■■■AYAの宝塚歌劇 観劇記■■■


雪 組

2001年10月5日〜11月12日 宝塚大劇場

宝塚ロマン
愛 燃える-呉王夫差


ロマンチック・レビュー
Rose Garden



観劇日:10月16日(火)
      15:00〜
      1階席18列61番

劇場 :宝塚大劇場



またまたメール投稿。
K.AYA。

やはり思った通り「観劇記」更新は安泰であった。

で、そのメール観劇記前文にK.AYAさんから以下の文。

森さん
 雪組感想書きましたので送ります。
やはり、宝塚は長くなってしまいます。
いつも心配なのですが、
私の感想に対して「いい加減にしろ!」とか
苦情が森さんのところにきてご迷惑なさっていないでしょうか?
いつもそれを心配しております。
それでは、雪組の感想宜しくお願いします。

以上 AYAさんからでした。

万端大丈夫さっっっっ!。
苦情どころか大歓迎さっっ。

これからもドシドシ書いてね。
皆さんもドシドシよかったらメール送ってね。

AYAさんから「宝塚」ネタ。
HP主人SUN(=森)ずっーと宝塚行けてませんので、
個人的にも とてもうれしく読んでしまった。
「そういうことになってんだ最近」みたいな。
それにしても、轟悠は「閣下」なのか、AYAさん的には。
うけてしまった。
出世(?)したなあ。
なんてったって「ルキーニ役者」だったからね。
でも、あのルキーニは素晴らしかったよ。
高島兄キもよかったけどね。

閣下(轟)専科に行くんだ。
月影さんは退団なんだ。
そっかー・・・。

観たいのよ、宝塚 本当に。
「シブジュン&エミクラ御披露目」なんて、とっても観たかったさ。

ってなわけで、AYAさんの「観劇記」どーぞ。
巻末の<観終えてから>って項は爆笑ものだ。




宝塚ロマン
愛 燃える


作・演出:酒井澄夫


 夫差(ふさ):轟悠
西施(せいし):月影瞳

         雪組組生




<あらすじ>

 中国の春秋時代。
呉国は長年、越国とその覇権を争っていた。
ある年、越国の王から献上ものとして絶世の美女西施が贈られて来た。
彼女は実は呉国を倒国に導く命を受けていた。
しかし、呉王の夫差は西施との恋が偽りと知りつつ、
美しさゆえに彼女を愛するようになっていく。
西施もまた、夫差の優しさに触れ、
仕掛けた恋が本物へと変わっていくのを感じる・・・・・。

 謀反と野望渦巻く呉の王城を舞台に、
王と美女の恋物語を中心に繰り広げられる絢爛豪華な歌劇。
(ちらしより)


<感想>

 「いやー中国物かぁ。
  歴史も人名も難しそう。
  ○○教養、で西施というのはやったけど、
  やたら美人ということしか覚えてない。
  なんせ専門外だもんね。」

と始めは金子、割り切ってはいたものの、
観劇日が近づき、「歌劇」誌の座談会などを読むと、
不安になってきて、家にある『大辞林』で、少し調べた。
これを読まれて観にいかれる方(殊勝なかたです)の役に立てばと、
始めに主人公2人が一般にどうとられているか、2つのことわざで紹介。

☆ 夫差→「臥薪嘗胆」
  父の仇を忘れないために、薪の上に毎日寝た、という人ですね。
  艱難辛苦をいとわない、というのが現在の意味。

☆ 西施→「<西施の>顰(ひそみ)に倣(なら)う」
  西施が病気にかかったとき、顰=眉をひそめたのを見て、
  どんなブスも真似をして、顰蹙をかった、
  という故事。
  現在では、むやみに人真似をするものではない、という意味。

というところで予習は終わりにして、感想にいきたいと思う。
(以下、役における人名はWordと格闘したくないので、
 カタカナで表記する)

 お話は、つきつめていってしまうと、
1人の王が、父の仇も討ち、敵国を属国としたところで、
戦ばかりの人生をふとふりかえり、
1人の人間としての幸せを求めるようになり、
その手の届くところに真実の愛を求める対象がいて、
その愛に溺れているうちに、政治をおろそかにしてしまい、
敵に返り討ちにされて生涯を閉じる、
という1人の男のいきざまを描いた話である。
ま、書いてしまえば意外と簡単である。
これが、95分にわたって繰り広げられるのだ。

観た印象として、題名どおり、
愛が中心になっているのでそこに場面をさくのは仕方ないとしても、
もう少し、フサの自分の生き方の探求、
ハンレイのセイシへの思いと国への思いへのせめぎあい、
みたいなものがあっていいのではないかと思った。
ま、轟閣下
(以下、閣下、
 何故かというと今の宝塚での地位にせよ、
 賞をとったことにせよ、
 もう金子にはイシちゃんなどとはいえないのである)
はまたトップの公演はされるそうだし、
今回はメインはグンちゃんだよねーということで
どうしても「愛」がメインになるのでしょうね。
でも、もう少し戦闘の場面ぐらい迫力つけてよね、酒井先生、
あれじゃ「我が愛は山の彼方に」のほうがマシだよ。
衣装も結構ダブっていて、それも止めて欲しいと・・・
ああ、言うまい、言うまい。

