■■■AYAの観劇記■■■



ミュージカル
ジキル&ハイド


シアター・ドラマシティ(大阪)



観劇日:2002年1月7日(月)13時30分(2列22番)


 作詞・脚本:レスリー・ブリッカス
    作曲:フランク・ワイルドホーン

    演出:山田和也
上演台本・詩:高平哲郎


【CAST】

鹿賀丈史

マルシア
茂森あゆみ
段田安則
浜畑賢吉
石川 禅

   他


<はじめに>

 2つほど。
まず、チケットを買う時点で、金子、迷った。
というのは、全席11500円で、
東京公演より会場が狭いからそうなるのだが、
一万円以上、というのは貧乏人には「清水の舞台」である。

しかし、行ってみると某ミュージカルスクールの観劇会でもあり
客席は満杯であった。
不況もどこへ行ったやら、である。

次に、金子、当日調子が悪くて1幕はひーひーいいながら観ていて、
幕間に急いでトイレに行こうとしたら、
向こうからなにやら黒で格好のいい二人連れが
颯爽と歩いてくるではないか。
まだロビーには人はまばらで、誰も何も言わないのでじっとみてみたら、
なんと宙組トップコンビ(和央ようか・花總まり)ではないか!
目下、タカコファンの金子、
ただ口をぽかんと開けてただずんでしまった。
二人には両脇を通られたが、もうそこでいっぺんに元気が出た。
意外と宝塚ファンが少ないのか、客席で二人を待ち受ける風もなく、
一人エキサイトして、
「えーい、2幕頑張ってみるぞ!」となってしまった。
その上よく見たら、私のほうが前の席。
帰りは後姿しか拝めなかった。
タカコさん、やはりおみ足、5cm譲っていただきたいなあ。


<ストーリー>

 優秀な青年医師ジキル博士は、
人間の持つ「善」と「悪」という二つの人格を分離する
薬品の研究に夢中になっていた。
彼は研究を完成させるために、自分自身を使った人体実験を行う。
が、実験は予想外の結果を生む。
彼は苦悶の果てに
もう一つの人格である凶悪なハイド氏に変身してしまう。
やがて、街では連続殺人事件が起こり、
変身によって二つの人格を持ったジキルの運命は、
次第に予想のつかないものへとなってゆく・・・・・・。

(ちらしより)

金子=筆。



HP主人森(=SUN)筆。

金子さんの観劇日は1月7日。
観劇感想メールを送ってくださったのはその翌日。
で、私がその観劇感想をHPに更新したのは1月28日。
20日も過ぎています。
何故 こんなに遅れたのかといえば!!!!
って、「!」マークをつけることでも何でもないんだが、
私が仕事で年始からずっと東京を離れていたからである。
更新遅れてスンマセンでしたぁっっっっっ。

この「ジキル&ハイド」私も観ました。
大阪のドラマシティにて。1月15日。
関西方面にいるんですよ今 仕事で(年始から2月末頃まで)。
そんなわけで、ドラマシティ久しぶり 行ってきました。

しかしさあ。
宙組トップコンビに会ったってのは どうよ。
めちゃめちゃうらやましいじゃない。
コンビってよりも、フサ姫(花總まり)のほうにだが。

なんていうの、
こう・・3メートルほど離れたところで鑑賞したいっていうの。
アホみたいに手を叩いて
「うわぁーっっっ! キレイねー」 ってのをやりたい。
なんかもう最近そういうことが一番大事なんじゃないかって気もする。

なぁんて..なんだそりゃ。

あ、今回の金子さん劇評中の以下のトコロ
『削りたての鉛筆の芯のような清冽さ』
この表現 素敵ですねー。
いい表現だなあ。

ってなことで、金子さんの劇評いってみよう。





[亜矢の観劇評]

<感想>

 観終えてから思ったのは、
「重いミュージカルだな」と
「芝居の部分にかかっていたな」というのが2つ。
なんの予習もしないでいったので、
ロンドンの話、というのも分かっておらず、
そこは反省点である。

しかし、段々ジキルとハイドの交錯が激しくなるに連れて、
行き詰るような展開に酔わされた。
特に、2幕、ジキルとハイドが交錯しながら歌うナンバーは
とてもミュージカル史上斬新な演出で面白かった。
また、登場人物の役割分担もすっきりしていて、
客席で頭ぐるぐる、なんてことはなかった。
しっかり、チケット代のものはみせていただけた感じだ。
あとは、人別に。

 ジキル&ハイドの鹿賀丈史。
もう、独壇場であった。
鹿賀さん、といえば「料理の鉄人」とか「タイムショック」とかいった、
TVのイメージしかなかったのだが、さすが元劇団四季であった。
一度、鹿賀・ジャンバルジャンの「レ・ミズ」を観て置くべきであった。
(友達に勧められて観たのは山口版であったので)
歌ははっきりいってしまうが、70%しか歌詞が分からないのだが、
ジキルの少し高めの声とハイドのドスのきいた声の使い分けなど役者、
という点ではやはり、若手では難しいだろうな、と思う点が多かった。
(ストレートプレイなら、
 文学座の内野さんぐらいなら出来るかもしれない)

特に、上に書いたジキルとハイドを
交錯させて歌うナンバーは素晴らしかった。
ストーリーにある「青年医師」というには
少しお年をめしていると思うが、
鹿賀さんでないとできないな、と思うことしきりであった。


 ルーシーのマルシアさん。
はっきり言って、こんなに舞台センスのある方とは思わなかった。
歌の声は低めだが、ナイスバディだし、
心根の優しくてかわいい娼婦を十分に表現していた。
また、1幕の一人で舞台全部をつかって歌う曲もソウルフルでよかった。
また、ミュージカルに挑戦していただきたい。


 エマの茂森あゆみさん。
誰もが知る「団子三兄弟」のお姉さん出身だが、
こちらはまだ少し舞台なれしていないようだ。
まず、髪型。
初めから終わりまでおんなじ、というのはいただけない。
あと、ひたすらハイドを信じる令嬢なのだから、
削りたての鉛筆の芯のような清冽さが欲しかった。
あと、芝居の間も少しおかしいところがあった。
もう少し、外見から考えられてもいいのではないか。
しかし、歌の歌詞がはっきりしているのは良かった。


   ジキルの無二の親友で弁護士のジョンの段田安則さん。
この方もTVのイメージしかないのだが、
TVではいつも「上手いなあ」と思っていたので、
この役もすいすいであった。
問題は歌だが、この役は歌が少ないのでまあクリアであった。
説明台詞も多いのだが、
1つも分からないところがなかったのが芝居巧者の面目躍如であった。


 エマの父の浜畑賢吉さん。
たしか、四季の現役でいらっしゃると思うが、
重圧感のある演技は「卿」と呼ばれるだけ確かなものであった。
また、父親としてエマのことを気遣うところもさすがであった。


 あと、エマに横恋慕する役の石川禅さん。
小さな役だが、ソロのところになると俄然声がよくて、
「ああ、『回転木馬』の人だな」とすぐ分かった。
ただ、もう少しジキルに嫉妬して、
エマにいやらしく迫ったほうがいいと思う。


 いろいろ書いてきたが、とにかく重厚な舞台でみごたえがあった。
このような舞台が東京公演からすぐに
大阪公演があるのは喜ばしいかぎりである。
それでは感想を終える。


読んでくださってありがとう。
筆者へのメールお待ちしています。
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□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
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