ドラマーKOKIのイルサンタバンサ
(日常茶飯事)




第8回 32歳の受験生

 2002年も残りわずかーーー。慌ただしい人の流れや賑やかな街の音はピークに達してる。だけどオレは相変わらずマイペース。随分前の日記をひもといてみたりする。

11月10日
 緊張の中、朝7時に目が覚める。何故キンチョーしてるか・・・。実は本日、ハングル検定試験を受けるのである。3級である。ツアーの合間、出来るだけ時間を作って勉強していたのでイケる!はずだが、出来そうにないと云えば・・・んーー、そんな気もしてくる。んがーっ。もうあがいても遅い。久々に受験生のように(ま、受験生なんだけど)オロオロするオレだった。体にカツ!を入れるために朝から「松屋」のチキンカレーを食し(今思えば結構ハードな朝食だよね)、受験番号16番をグッと握りしめて都内某所の試験会場へと向かった。
 午後、失意の中、帰宅する。めっちゃ難しかった。答合わせをする気にもなれない。感触としては合否ラインぎりぎり・・・といったところか。32歳の受験生、完全に打ちのめされる。あとは運まかせーーーって、情けない!

 気を取り直して、夜、下北沢のシェルターへTHE 3 PEACE のライヴを観に行く。熱い素晴らしいライヴだった。
 ライヴの後、石毛さんや志田さんたちと「にしんば」へ。ビールとウーロンハイを体に流し込むと、ようやく体がほぐれた。ふぇ〜〜〜〜〜っ。

11月11日
 朝昼兼用のパスタを食べて体を起こす。
 17時、リハーサルのため東中野のスタジオ「満天星」に波人(パド)のメンバーが再び集結する。14日・15日は波人のTOKYO 2 DAYS ライヴなのだ。この前の関西ツアーで波人の中に生まれたものがある。そこにキーボードのSassy Tomoちゃんや、パーカッションの和田啓さんとサックスの淳ちゃんこと広瀬淳二さんが日替わりで加わることになっているので予測不可能な楽しさが期待できる。
 22時帰宅。例の近所の寿司屋へ行って、マグロのスタミナ焼きと厚焼き玉子をほおばりながら熱燗2合、そしてビールを1本注文する。ちなみに、熱燗であたたまった体に冷たぁ〜いビールを流し込む時の快感ってないね!風呂上がりの一杯に近いのかな。もう、くーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!って幸せを噛みしめちゃいます、ボク。
調子に乗って、いわし・マダイ・うずら納豆のにぎりに手を出し、あさり汁まで飲み干して大満足でしたぁー。

11月13日
 8時に起きて、午前中ドラムのヘッド(皮)の張り替えやら何やら。
 昼飯に「松屋」(よく行くなぁ、オレ)のカルビ焼肉定食を喰って、波人のリハーサルへ向かう。
 夜、リハから帰ってきて山菜カレーそばなんぞ食べて風呂に入ったが、胃の調子がいまいちすぐれない。珍しく「休肝日」にした。明日はライヴだしな。

11月14日
 朝7時半に目が覚めてしまう。二度寝しようとするも眠れず。あれぇ〜!?オレにしては珍しいことだ。仕方なくごそごそと起き出して、昨日のリハを録ったMDを聴き、シャワーを浴びる。
 11時半、豚しょうが焼き定食を食べて、途中カプチーノを買って飲みながら初台DOORSへ入った。今日は波人2DAYSの初日。ライヴの冒頭、映画「夜を賭けて」の金守珍監督が心を込めて挨拶、また中盤で後方スクリーンに映し出された映画のメイキング・ビデオはなかなか感動的だった。
 ハッピーに初日終了。会場で打ち上げた後、松っちゃん、関さん、エンジニアの高橋さん、みっちゃん等と、まずはラーメン屋で腹を満たす。その後、関さんとオレは、松っちゃんの案内で行きつけのロックバーへ行った。店の雰囲気とかける曲にマスターの「音楽愛」を感じる、そんな場所だった。松藤英男と関雅夫を意識したワケじゃないだろうけど、マスターのチョイスする曲はどれもストライクで、松っちゃんも関さんもどんどんゴキゲンになっていく。オレも松っちゃんのボトルのバーボンをロックでいただきながら心底音楽と酒を楽しんだ。ふと気が付くと午前2時をまわっていた。
 松っちゃん、ごちそうさま!

