ドラマーKOKIのイルサンタバンサ
(日常茶飯事)




第16回 グヌエエエーーーッ!浦身湯〜韓国ライヴ紀行2004

 
気がつくとゴールデンウイークが近づいていた。はっはっはっはっは。これ、2004年最初のイルサンタバンサだよね?相当お久しぶりです、すみません。
 んでは、景気よく2004年も韓国ネタで幕開けましょうか!いや、だって、今や韓国ドラマブームなんでしょ?オレが愛読している「韓国語ジャーナル」でも、韓国映画をとりあげて、役者のインタビューや映画の中の台詞が詳しく載ってたりするもん。
 ・・・んでもって、オレのイルサンタバンサの特徴は「食日記」だったりするので、今回は写真をふんだんに取り入れてみましたぁー。目でもお楽しみ下され。

2月16日
 10時起床。郵便局、電気屋さんなどへ行って所用を済ませ、シャワーで体を起こす。日本最後の食事は(大袈裟なんだよっ)やはり近所の駅前の蕎麦屋さんで決まり!もりそばと木の葉どんぶり、というのがオレの「黄金のセット」なんだなー。幸せに腹いっぱいになり、つくづく日本人で良かったぁーなどと思いながら、やわら荷物の準備にとりかかる。そして、今回は遅い便での出国だから15時に家を出た。
 19時発のユナイテッドに乗り込んだが、機内食が予想以上にさびしすぎ。はっきり言ってこれは「食事」ではない。旅人へのおもてなしとは思えないのである。量の問題ではない、質の問題。どおりゃぁぁぁーーーっ!(机をひっくり返すイメージで)まあ、これから韓国で美味いモノを喰いまくるのだから・・・と何とか気を落ち着かせたけどね。
 一人寂しく仁川空港に降り立ち、バスで馴染みの新村へ。ここで行衛さんをはじめ、ダモ鈴木さん、宮下さん、キクさん、河端さん、東さん、柴藤さんと合流。今回の旅では、この面々でカッチョ良い音楽をカマすのである。


(左から行衛さん、ダモさん、河端さん、東さん、キクさん)

 と、その前に・・・ほら、オレたちってガソリンが足りないとなぁんにもできないのでぇ〜・・・民族酒場「サヌリム」でカムジャジョンを喰いまくりトンドン酒を呑みまくる。


(トイレにて)

 やっとハラも落ち着いたところで行衛さん宅へ移動し、ウニと再会。ここはいつも酒の宝庫なんだなー。何でもある!いやー、酒呑みには天国です。早速、ビールやら怪しげなウイスキーなど遠慮もなく空けていくオレたち。
(柴藤さん)
ドンチャンドンチャン何時かも分からず呑みまくり、いい感じでぐでんぐでんになったところでオレは布団にもぐり込んだ。ふうーっ。2月のソウルは思ってたほど寒くはなかった。なんてったって家の中はバッチリ、オンドルが効いているからTシャツで充分なのである。極楽じゃぁ〜。

2月17日
 12時起床。昨夜の怪しいウイスキー(韓国産)のおかげで最高潮に二日酔い!ううう。シャワーを浴びても頭痛アンド吐き気。トホホのホ。
 13時、カルビ屋「チョジョンヒョンカルビ」にて、骨つきカルビ、テンジャンチゲなど喰うも、オレはさすがにビールには手が伸びず水ばかり。他の皆は昼間っからクイクイ飲ってる。恐るべし!

 その後はRUSHにてコプチャンチョンゴルのリハーサル。このくらいからオレの体調も徐々に回復してきた。今回の演奏予定曲は前回もやった曲ばかりなので、さすがにスムーズに進み、7曲を順調にさらった。
 16時半終了。近所でトガニタンを食す。

ようやく二日酔いも完治、食欲も出てきてペロリと平らげた。回復力のある体に感謝して、RUSHに戻ってここからアルコールも復活させた。へへ。
 20時、行衛さん主催のインプロ・ライブ・イベント「プルガサリ」スタート。
(宮下さん)

(行衛さん)
 最後にはダモ鈴木スペシャルユニットが急遽編成されて、オレも飛び入り参加。20分程のつもりが40分以上やってしまいました。大汗かいての大インプロ大会!
 で、打ち上げはスジェビ屋へ。オレたちは露天コーナーについた。

