■■■AYAの宝塚歌劇 観劇記■■■


雪 組

バウ・ミュージカル・コメディ
ホップ スコッチ
-Hopscotch 石けり-



2002年 10月19日(土)〜10月28日(月) 宝塚バウホール公演

2002年 11月 1日(金)〜11月 7日(木) 東京特別公演(日本青年館大ホール)

観劇日10月20日(日)ぬ列10番

劇場 :宝塚バウホール

HP主人 森(=SUN)筆。

文末の
<金子のよしなしごと>

『これが金子のスタンスである』
とまで言い切られてしまった。

たしかに「そこまでせんでも…」
というツッコミをしたくなってしまうところだが、
『スタンス』にはかなわない。

ついていきますぜ旦那。
って感じだろうか。
って、どんな感じなんだ…。

でも身体は大事にしてね。

ってなことで、金子さんの劇評いってみよう。




バウ・ミュージカル・コメディ
ホップ スコッチ
-Hopscotch 石けり-


作・演出:太田哲則


<メインキャスト>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(プログラムから抜粋)

              バーナード・スタイン(新聞記者):立樹遥
      クリストファー・レン(見習い弁護士、通称クリス):壮一帆
      ピーター・ファーガソン(陸軍用務局営繕課保安係):音月桂
      スーザン・ブラウニング(名門ブラウニング家当主):邦なつき
         ハワード・サッチャー(サッチャー商会会長):一樹千尋
バーバラ・マックイーン(サッチャー商会秘書、ピーターと婚約):白羽ゆり
       ジェニー・メイソン(小説家、バーナードと婚約):舞咲りん
          リンダ・ガーリック(歌手、クリスと婚約):晴華みどり

他 雪組「ホップ スコッチ」組

<解説>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 20世紀初頭のアメリカ、ニュージャージのある田舎町。
バーナード、クリストファー、ピーターは仲良し三人組。
三人とも若者らしい情熱もあり功名心にも燃えていた。
そしてまったく偶然にも、同じ時期に生涯の伴侶とすべき女性に巡り合い、
ついに婚約することになった。

 独身時代の最後を記念して、南部へ船で小旅行に出発しようとする彼らは、
それぞれ一通の手紙を受け取って・・・・

 人間が生きている証拠の一つ、信じることと疑うこと。
 日常で起こる他愛のない疑惑をテーマにした知的な大人のコメディ。

立樹遥、壮一帆、音月桂のバウホール初主演作。

(ちらしより)


<発売日の翌日>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 これを観た20日の前日は8人も退団する、星組大劇場の一般前売り初日だった。
金子も某「ぴあ」に並んでおり、寝不足。
しかし、バウのチケットなど交換できるはずもなく、行ったのだが、しんどいときたら。
足を組み替えたりして、気力を振り絞ってみていた。
しかし、宝塚ファンなら誰しも同じなのでしょうかね。
隣の人は、2部ほとんど爆睡。
う〜ん、4500円勿体ないよ、といいたかったが、
きっとどこかで何晩も徹夜してたまらなかったのでしょうね。
金子も13時半ごろに終わったらとっとと家に帰って、
とにかくお風呂に入って、昼寝しました。
よって、今回の感想は書くのはかなりキツイ・・・・。


<感想>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「バウホールに相応しいハッピーエンドの小気味いいコメディ」

 全体的には、「結婚は石蹴りのようなもの」といった教訓も交えてあるが、
肩のこらない「あー楽しかった」といえる舞台であった。
バウはこのところ、内容があるのが続いていたので、
こういうちょっとくすりと笑えるコメディは観ていて楽しかった。
あとは人別に。


バーナードの立樹遥
もう大分キャリアを積んでいる人なので、
こういう軽いのはどうかしら、と思ったが杞憂であった。
ノリで婚約してしまう、明るい裏表のない性格のバーナードを楽しそうに演じていた。
主演3人の中では一番上級生のこともあるのか、
やはり「華」が一番あって、確かな手ごたえを得ているように見えた。
ただ、歌は「ラ・コンチネンタル」という名曲であったこともあるが、
もう少しリズムに乗る歌い方ができればさらにいいだろう。
やはり、これからは「月夜歌声」でやっていたような、
心理的に表現が難しい役にもっと当たっていくのが芸を高めるステップだろう。


クリスの壮一帆
ブルーの上着を着ていたが、それそのもの。
組替えにより抜擢を経験している最中の持てる力を正々堂々と出している感じだ。
歌をもう少し聞いてみたかったし、
もう少し他の2人に対して疑惑を持つところなど観てみたかったが、
今回はお預けのようである。
ひたすら、「正々堂々クリス」であった。
新人公演では主役を張っているのだから、
もう少し心理描写の場面を与えても良かったのでは。