11月15日
 ロイヤルホストでブランチをとった後、初台DOORS入り。波人in TOKYO 2日目である。本日、サックスの淳ちゃんを交えて入念にリハーサル。18時、近くの「村さ来」に行くもオレはウーロン茶に抑える。そしてコンビニのカツサンドをつまんで本番へ。
 この日も楽しいいいライヴだった。
 フロアで打ち上げていると、昔お世話になったスタッフの折本さんと小倉さんにメチャメチャ久し振りに会う!ふたりの前で急にオレは10年ほど前のタダの駆け出し野郎に戻ってしまった。また、今月のオレの誕生日を覚えてくれた人がいてプレゼントをもらったりする。照れ照れ・・・。
 会場でオレの飲み物はビールからレッドアイに変わってたけど、場所を変えて近くの居酒屋に移ってもひたすらビールを飲み続けた。見回すと、エンジニアの高橋さん、石毛さん、志田さん、マリさんたちがいる。いつも記録ビデオを撮ってくれるヨウちゃんが珍しくつぶれている。
 26時。怒濤の楽しかった2日間終了!
 波人はいいバンドである。互いを尊重し合っているし、いい仲間になっている。もっともっとライヴをやっていきたいと強く思う。
 後日、この2日間を撮った写真を、波人ファンの方から綺麗にアルバムにして貰ったんだけど、その写真にも波人5人のいい表情が写ってるよ。写真、どうもありがとう!

11月16日
 昼頃起きると、石毛さんから「昼飯まだならランチを一緒に食わないか」との電話。指定のイタ飯屋に行くと、石毛家に泊まったヨウちゃんもいた。ライヴ話なぞしながらみんな思い思いのパスタを食べる。オレは地中海風スパゲッティ。そしてみんなでくつろぎのコーヒーを飲み、別れた。
 家に帰ると案の定ドッと眠気が襲ってきて、オレは気を失ったかのように布団に倒れ込んだ。

11月23日
 石毛さんと高橋さんの3人で日光に向かう。明日24日、波人は「ジャパン・コリア市民交流フェスティバル2002in 日光」に参加するのだ。今日は楽しい前のり!
 21時ころホテルに到着。早速、はす向かいにある築??年のラーメン屋へ入り夕食にする。ビール大瓶4本、野菜炒め、ギョーザ2皿にお通しのポテトサラダもついて3人で3000円ほど。安いゾ!
 その後、ホテルの大浴場&サウナに入る。これが前のりの醍醐味ですな。はっはっは。もう、さっぱり!ほってり!
 当然3人は部屋に戻って再び飲み出す。ベビーチーズとかスナック類とか質素なつまみを口にしながら、オレはひたすらビールを飲み続けたのだが、石毛さんと高橋さんは「JINRO」をストレートで飲み干していった。おいおい、大丈夫?

11月24日
 朝7時起床。みんな完全な二日酔い。特に石毛さんが「重傷」。オレの方は時間と共に復活してきて、朝食バイキングを目の前にすると、ソーセージ&スクランブルエッグに漬け物2〜3品と味噌汁をチョイス、ご飯なんかお替わりしちゃった。
 8時には会場入りして楽器を降ろす。まずはそこで一息。10時に再び起動。当日組の波人の他のメンバーが到着してくる。楽器セット完了とともにリハーサル。

 午後、ライヴまでにしばらく時間があったので、波人の5人で「日光東照宮」へ行く。オレは多分「初・東照宮」である。素晴らしい建築物だけど派手だよなぁー。チケットの半券を次々に切られながら、あやしい男5人、見どころと云われる場所を巡っていった。階段が多く、途中、佐藤さんがへばり気味になるのを励ましながら・・・。

