■■■AYAの観劇記■■■



「DIVA 2001」
〜一路真輝リサイタル〜


NHK大阪ホール


観劇日:2001年12月26日(水)13時(1階C7列30番)



<はじめに>

いつものドラマシティと違って、今年の11月に出来たばかりの、
NHK大阪 放送局のなかにあるホールでの1日だけの公演であった。
初めていく所なので、行き方をしっかり聞いていったら、
まあ迷わずにすんだ。
この新大阪放送局、綺麗で大きく、
渋谷のNHKに負けていない感じであった。
しかし、このホール、この建物の中の4階からあって、
開演30分前になったというのに、
ホールへの唯一の入場手段のエスカレーターは動かず、
いざ動いたら、例の明石のような事故があってはいけない、
というので区切っては上がる、という入場の仕方だった。
それなら、やはり開場を1時間前にすべきだと思った。
席も、多分みんな初めてだろうから把握していないだろうし、
一番困ったのが、女子トイレの少なさだ。
1階上手に6個しかない。
これは、設計のミスだろう。
主に、公開録画番組に活用するそうだが、それでも少なすぎると思う。

 次に、物販販売だが、金子、これを書くために
(SNUさん、頑張りました)
プログラムは初めから買うつもりであった。
しかし、ロビーがとても狭いので、
CDのコーナーとプログラムのコーナーとビデオのコーナーの人が
一緒になってしまって、お兄さんが整理しないと、ごった煮状態。
こんな、狭いロビーでNHKさんいいのでしょうか。
ここまで、ホールの文句ばかり書いてしまった。
以後行かれる方の参考になれば幸いである。

また、そのプログラムであるが、
金子、1500円ぐらいを見積もっていた。
しかし、2200円・・・ふう。
思わず前の人に「曲順載ってますか?」と聞いてしまった。

前回の「大地真央グランドショウ」の時は、
コマ友の会の特権も利用して300円であったので、大出費である。
だいたい、プログラムの値段って、
どういうところで決めるのでしょうね。
金子には短いものほど高い、という感じがしたが。

最後に、出かけるとき
「イチロさんのコンサート行ってきます!」
と言って出たのだが、今回は「リサイタル」だそうである。
ここのところを押さえておかないと、
チケット代9000円にからはじまって、プログラム代や、
メンバーの充実度が納得できない。
東京では日生劇場だったそうだが、日生でリサイタル、
といえば私には都はるみさんぐらいしか思い浮かばない。
それぐらい、格の高いものですよ、
と始めから言われていると客は理解して観なくてはいけないのだろう。
さて、9000円に見合うか、
そろそろ感想といきたいと思う。




[亜矢の観劇評]

「ACT1」

こちらは、ストーリー仕立てになっていて、
劇場の夜間警備員をしながらミュージカルスターに憧れる女性(一路)が、
ある晩常夜灯を壊してしまったことから、
常夜灯の精がでてきて、彼女にスターになるべく特訓を施し、
夢がかなうようにおもえたが、それは一夜の夢だった、という話である。
ライトミュージカル、というところか。
一路さんも、愛嬌いっぱいでかわいかったが、
周りの鈴木綜馬さんを除く、キャストの面々の歌や踊りが楽しかった。
ちなみに、今回のリサイタル、キャストはすべて
「エリザベート」に出ていた面々である。
特に伊藤弘美さんのゴッドねえちゃんぶりは、
ご本人も悦に入っているようで面白かった。
ただ、プログラムに
「テロがあったので古きよきブロードウェイの音楽を使いたい」
とあったのだが、金子が知っている曲は3曲しかなかった。
もう少し、メジャーな曲でお願いしたかった。
精の一員でありながらも、声といい、華といい、井上芳雄くんはなにか目立つ。
やはり、これからの日本ミュージカル界をしょってたつ、
第一人者は彼なのだろうな、と客席で思った。
しかし、55分、少し長く思えたのは事実である。


「ACT2」

こちらは、3つのミュージカルのナンバーから成り立っていて、
初めはブロードウェイで1回しか公演されたことがないという、
「アンナ・カレーニナ」からである。
話が分かっていないとやばい、と思ったが、
一応金子、今年の雪組バウホール公演で観ているのでそこはクリア、であった。
一応、伊藤さんによる、要旨の朗読があるのだが、
全く話を知らない人には難しいかもしれない。