 さて、閣下。
何で今になって王様を当てたんだ?劇団。
はまってる。

「おのれ○○、はーっ!」

なんていう所のドスの利かせ方は満点です。
(ここでも「我が愛〜」と比較してしまった。お幸せに、ノルさん)
ある意味、閣下の集大成でもあった。
ただ、もう少し、セイシの愛が本当か嘘か、
自分の人生はこれでいいのか、
といったことを煩悶する場面があった方がいいと思う。
その方が、より王としてより、人間としての苦しみも表現できて、
王として戦に立つ時とのコントラストが効いたと思う。
でも、あの台詞、歌の中では十分でございます、閣下。

 さて、グンちゃん。
私としては、始めにかいた「顰に倣う」がどうも尾を引いてしまって、
「超一流の美女でなくちゃイヤン」状態であった。
で、実際は、言えば
「手の先から水のしたたりおちるような」セイシであった。
あと、「現れただけで、香水がただようような」
になれば、イメージ完璧ですね。
楽まで待ちましょう。

あるときは本当のフサへの真実の微笑みであり、
あるときは越の国の回し者としての嘘の微笑みである、
という微笑み1つはとってみても難役である。
もっと、嘘の時と本当の時の背景がはっきり描かれていたら
やりやすいのだろうが、ただフサと会っているという設定だけでは、
どっちか後ろの席から観ていては分からなかった。
なんか、私には始めの登場シーン以外は全部本当の微笑みに思えた。
こちらも、脚本の書き込み不足であるのではないか。

でも、最後のグンちゃん、
あるときはフサに嫣然ともたれ掛かって、
今までにないつやっぽさで力演であった。
特に、最後にハンレイとの約束を破るときの台詞と、
最後にフサのもとに駆けつける凛とした姿は良かった。
もう舞台生活はされないそうだが、残念である。

 ハンレイの絵麻緒ゆう。
敵国の冷徹で計算高い将軍であるが、うーん。
悪いけど、ブンちゃんには合ってない。
国のためとセイシへの愛情に板ばさみになり、
仕方なくセイシを通じて越の反撃に加担する、という方がいいと思う。
それと、登場シーンが少なすぎる。
いまいち、セイシに対しての感情というものが最後まで分からなかった。
3人で歌うシーンも、
「この人、他の2人ほどこの劇で重要な役割してたっけ?」
と思ってしまった。
やはり、ブンちゃんにはソフトなところが必要です。

 ゴフの朝海ひかる。
ひたすら、自国を憂える政治家なのだが、
もう少し、信念をつよく押し出して欲しかった。
「アンナ・カレーニナ」の時から思っているのだが、
今のコムちゃんに必要なのは、
男役としての押し出しの強さ、ではないだろうか。
強さ、これがないとコムちゃんは「中性的」で終わってしまう。
男役である限り、強く、女にみえないように出て欲しい。
コムちゃんファンの人ごめんなさい。

 オウソンイの貴城けい。
1場面だけで、セイシに迫るのだがなかなか強くでれるようになった。
これは、「アンナ〜」のカレーニン氏の成果だとおもう。
静の役を経て、動の役がスムーズになった。

 あと、なんといっても星原さんの、腹に一物ある宰相。
こういう役は、専科ならではの存在感を感じた。
スター専科もいいが、
こういう昔からの(?)専科の人達も、劇団は大切にするべきである。
とったかみたかにやれない、こういう役所だって、
いつ必要とされるのかわからないのだから。

 なんやかんやいったが、やはり最後の屋台くずしの場面は、
装置ともども圧巻であった。
修学旅行生の多い秋、芸術の秋、にはふさわしい演目だったと思う。
また、こういう中国物も、時代を変えて
(「紫禁城の落日」までいったらイヤだけど)みてみたい。



ロマンチック・レビュー
Rose Garden


作・演出:岡田敬二

     雪組組生




<解説>

 薔薇の花をテーマに、
様々な伝説、言い伝え、花言葉などを美しく華やかに、
陶酔感溢れるレビューとして構成する。
薔薇の花は、その種類は数百種類もあり、
色彩も赤・白・紫・黄など様々で、その逸話も数多い。
多彩な個性が光る雪組による、優美なロマンチック・レビューシリーズ。
(ちらしより)

 全体的にいうと、知っている曲も多くあり、よかった。
点数をつけるなら、95点。

場面別に観ていこう。

<プロローグ>

 凄く綺麗なお衣装(でも閣下のは「シトラスの風」のノリ)で、
ロマンチック・レヴューらしくて良かった。
一番目についたのはブンちゃんの目を効かせた踊り。
「へえっ、星組時代もこうだったかしら」と思った。
これからは、トップ。
群舞の中心に立って、ガンガン。
でも髪型はセンターパーツで雰囲気はソフトに踊ってください。

