■■■AYAの宝塚歌劇 観劇記■■■


花 組

ダイアモンド・アイズ

2002年4月18日〜4月21日 シアター・ドラマシティ


観劇日:4月19日(金)15:00公演 1列16番
劇場 :シアター・ドラマシティ



HP主人 森(=SUN)筆。

私は「人間」として彼女らに「同情」するのではなく、
「舞台人」としてこれだけの結果をだした彼女らに
「心からの拍手」で応えたいと思う。

上記は、金子さんの「観劇評」から。


よい観客が、よい舞台人(舞台)を育てる。
よいサポーターが、よい選手(サッカー)育てる。

優しさ とか 厳しさ とか、
ほめる とか しかる とか、
個人的 とか 戦略的 とか、
組織的 とか。

World cupが始まる。
期間限定のホスピタリティ・センターが有楽町にオープンした。

nakata.net cafe

7カ国語対応のコンシェルジュが、
海外からくるサポーターたちに開催都市の情報を提供していく。

発起人であり、店内のインテリアまで選んだという 中田ヒデ。

この男をみていると、
人は 生きてきた 量(長さ)でなく質(深さ)なのだ。
という事に つくづく気付かされる。


チャーリー
踊りたかっただろうね。

ってなことで、金子さんの劇評いってみよう。



ダイアモンド・アイズ

作・演出:藤井大介

貴月あゆむ
楓 沙樹
高翔みず希
鈴懸三由岐
歌花由美
絵莉千晶
舞風りら
橘 梨矢
舞城のどか
桐生園加
貴 怜良
七星きら





<はじめに>

 ファンなら先刻ご承知のことだが、この公演、もともとは
「匠ひびきリサイタル」
として企画されたもので、金子も
「まあ、そうチャーリーのファンでもないけど、
 あのダンスをもう一度拝ませていただけるのなら、TELしてみるか」
と思って、ドラマシティ友の会の日にチケット奪取に走ったわけである。
すると、なんと最前列が取れたので、
期待もふくらむ一方のところであった。

・・・・しかし、チャーリー休演、
残りの12人の上記のメンバーだけの公演、と現実は変わってしまった。
正直、払い戻してもらおうかどうか、迷った。
しかし、せっかくの1列だし、こんなところで観る事はまあ、
今後あるかないかの感じがしたので、行くことにした。
しかし、困ったことに金子、どの組もだが、そう下級生に明るくない。
事前に「行く」とメールした福岡のメル友から
相当のレクチャーを受けたのだが、ごめんなさい、
男役下級生、下からお三人さん、
最後までお顔と芸名が一致しませんでした。
今、隣には「おとめ」が鎮座ましましているので、調べます。

 それともう一つ、
金子、ショーの感想はいつも書いているが、正直、あんまり自信がない。
というのは、金子自身が、バレエも声楽の知識がないからである。
だから、読んでくださる方は、まあ、素人の見たまま、
という感じでお願いしたい。

 さて、会場にいくと、入ったところで
「紙」といったほうがいい、パンフレットが渡されるのだが、
これで金子、焦る。
なんせ、全員の写真が全身を撮った小さなもので、
そこに芸名が書かれていないのであったからである。
顔アップの芸名つき写真をお願いしたかった。
そして、タイムテーブルを見ると、1時間25分の幕無し。
7000円のチケット代が少々高く感じた。
また、客の入りも、1列の半分が空いている、
あとはいわずもがな、で少々寂しかった。

 長い前置きになったが、本題に入りたいと思う。


<感想>

<シーン1〜3:プロローグ>

 楓がフォッシーに扮して、
ダービーハットと白手袋と燕尾のダンスであるが、
「アイ・ガット・リズム」に合せて順調な幕開きであった。
とにかく皆、顔をくしゃくしゃにして笑っているのがいい。
もう、この辺で一番前に座った金子、すごいライブ感に嬉しくなった。


<シーン4:宝塚メドレー パート1>

 ここで、挨拶が入って、
「チャーリーさんが一番出たかったと思います」
ということを貴月と楓が述べた。

そして、宝塚の名曲のメドレーではなくて、
チャーリーの入団から退団までの宝塚歴における、
主題歌メドレーが前半と後半に分けてコーラスで歌われた。

金子もかなり知っている曲が多かったので、
自分のファン歴も長いな〜と自覚してしまった。
この前半は出演者がでていない公演ばかり、
という感じでかなり練習の跡がみえた。

