしての造形は十分で、
スカーレットの行動に振り回される様子はいかにもマミーらしかった。


チャールズ・ハミルトンの安崎求さん。
「その男ゾルバ」や「ミス・サイゴン」で主役級の役を演じてらしたので、
こんな小さい役はなんかかわいそうであった。
なにが真ん中に立てない理由なのだろう。


プリシーの植田チコさん。
10月に「チャーリー・ガール」でお色気むんむんのお姉さまを演じていた人と同じ人か、
と思うほどの変身振りである。
スカーレットにさんざんこき使われる使用人を、
これまた私たちが持つ概念どおりに演じていた。


と、ここまで書いてきたが、宝塚と違う「風と共に去りぬ」もありなのだな、
と認識させられた舞台であった。



<金子のよしなしごと>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


今回のテーマは「タダ券」

 今回の「風と共に去りぬ」、
アシュレー役がダブルキャストだときいて、両方観たいと思ったのだが、
12000円のSS席を2回も払えない。
そういう時にありがたいのがこの「タダ券」である。

この「風と共に去りぬ」は、阪急百貨店の友の会の招待券を利用して、
父と2人で観る事ができた。
おかげで両キャスト制覇、である。
あと、皆さんの身近なところとでいえば新聞社3階席招待券、ではなかろうか。
実は、2002年に初めて読売新聞から1月の新歌舞伎座の川中美幸の公演の
初日の招待券をもらって、ミナミまではるばる出かけたのだが、
父と金子の考えは甘かった・・・・
どうも引き換え開始3時間前ぐらいから並んでいないと、
舞台正面の席は手に入らないらしい・・・
ということでその公演は親子ともども首が痛くなって帰ってきた。
それ以来、新歌舞伎座の場合は少しお金を足して、
正面で観られる席にすることにしている。
主演者にもよるが8月のピーターさんの時は、
5000円のプラスで1階のかなりいい席に座れた。

しかし、阪急友の会もそう甘くはない。
この公演の引き換えも引き換え初日に家から一番の始発で出て劇場にいったのだが、
もう50番だった。
しかし、さすが阪急グループ。
3階席とはいいつつも、早く行って、平日の夜、などを選択すると、3階の前段、
つまりA席(7000円)のチケットに代えてもらえるのだ。
今回も3階の1番前に座れた。
これはお得である。
このほか、いいタダ券の入手方法をご存知の方、
そっと下のメールアドレスから金子に教えてくださいね。
それでは。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
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