一路さん=アンナ、
鈴木さん=カレーニン氏、
井上くん=ヴィロンスキー、
の設定で歌われた。
初めて聴く曲ばかりなので、どれがよい、とはいいにくいが、
最後にアンナが、鉄道に飛び込む前に、
一人置いてきた息子を思って歌う「セリョージャ」は、
人生の敗北者の最後の叫びのようで、
一路さんも涙を流しながらの熱唱であった。
なんだか、泣きながら歌う一路さんは初めてみた気がする。
(以下曲名は、なるべくカタカナ表記にする。
なにせ金子、○本文学科卒、なので、英語にはさっぱり弱いのである)

次が、来年の一路さんの新作「キス・ミー・ケイト」から3曲で、
ダンサー陣による「ツー・ダーン・ホット」ははっきり言って、
人数が少なかったので、
昭和63年の宝塚花組の二幕の幕開けの方が良かった。

そして、一路さん、鈴木さんの「ウンダバー」。
これは、鈴木さんのテノールが素晴らしくて、
金子、大浦みずきファンだったのだが、
ナツメさんががたがたとあっちへいってしまった。
ここで少し話がずれるが、金子、大浦みずきファンで、
彼女がコール・ボーターの曲ばかりをつかったショーを
バウホールでやったときからポーターが好きになって、
CD店で「コール・ポーター全集」をみたら、必ず買っている。
そういえば、夏に探していた、
エラ・フィツジェラルドのポーターの全集を買ったところだ。
(だから、「パナマ・ハッティー」を観たいのです!)
それで、まあ低いレベルながら、ポーターの原詩はなんとか、
頑張ってよんだことがある。

で、次の「ソー・イン・ラブ」である。
詞を書き直したとのことで、
新しい歌詞で一路さんは歌ってくれたのだが、
これがどうも、である。
なんか、原詩と離れすぎている。
それと、なんというか一路さんにポーターはいまいちである。
ああいう、しゃれた曲は正統派一路には合わない気がする。
ま、7月まで頑張ってください。
(ただ、なんでこの公演、名古屋までくるのに大阪にはこないのだ?
 伊織直加も出ているのに)

最後に十八番、「エリザベート」からである。
まず、トートで「最後のダンス」。
これは、声の幅が男性とは違って、低音から高音まででるので
「ああ、イチロさんを超える者はいないな」と思ってしまった。
そして、井上くんと「闇がひろがる」。
二人ともよく声が出ていて、香寿&一路の時のような陶酔にひたれた。
このときばかりは、「きてよかった」と思った。
あとは、エリザベートに戻って、
白いドレスで「パパみたいに」「魂の自由」「夢とうつつの狭間に」
「夜のボート」「愛のテーマ」と続いた。
もう、一路さん、ドレスの上の上半身が折れそうに細いのだが、
どこからあんな声がでるのか、独壇場であった。
以上で幕、であったが、アンコールは
「私は、来年芸能生活20周年になります。
 最後に好きな曲に詞をつけて歌います」であった。
えっ、ちょっと待ったあ!である。
なんで、「私だけに」じゃないの?
「私だけに」がないイチロさんのコンサート&リサイタルなんて、
例えが悪いが、福神漬けのないカレーみたいなものですよ。
そこのところ、汲み取って欲しかった。

 さて、色々書いてきたが、結局9000円に見合ったか、ということである。
私としては、プログラムは1800円ぐらいが妥当だと思うし、
チケット代は8000円ぐらいが満足度がいく値段だと思う。
(それならA席で観ろか)
一路さんも、なんだか、歌に関しては、
マオちゃんより格が上がってしまったなあ、
というのが率直な感想である。
来年は10000円突入かも知れないが、
一路さんの歌、というのはミュージカル界見渡しても、
ずば抜けた天賦の才だと思うので、来年も行くと思う。
兎に角、いいものを聴かせていただきました。

ここまで読んでくださってありがとう。
筆者へのメールお待ちしています。
ただ、ファイル形式は開けないので、普通のメール形式でお願いします。
それでは、今回はこの辺で。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

−SUNの舞台観劇記へ戻る−

−タイトルへ戻る−