ドラマーKOKIのイルサンタバンサ
(日常茶飯事)




第7回 食獣映画日誌

 早いもので、もう12月である。みんなにとって2002年はどんな年だったんだろうね。しんどい事もあっただろうけど、それを忘れるような出会いや発見のあった一年であればいいな。
 改めてーーー今年一年、ライヴに来てくれたりCDを聴いてくれたりメールをくれたり・・・。みんな、どうもありがとう。今オレは、オレの携わる音楽を聴いてくれるみんなと色んな形で「双方向」であることがうれしいっす。
 さてさて、今回のイルサンタバンサ、出稿が遅れに遅れました。失礼。その代わり・・・というワケじゃないけど、年末乱れ打ち・・・って感じ(どんな感じじゃ!)でいきたいと思います。出来れば、いや頑張って12月中にもうひと更新しようと思ってます。ちょいと面白い出来事もあったんでーーーーー。まずは、古い日記からーーー。
10月28日
 塚本晃宅にて今シーズン「初鍋」。白菜、水菜、生しいたけ、ニラなど野菜たっぷりでヘルシー。そこに豆腐、鱈、豚肉も入る。塚ちゃんオリジナルの出汁がまたウマい。タレをつけなくても食べられるほどなんだもん。そりゃ、ビールと焼酎がすすむわな。鍋をつつきながらHEAVENやSHADY DOLLSのビデオを観た。塚本クンのスリムなことといったら!いやー、人に歴史あり、だね。
 塚とオレは、お互いちょっとウェイトが増えてしまったのを深〜く反省した・・・はずなのに、鍋のシメに、チャーハンを喰っちまった。すみましぇ〜ん、意志が弱いで〜す。

10月29日
 快晴。久々に井の頭公園へ。樹々の紅葉にはほど遠かったけど、静かで気持ち良かった。
 その後、本屋に行って、江口寿史の「キャラ者2」を買う。こうゆうノリの笑い、大好きなんです!
 渋谷で冬用のセーターも買ってみた。
 夜、石毛さんと「牛角」で飲む。しゃぶしゃぶやチャンジャをつまみながら、来年の活動に向けて作戦を練ったり練らなかったり。石毛さん、近々、朴保のマネージャーを辞めるらしいーーー。終わりから何かが始まることもある。

10月31日
 東中野にある新宿梁山泊の稽古場「満天星」にて、波人(パド)のツアーリハーサル。今回は、映画「夜を賭けて」の音楽を担当した朴保のサントラ、そしてオリジナルアルバムのプロモーションも兼ねているので、金守珍監督はじめ出演者多数の新宿梁山泊の稽古場が使われることになったのだ。久し振りに、朴保、松藤英男、佐藤英二、関雅夫、オレと、波人のメンバー5人全員が揃った。
 夕方5時にリハを終え、じゃ1杯だけ・・・という話で、朴保と松藤&オレの3人は駅前の「村さ来」に入るーーー。が、この顔ぶれ、とーぜん1杯などで終わるワケがない。生ビール→ウーロンハイ→熱燗・・・と、止まらない。11時過ぎまで盛り上がってしまいました!オレは自転車で来てたので、帰りは涙目よ。消耗しながら何とか家に辿り着いたとさ。

11月2日
 朝6時半起床。石毛さんの運転で「波人号」はメンバーを乗せ、一路大阪へ。
 15時30分、大阪到着。そのまま映画「夜を賭けて」の試写会へ向かった。
 夜9時、漸く夕食にありつく。心斎橋の天ぷら屋「若松」にて。マスターの大ちゃんが揚げてくれた極ウマの天ぷらを食しながら、酒がすすむすすむ。しあわせだなぁ〜。

11月3日
 波人、大阪の「ワンコリアフェスティバル」に出演する。
 終演後、打ち上げ会場に行ってみてビックリ。「韓国カラオケスナック」風のお店なのだ。料理はまずまずだったが、廻りのお客さんの大音響カラオケ攻撃に圧倒され、早々に次の店へ。今度はフツーの居酒屋。あー、こっちの方がやっぱ心落ち着く。天ぷら屋「若松」の大ちゃんが駆け付けてくれた。何故か矢野敏広もいる。ウーロン杯を飲みながらテッチャン鍋、イノシシ鍋と「鍋づくし」。最後はうどんで締めた。しかし何か物足りなくて(足りてるだろっ)、ホテルへ戻ってから、石毛さんとエンジニアの高橋さんと一緒に更にビールなんぞ飲む。何とか納得して(当たり前だっ)就寝。

