ケラ

(ケラ科)



ケラの写真

◆ バッタ・コオロギの仲間には珍しく、湿った泥に穴を掘って住んでいます。土を掘り進むのに便利な体つきで、モグラを連想させるコミカルな姿をしています。鳴き声は低く単調で、鳴く虫のイメージとはだいぶ違います。年輩の方はミミズの声だと信じている人も多いのですが、土の中からこの声が聞こえたらミミズと思うのも無理ないでしょう。
 昔は田んぼなどでよく見られましたが、田んぼが減ってからは馴染みの薄い虫になってしまいました。ちょっとした湿地には今でも普通にいます。かなり深い穴を掘るので、鳴き声を頼りに土をほじくり返しても滅多に捕まえられません。写真のケラは、30分ほどかけて少しずつ土を掘っていき、穴の上面だけ土を退けて、巣穴にいるところを撮ったものです。
 春から鳴き始める虫にはケラの他にクビキリギスキンヒバリがありますが、クビキリギスは非常に高い声(11kHz)で鳴くのに対し、ケラは虫の中でも一番低い声(2kHz)で鳴くので、区別は容易。また、ケラとクビキリギスは「ジーーーーーー」という感じで単調に鳴くのに対し、キンヒバリは「リッリッリッリー」と節をつけて鳴くので間違えることはないでしょう。

◆ 見られる時期:- - - 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 - -

◆ 大きさ:約3cm

◆ 声:ローーーーーーーー

  ケラの声 (WAVE 形式) 高音質(1.4MB 高速回線向け)15sec

  ケラの声 (MP3 形式) 中音質(180KB 低速回線向け)15sec

【2010年6月27日都立野川公園での自然観察大学へ参加された方々へ】
 観察会で見たケラの声を掲載しました。

【ついでに宣伝】
 東京近郊で見られる虫の声・写真・解説を集めたCDを、9月頃を目標に作成中です。虫の声はすべて高音質・各60秒程度で、30種ほどを収録する予定です。ご希望の方は渋谷までご連絡下さい。

【鳴く虫観察会】
 2010年8月〜9月に千葉県市川市・松戸市で鳴く虫の観察会を行います。日程が決まりましたらこのサイトの「市川の自然」トップページでご案内します。


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