 16時半にライヴ開始。たっぷり14曲演奏した。遠くからわざわざ来てくれた人も多い。ありがとー。
 夜8時、またふた手に分かれて波人は日光を後にした。東京に帰ってきて楽器や機材を降ろしてから、石毛さんと高橋さんとオレでささやかな打ち上げ。高橋さんご推薦の台湾家庭料理屋「DRAGON」に入り、すっごく冷えた生ビールで生き返る。坦々麺など食べ物も美味。この辺り、実はオレのジョギングコースなんだけど、こんないい店に気付かなかった。新しい美味い店を開拓できてちょっとうれしい。
 そう、オレは今、ヒマを見つけて走っている。まだまだ断続的なのが玉に瑕なんだけど、最初は2〜3キロでヒィヒィ云ってたのが今は10キロ以上こなすのも無理なくできるようになってきた。好きなニューバランスのジョギングシューズも新しく買ってタッタカタッタカ走ってるよー。ひとつくらい体にいいことしないと、ね。

11月28日
 ふっふっふ(気味が悪い)。でもやっぱりふっふっふ。
 一通の幸せの手紙が届いたーーーーー。
 てっきり落ちたと思ってたハングル検定試験3級、81点で見事合格してたのだぁーっ!うっひょ〜〜〜っ!うれしい!60点以上が合格だから59点で落ちたらアホだよなーなどど、かなり気の小さいことをウジウジ思ってただけにサッパリスッキリしたぁー。気分は有森裕子。「自分で自分を褒めてあげたい」。
 いずれ韓国でも音楽をどんどんやれたら・・・と思ってるので、もっとハングルの腕前を磨かなきゃ。またやる気が出てきたよ。ああ、ソウルに行きてーっ。

11月29日
 明日がオレの誕生日・・・ってことで、友人たちが忙しい中一席もうけてくれた。メンバーは志田さん、マリさん、イッセーさん、冨田さん、そして石毛さん。ケーシンとシローも来たがってくれたそうだけど、風邪をこじらせたらしい。(お大事に)
 ま、いつもの気のおけないメンバーなのだが、プレゼントなんて持ってきてくれたりして改めて誕生会、なーんてやってもらうとウレシイ。そしてちょっと照れ臭いね。
 1軒目は新宿三丁目にある「ドラ」。マリさんが5年ほど前のオレの写真を持ってきてみんなに大ウケ!オレとしては髪型が違ってちょっと痩せてて・・・くらいの違いだと思うのだが、友人に云わせると「おぼこかったのねー。今の方が良くも悪くも音楽にまみれた感じ。激変!」らしい。みなさん、5年前の「おぼこいオレ」、ご想像くださいーーー。
 2軒目は、石毛さんが30年以上通ってる店「鼎(かなえ)」。魚がうまい。そして自家製のさつまあげが絶品だった。飲んべえのオレは、イモ焼酎のお湯割りがすすむわすすむわ・・・。みんな、どうもありがとう。
 そこで解散したのだが、余韻にひたるオレは、別の友人を引きずり込んでもう一軒はしごする。悪くない夜だった。

11月30日
 33歳になる。

 年末のソウル・フラワー・ユニオンのライヴを終えたばかりだけど、みんな楽しんでくれた?今回は短い期間に「くるり」「ズボンズ」「桃梨」と全くタイプの違うバンドと一緒にやる機会もあって楽しかった。
 ところでオレのドラムセットがおニューになったのに気が付いてくれたかなぁー?YAMAHAのオークカスタムになりました。絵描きの友人が描いてくれたバスドラのヘッドのイラストもgoodよん!

 2002年、縁あってオレは4枚のアルバムにかかわったーーーーー。
   ヤポネシアン・ボールズ・ファウンデーション[azadi]!?
   塚本晃「67」
   ソウル・フラワー・ユニオン「LOVE±ZERO」
   朴保「いつの日にかきっと」
 これら生まれてきたものに対しては愛情いっぱいの想いだ。
 でも次なる創作を考えてワクワクしている自分もいる。

 2003年。
 ちょっと楽しみなオレです。
来年、みんなにもワクワクすることたくさんありますようにーーーーー。

2002年12月下旬   伊藤孝喜