個人的希望といえば、
初舞台の「サマルカンドの赤いバラ」の
「広い世界の中で」は名曲であるので、
フルコーラス歌ってほしかった。


<シーン5〜6:間奏曲〜バレエ>

「白の妖精」という役名の舞風が「オペラ座の怪人」から1曲歌い、
その後高翔とからんでバレエを見せるのだが、
「白の妖精」にぴったりで、
あんなに可憐によく体が動くものだと客席で感嘆してしまった。

「何を食べて生きているの」

とすら思えるスレンダーな体から繰り広げられるダンスは見応えがあった。
また、相手をした高翔もダイナミックなダンスは
大劇場で見られない分楽しませてもらった。


<シーン7:間奏曲>

 絵莉による、「ウイーンわが夢の街」のソロだが、
後半の「グラナダ」では良かったのに、
もう少し伸ばすところにボリュームが欲しかった。
しかし、1人で歌われると顔と芸名が一致するので、
「下級生勉強中」の身には助かる。


<シーン8〜9:REVUE>

 アステアに扮した楓、
ジーン・ケリーに扮した高翔、
ジンジャー・ロジャースに扮した舞風を中心にした、
MGM映画のオマージュである。

ここまででお分かりだろうが、
このショーは宝塚のショーのステレオタイプを組み合わせたものである。
別に目新しいシーンはない。
しかし、コール・ポーターの曲を使ったこのシーンなどは
安心してみていられた。
楓の「I can‘t stop dancing」は説得力があった。
ここで書くが、あえて言えば、このショーの主役は楓であり、
チャーリーの休演によりディナーショー以上のことをやらせてもらって、
最後に運のついた人だな、と思った。


<シーン10:スパニッシュ>

 鈴懸のカルメンは粘着質で歌も歌わないのに迫力があった。
近くで観て思ったのだが、女役のスカート捌きの難しいこと。
ふわ〜っと舞うように見せるにはこんなに手の動きが必要であるのか、
とびっくりした。
このへんから、貴月も上級生の存在感を見せる。


<シーン11:間奏曲>

 歌花による「ダイアモンドの歌」のソロだが、
難曲であるがもう少しドラマ性が欲しかった。
それと、全体にわたって歌花の髪型はもう少し、
すっきりしている方がいいと思った。


<シーン12〜13:ラテン>

 これまたお決まりの男役が女役に扮してのシーンである。
初めて聞いた貴月のソロだが、安定していて聴き易かった。


<シーン14〜16:JAZZ>

 ジゴロとギャングと女と、というこれまたお決まりのシーン。
「トップジゴロです」と客席から降りてきた楓は、
「琥珀色の雨にぬれて」以上の決まりぶり。
ここでは、彼女のダンスのスピンの早さに驚嘆した。
「名ダンサー」といわれる人は、それぞれ「得意技」を持つものだが、
楓の場合はこのスピンだろうか。
あと、キャサリンの舞城のどか、は初めて芯で見たような気がするが、
大柄だが、髪型もダンスもセンスのいい女役さんだ。

このあとバンド演奏をはさんで


<シーン19〜20:宝塚メドレー パート2〜フィナーレ>

 「ダンディズム!」以降の主題歌のメドレーであるが、
ここぐらいからは、皆出演しているような感じで、楽しんで歌っていた。
最後は「カクテル」の主題歌で終わった。


<アンコール>

 「上を向いて歩こう」を
全員のアカペラのコーラスで聴かせてくれたのだが、
それまで、「やっぱりチャーリーのリサイタルのメンバーだから、
 歌のスペシャリストはいないわね」
と思っていた金子だが、最後に

「私たちは歌だって出来るのですよ」

と念を押された。
美しいハーモニーであった。
さすが、宝塚、である。

ただ、選曲としては、
明るい、「明日があるさ」にしたほうが良かったのでは。


<終わりに>

 内容的には
「ディナーショー」+「巴里祭」を足したような時間配分と内容であった。

7000円が高いと思うかどうかは、もう、観る人それぞれだろう。
ちなみに、チケットを譲った、
隣の席の女性は全公演観るとおっしゃっていた。
金子は正直、7000円は高いと思った。

 しかし、終わって、ロビーに出ると、
「出演者の努力のほどを思うと、泣けてくる」
という趣旨の言葉を多く聞いた。
だが、私は「人間」として彼女らに「同情」するのではなく、
「舞台人」としてこれだけの結果をだした彼女らに
「心からの拍手」で応えたいと思う。

以上で感想を終わる。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
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