グンちゃん、どの人とでも、
特に、特に閣下と踊るときは、超嬉しそうな顔をしている。
あんな表情をする人見ていると、こちらまで客席で微笑みたくなる。
ああ、この嬉しそうな顔も最後なんですね。

<薔薇戦争>

 バラがテーマだから、作った場面なのだろうが、
閣下は何もしないのに急に王になってしまうは、
吟遊詩人だったブンちゃんは、急に法王になってしまうは、
で、ちょっと登場人物が贅沢すぎた。
まひるとコムちゃんは急にくっついて、一緒に死んでしまうは、
もくっつけて、少し短時間に詰め込みすぎたように思う。

<バラの露>

 グンちゃんのアフロディテ、
昔はこういう系統の感じは難しい人だったけど、軽くクリア。
とにかく、微笑む、微笑む。
彼女はプロポーションがいいから、お衣装は着こなしがいつも良かった。
今回のこういう薄絹感じの美女も、似合っていた。
ただ、カツラは、もう少しスッキリしたほうがいい。
相手役が高城けい、ってのはちときついが、
閣下がこういうのお苦手だから仕方ないのかな。
アラビア風の王子、姿は十分でした。
あとは、上級生という意識はちょっとおいておいて、
グンちゃんにもっと微笑まれるようにしてください。
また、周りの女神たちでは、新加入の白羽ゆりに目がいった。
また、ショー全体をとおして、音月桂の活躍が目についた。

<中詰>

 私は、「ジェラシー」という曲が大好きなので、
閣下の「♪ジェッラシー!」という
強い歌詞つきの歌には喜んでしまった。
また、転調するところもブンちゃんが歌ってくれたので、
「歌詞つきジェラシー」にはルンルン。
(ただ、この曲を知ったのは、「琥珀色の雨にぬれて」。
 また、ルンルン)
ここも男役はプロローグと同じ燕尾で、正統派中詰であった。
ただ、タンゴだけで、皆が銀橋にででてきてくれなかったのは、
少し寂しかった。

<ダンシング・ローズ>

 ここはいわゆる、男役がソフトスーツ着て、帽子をなげつつ踊る、
という定番のシーンだった。
金子は、プロローグでブンちゃんの目のイカれてしまったので、
ブンちゃんばかりみてしまった。
閣下もあんなに激しく踊るのはこれで最後なのでしょうか?

<冬から春へ>

 なにをおいても、閣下の「The Rose」が良かった。
この曲、以前姿月あさとのコンサートで聞いたのだが、
あまりしっくりお衣装と合わせて納得できなかったので、
閣下でじっくりきけて良かった。
閣下がすこうしハスキーな声でソウルフルに歌われると、
だんだん後ろの氷を表わす布がとれていってそれもまた良かった。

<パレード前>

 「聞かせてよ 愛の言葉を」に乗せての、
閣下とグンちゃんのデュエット。
曲がいいし、グンちゃんの笑みがこれ以上ない、満面だったので、
「ああ、この2人の雪組も終わるんだ」と思うと、
トップサヨナラ公演でもないのに、うっときてしまった。
(他のサヨナラ公演はそうでない、とは言っていないが)
2人が、目をみつめ合って信頼を寄せ合って歌い、絡まるのをみると、
雪組独自のあたたかさを感じた。
ここで、あえてブンちゃんを出さなかったのは、正解ではなかろうか。
一番印象に残ったシーンです。

<バレード>

 美穂さんの歌から始まると安心する。
カシゲとコムちゃんが同じ衣装、というのは解せなかった。
グンちゃんの最後のドレス!!!
バラが肩に大きくついて、女の子なら誰もが憧れるでしょうね。
(私も久しぶりに着たいと思った衣装です・・・あああ)
閣下も最後とは思いたくないけど、これからどうなるのでしょうね。
とにかく、「轟時代の雪組バンザイ!」でおわりました。





<観終えてから>

 轟時代は、雪組のショーは、なにかお行儀よく、
仲間内で和気藹々と、であった。

もし、閣下が、もう少しショーになにかを加えられたら、
もう少しチケットが○○○であった。
(雪組ファンの人許して・・・・)
閣下はもう少しカッカ(下手なだじゃれだ)されたら、
ショーのイメージも変わると思う。
今考えるに、「なにか」の方法は3つほどある。

1、「お客様は神様です!」
  →最後に羽根しょって、上手、下手、中央にいくたびに
  「有難うございました!」と絶叫する。(愛華みれ実践)

2.アドリブサービス
  →真矢みき、真琴つばさなど、
  よく客席に向かってなにか見つけてなにかいう。

3.目線殺し
  →これは、マミさんが凄かったらしい。
  必ず2Fも見る。

4.「ガッツだぜ!」
  →次々と早変わりしてででも、余裕すら見せる。
  例:「ESP!」

このバカファンの
「ショーを楽しくしてくれる提案」でした。
次のブンちゃん時代はどうなるのでしょうね。

 それでは、今回の感想を終わります。

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