十干十二支

[十干について]

最近では干支(えと)といった場合、子(ねずみ)丑(うし)寅(とら)などのことしか話題にのぼらないと思いますが、丙午(ひのえうま)の例で申しますと「丙」が十干を表わし「午」が十二支を表わしております。そして十と十二の組み合わせが干支えと)であります。したがって今年(2001年)の場合は辛巳(かのとみ)というのが正しい干支の表現となります。

十干とは、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)、のことであります。 この十文字は草木の誕生から成長しそして、つぎの世代への種子を残し、さらに次世代の成長が始まるという様子を表わしていると言われております。                     さて、本来ならば、どう考えても「干支」は「かんし」としか読めません。「干」は「かん」であり「え」とは読まないはずです。同様のことが「支」の文字についてもも言えます。そこで、その読み方に前章でお話しした五行の陰と陽がかかわってきます。つまり・・・・・

五行  陽(兄)(え  陰(弟)(と
木(き 甲(きのえ) 乙(きのと)
火(ひ 丙(ひのえ) 丁(ひのと)
土(つち) 戊(つちのえ) 己(つちのと)
金(かね) 庚(かのえ) 辛(かのと)
水(みず) 壬(みずのえ) 癸(みずのと)

このようになり、その読み方は、五行を陽と陰、兄(え)と弟(と)に分けて「えと」とすると中国の戦国時代の学者、呂不韋がきめたものです。したがって本来の「えと」とは十干で表された部分であり十二支の部分とは別なのですが、長い年月の流れが十干十二支の組み合わせ「干支」を「えと」と呼ぶようになりました。


[十二支について]

 さて、十二支であります。その起源にはいくつか説があるようですが、ここでは月を数える文字だという説で話を進めていきます。                             洋の東西を問わず、古代から一年は十二か月ということになっていますが(十か月だったこともあるのですが)これは月がその満ち欠けを十二回くりかえせば、またおなじ季節がくるところから、一年=十二か月ということになりました。その単位もずばり「月」(つき、がつ)であります。 そしてその十二という数が他の時を表わす単位にも使われてきます。 一日も十二支に分け、子の刻、丑の刻などと言い表すようになります。そして、一年も十二支で言い表すようになります。(年の場合、木星の周期も関係がありますが。)さらに、その十二支に先の十干を割り当てるようになります。

干支表

1

甲子

2

乙丑

3

丙寅

4

丁卯

5

戊辰

6

己巳

7

庚午

8

辛未

9

壬申

10

癸酉

11

甲戌

12

乙亥

13

丙子

14

丁丑

15

戊寅

16

己卯

17

庚辰

18

辛巳

19

壬午

20

癸未

21

甲申

22

乙酉

23

丙戌

24

丁亥

25

戊子

26

己丑

27

庚寅

28

辛卯

29

壬辰

30

癸巳

31

甲午

32

乙未

33

丙申

34

丁酉

35

戊戌

36

己亥

37

庚子

38

辛丑

39

壬寅

40

癸卯

41

甲辰

42

乙巳

43 ひのえうま

丙午

44

丁未

45

戊申

46

己酉

47

庚戌

48

辛亥

49

壬子

50

癸丑

51

甲寅

52

乙卯

53

丙辰

54

丁巳

55

戊午

56

己未

57

庚申

58

辛酉

59

壬戌

60

癸亥

上の表からもお分かりのとうり、十干と十二支を組み合わせていくと、十二と十の最小公倍数である六十で一巡りとなります。これを年で考えますと、生まれて六十年たてば、また同じ干支の年になります。これが還暦であります。もとに戻ると言うわけで赤ちゃんにあやかって赤いチャンチャンコなど赤いものを身につけるのです。(しかし、なぜ赤ちゃんは赤なのでしょうか?赤みがかってるからだ、と言う説はあまり説得力がないとわたしは思います。人[土気=黄色]になる前の[赤]かも知れません。<火生土=赤→黄>ですから。)

 さて、話を「月」にもどしますと、一年十二カ月を十二支に配当すると次のようになります

一月 二月 三月 四月 五月 六月 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月

 この表をみて不思議に思われる方も多いのではと思います。何故、一月が「子」から始まらないのか? それには太陽が大きくかかわってきます。

 さあ、それではさらに先へ進みましょう。


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