ピーターの音月桂
この人こそ若さ全開で、初めて疑うことを知るピーターを演じていた。
また、その相手が商魂たくましいバーバラというのが、お尻に引かれているようで面白い。
歌の安定感はあるのだが、もう少し低音がはっきりするといいと思う。
また、他の2人を疑うところではなかなかの演技だった。
下級生、というレッテルに負けない大型新人ということはいうまでない。


そのバーナードの婚約者のジェニーの舞咲りん
思想ばかりぺらぺら喋っている頭でっかちなのにバーナードと結ばれるのが
なんか妙な感じもするが、舞咲は難しい台詞もすんなりこなし、
なかなか知的な感じがした。
歌も聞いてみたかった。


クリスの婚約者のリンダの晴華みどり
ブロードウェイを目指す歌手、ということで出てきた途端、
原語で「インディアン・ラブコール」を歌うのだが、声が通っていて良かった。
まだ新人だが、髪型の工夫など勉強をつめばいい娘役に成長すると思う。
バウではこういう有望な新人の発見があるのが喜ばしいところだ。


ピーターの婚約者のバーバラの白羽ゆり
この人も本公演でキャリアを積んでいる人だが、いつもお嬢様、令嬢といった役なので、
商魂たくましいバーバラは新たな面を見た気がした。
ピーターに口ひとつもはさませないで、どんどん商談を進めていく様は面白かった。
いずれトップ娘役になる人だと思うが、
こういう引き出しをどんどん作っておくべきだろう。


専科の邦なつきさん。
どうしていつ見てもあんなに「粋」なのだろうか。
月組にいらしたときの「大いなる遺産」の
ミス・ハビシャムの演技はいつまでも心に残っているが、
どんな役でも「粋」なのはお年を重ねてみえても頭が下がる。
今回は、恋の指南役といった立場のリッチな女性だがぴったり合っていた。


また専科の、一樹千尋さん。
ダンディなおじさまをさらっと演じておられた。
歌も少し「ラ・コンチネンタル」を歌われたが、星組時代と変わらず確実である。
邦さんと2人で「大人の余裕」というものを充分に表現しておられた。


気になった人を2人。
郵便配達夫のジョーイの麻愛めぐる
ほとんど舞台にいて狂言回しのような役も務めるのだが、
滑舌が素晴らしく、観客の舞台への理解をしやすくしていた。
歌も確実なので貴重な脇役になってくれると思う。

最後に、ルーシーの花帆杏奈
可憐でルーシーにぴったりなのだが、台詞が一本調子で正直なところ、
聞いていてうんざりしてしまった。
あまり、悪くは書きたくないのだが、どうしても耳障りが悪いので改善していただきたい。

以上、大人のエスプリが効いたコメディでとても楽しかった。
感想を終わる。


<金子のよしなしごと>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 前回、「父の日」だから「母の日」でしょう、と思われるでしょうが、
今回のテーマは「観劇と頭痛」です。

金子、大体1kgぐらいある、8〜20倍のオペラグラスを利用しているのだが、
正直、重い。

それと、金子は結構前の席でも、
同じ列の人は誰もオペラグラスを利用していないのに使っているらしい。
これは、自分で気づかず、他人に指摘された。
それもこれも、「一瞬も見逃すまい」という気概(大げさか)、
と「ちゃんと感想書こう」という気持ちから出るものである。
最初に頭痛がしたのは、宝塚花組の順みつきさん(ミッキーさん)のサヨナラ公演のとき。
なにせ、当日券で行ったので、3階で、舞台が遠くて、それだけで大変だった。
その上、「霧深きエルベのほとり」のミッキーさんの緩急自在な演技力に感服して、
休憩時間は思わず脚本を読んだし、
(今は、脚本集と「ル・サンク」に載っているが、
 やはりプログラムに掲載するほうが絶対販売部数も増えると思う)
そのあとの「オペラ・トロピカル」でのミッキーさんパワー
(例えば中詰めの「ラ・クンバチェロ」など)
に圧倒されて、家に帰って寝込んでしまった。

現在、一番頭痛がするのはバウホール公演である。
やはり、下級生で知らない人が多いし、2回みるほどチケットが手に入らないし、
お金もないので、一発集中である。

大劇場は初めのとき後ろのほうで全体を観て、
「まあ、○○点というところかな」と値踏みをさせていただいて、
それから前で観るときは、気になる人中心に観て、
観劇後の感想はなるべく2回目を主にして書いている。
勿論、宝塚以外のミュージカルは値段の関係もあって一発勝負なので、
頭痛はいうまでもない。
と、こんなわけで、この感想は観劇日の翌日に書くことが多い。

確かに、楽しむための観劇に頭痛とはバカか、と思われるかもしれないが、
これが金子のスタンスである。

今回は感想を書く前のお話でした。
これで終わります。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
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