■■■SUNの観劇記■■■



贋作・桜の森の満開の下

新国立劇場 中劇場
2001年 6月1日〜30日 公演

観劇日:2001年6月7日(木)19:00〜(1階21列65番)


     作・演出:野田秀樹

       美術:堀尾幸男
       照明:小川幾雄
       衣裳:ひびのこづえ
選曲・効果・演出補:高都幸男
    ヘアメイク:高橋功亘
     演出助手:伊藤和美
     舞台監督:廣田 進

     芸術監督:栗山民也
       主催:新国立劇場
     制作協力:NODA・MAP


@@@キャスト@@@@@@@@

  耳男:堤 真一
 マナコ:古田新太
オオアマ:入江雅人
 夜長姫:深津絵里
 早寝姫:京野ことみ
ヒダの王:野田秀樹
 エンマ:大倉孝二
ハンニャ:犬山犬子
 赤名人:荒川良々
 青名人:平沢 智

その他の方々



姫の笑顔は
永久に続く坂道を 自転車で走り降りている時の笑顔のようだ。
荷台に地獄を載せて。

耳男は、夜長姫の笑顔を、そう言う。
本当に、そんな無邪気で残酷な
夜長姫(深津絵里)の笑顔だった。

冒頭と終幕に、テーマのように
「ジャンニ・スキッキ」の『私のお父さん』が、
劇場を その美しく震えるようなメロディで包む。

そのメロディの残像の中 終幕近く、
耳男が夜長姫の亡がらに 泣きながら
桜の花びらを手ですくってかけている
そういうシーンがある。

堤 真一(耳男)って、どーしてこうも
こういうシーンが素敵なんだろう。
『パンドラの鐘』でも、
「ヒメジョー!!」と、鐘にすがって 消えるような絶叫が
なんて素敵だったことか。
もちろん、両方の恋いこがれる姫が、
(天海祐希、深津絵里)
「そうだよな、そりゃあこんな姫なら そんくらい嘆きもするさ」
てなくらいの いい女だったのもむろん大きい。

てなわけで、NODA・MAP
「パンドラの鐘」以来ぶりの観劇でした。

「贋作・桜の森の満開の下」という作品
劇団夢の遊眠社の時に再演まで演ってるとのこと。
NODA・MAPでは初演。
夢の遊眠社の舞台、観たことありません。
(「贋作・桜の森の満開の下」だけじゃなくて)
で、ずいぶん前にテレビで放映された時に(夢の遊眠社の舞台が)
「観といたほうがいいんだろうねえ」てなくらいな気持で録画して
実は今も消さずあるんだが、まだ観てない。
何本もある。特集とか何かしてたのかもしれない。
ラベルまで作ったのに。録画した当時。
もう一生観ないかもしれない。
キチンとしてんだかしてないんだか。
そういう「録っただけビデオ」(夢の遊眠社に限らず)
の整理もイイカゲンしたい。

話がズレた。
「パンドラの鐘」引き続き よい舞台でした。

いいよなあ 役者がみんな生き生きしててさ。
古田新太。もうあなたは最高です。面白すぎる。
そして、鬼さんのメイン役の方達。
絶妙です。
ちゃんとみんな「芸」を持ってるねえ てな感じです。

深津絵里。
舞台で拝見するのは初めてでした。
声 声が、何て言うか すごいです。
色んな声を出しているんだけど、
もっぱら出してた 高音の声
あれって 矢野顕子さんの歌い声を話声にして、気持ち高め
ってな感じの 女性の高音声なのに とても気持ちいい声だった。
それで ハシャギまくって キレまくって 笑いまくる。
すっげータフ。
やること言うこと むちゃくちゃキレてて残酷なんだけど
無邪気で(まぁね、だから残酷なんだけどさ)かわいい。
この人の舞台 観てこなかったこと 後悔した。

カーテンコール
「いいもん観せてくれてありがとねー」
の観客からの拍手に、何度も全員で登場してくれる。
「オレらも楽しかったよー」
とまあ、そう言っているそのカーテンコールに
「いいなあ」と思いながらも 拍手し続けたのだよ。

ひさしぶりの観劇記更新。
観劇記 振り返ってみると宝塚多いなあ。
書きやすいんだろうね 無責任に素直に(おいおい他人事かい・・)。
実際は宝塚観劇の割合は低いからなあ。
ま、今回は野田地図。
BGMは「ジャンニ・スキッキ」でしょう もちろん。

−SUNの舞台観劇記へ戻る−

−タイトルへ戻る−