11月4日
 昼飯に極ウマのカツどんとミニうどんを食す。京都に来たら必ず寄る食堂にて。カツどんのカツは平鍋で煮込まず揚げたてのまんま、そこにトロトロの卵がかかってるのヨー。美味いのヨー。
 本日「波人」は京都・磔磔でのワンマンライヴ。本番前、差し入れで頂いたホクホクの天津甘栗をパクついて(ご馳走さま!)、いざ出陣。
 楽しく暴れた後、会場で打ち上げ。その後、石毛さんと「京都のよっちゃん」の3人で、よっちゃん馴染みのバーで飲む。大根と牛すじの煮込み、水菜の和え物、きんぴらごぼう等、バーだけど食べ物が充実したいい店だった。そこで止めときゃ美しいのに、オレってどーしてこうも食い意地がはってんだろう、ラーメン&ギョーザに手を出した。あぁ・・・、でもいけないと分かっていながら、この最後のトドメが至福なのよー。ごめんちゃい。

11月5日
 仕事諸々のため、昨日のうちに佐藤さんや松っちゃん(松藤さん)は京都を発っていた。みんな忙しい人たちなのに、「波人」として縁あって出会った。今回のこのツアーで長時間一緒にいて、「5人のバンド」としての意識が高まったような気がするし(後日、松っちゃんや関さんも、そう云ってた)得難い楽しさをはっきり感じている。
 後発組の「波人号」も10時に京都を出発。19時には東京の自宅に着いた。
 それから、ひとり近所の寿司屋に行って、マダイ、ゲソ、えんがわ等をつまみながら、熱燗を4合ほどいただく。体に滲みわたった。

11月7日
 秋葉原の楽器店に行って買い物。チキンカツカレー辛口を昼飯としてつめ込んだ後、今度は渋谷の楽器店へ。
 夜、友人の家に押し掛け、久々に料理の腕をふるってみたりする。オレは見かけに寄らず料理の手際はいい方なのよん。カルビ肉の大根おろし添えなんぞを前菜として用意して、本日の酒はお気に入りのチリのワイン。安いし美味いのだ。メインディッシュは、しめじ、ベーコン、ツナ、マッシュルームなどが入った和風スープパスタにした。友人にも大好評。ふっふっふ、今日はこのくらいにしておいてやろうか(池乃めだか風)。

 ーーーこのあと日記は続くのだが、それは次回に。待っててねー。

 おまけとして、ここんとこ映画を(ビデオを含めて)何本か観たので、一言ずつ印象なんぞ記しておきやす。

「GO」
 柴咲コウがいい。
 主人公の親友は、落語を愛する人のいい青年。彼の生き様が印象的に描かれているのだが、それにしても、落語は、昔の日本人の人情や生活臭やしょーもないことが溢れててオレも大好きである。

「チング」
 ストーリーに斬新さは無いけど、野郎たちのピュアな心が妙にダサくてまぶしい。   日本じゃ泣かず飛ばずだったけど、韓国人の心はグッと掴んだんじゃないかな。

「少林サッカー」
 実は京都の映画館で観たんだけど、ビデオ化を機にもう一度観た。サイコー!
 始まって5分でラストが予想できるし途中ダレるところもあるんだけど、技を使うシーンはクドいくらいにふんだんだし痛快。CGもこうして使われると「ざまぁ見ろ、ハリウッド!」って感じかな。

「TRICK」
 生瀬勝久&竹中直人、この2人ときたら!スゴ過ぎます、ホント。どの映画に出ていても生瀬は生瀬、竹中は竹中だからねー。喰われるってこのことだろう。特に生瀬勝久の笑いのセンスはオレの琴線に触れまくり!
 後日、「上田次郎」著の本がエラそうに書店に並んでいてウケた。

「夜を賭けて」
 試写会にて2度観る。山本太郎、かっちょエエ〜。ラスト間近、山本太郎扮する金義夫に「サランヘヨ(愛してる)」と云ったヒロインに対して、「俺もじゃーーーっ!」と絶叫する義夫に涙、涙。
 「戦後」について、またひとつ教えてくれるものがある。時間があれば是非!

 

 

                    2002年12月上旬  伊藤孝喜