 何故か「かっぱえびせん」に始まり(ほとんどの韓国人は「かっぱえびせん」を韓国オリジナルの食べ物だと思っているらしい)、ケランマリ(玉子焼き)、キムチ、そしてスジェビを喰いまくる。

 何故か前回食べた時よりもエラく辛いぞ、大将!ビールがやたらとススむじゃないか!(はい、言い訳です)
 深夜、行衛さんちにに戻り、ウニたちとノクチャ(緑茶)をいただく。はふーーーっ、体にやさしいねぇ。すっかり生き返って、結局3時くらいまで喋り続け布団に入る。そして、気絶。

2月18日
 11時に起床。今日はダモ鈴木さんのライヴである。シャワーを浴びて朝食へ。前夜どんなに呑んでも朝食を抜かないのがオレたちの健康の秘訣か!?今朝は麻浦までバスで行き、ヘジャングク屋へ。ここでオレはネジャンタンをいただく。しかもそこへ血の煮こごりをトッピングしてもらいビールもいただく。

 15時半、今日のライブ会場「パラム」に入る。今日のオレの出演は、ダモ鈴木さんとのセッション、そしてスペシャルゲストとしてコプチャンチョンゴルが出るので、リハーサルもダブルヘッダーだ。
 ダモさんはドイツを拠点に活動するミュージシャン。そこに今回、名古屋のバンド「アシッド・マザーズ・テンプル」の河端さんと東さん、韓国からシナウィのシン・デチョル、cocoreのキム・チェゴン、そしてこのライヴの企画者・宮下さんと行衛さん、オレも加わって、スペシャルでゴージャスでエキセントリックなセッションを展開するのだぁーっ!このコーフン、伝わってる?
 オレはつたないハングルでエンジニアとやりとりしながら、リハ無事終了。本番がうまくいく事を祈る。
 で、昼食は近所の中華屋へ。チャジャンミョンを注文したら、サービスでギョーザが出て来ちゃったりしてもう大変。めちゃ腹いっぱい、元気いっぱい。

 5キロくらい体重が増えた気分で19時30分、コプチャンチョンゴルの演奏がスタートする。全7曲、前回よりももっとバンドっぽくなって、行衛さん、柴藤さん、オレ、3人がお互いに懐の深さを確認し合い、楽しい演奏が出来た。そして、またもほんの少しながらハングルでMCもしてしまった。エヘヘ。お客さんの反応も良かった、気がする。
 で、少々休憩をはさんで、ダモさんのセッション。3曲ながら多分100分くらいのセット。ダモさんをはじめ諸先輩方に囲まれて、一期一会の完全インプロ・セッションである。しかも皆、音がめちゃデカいのでドラムもズーッと全力投球。ぬおーーーっ!内容はと云うと、何処から何が出てくるか予想もつかない、けど、だからこそ何でも出来る、そんな100分間、背中からメラメラと炎の上がる完全燃焼だった。コプチャンチョンゴルから計算すると、ほぼ2時間半ぶっ続けでオレはドラムを叩いてた事になる。楽屋に戻った時にはもう真っ白な灰状態。そこで冷たいビールを体に流し込むと、ゆっくりと人間に戻っていった。
(ダモさんとオレ)
 で、打ち上げはやはりワンカルビで決まりね!ジミヘンさん、ボンスー氏、サンマン氏なども交えて、カルビ、テンジャンチゲ、その他食べまくり、ビール、チュクトン酒を呑みまくる。いわずもがなの風景である。

 26時、ようやく解散し、歩いて行衛さんちへ戻ったときには、みんなブッ倒れる寸前。にもかかわらず「ま、ま、もう少しいいじゃない?」なぁんて呑むもんだから、間もなく行衛さんと柴藤さんが撃沈。ほんでもって28時、オレも落ちてった。

2月19日
 11時起床、シャワー。昨日の心地よい疲れを癒すため、本日はお休みなり。
 なんと今朝は、浦身湯屋(ポシンタン屋)、つまり犬料理屋!に行こうってことになった。グヌエエエーーーッ!(これはオレの心の声です)。行衛さん、河端さん、東さんは、スユク(ゆで肉のスライス)と浦身湯(犬肉鍋)を食べるも、僕と柴藤さんはどうしても手が出ず、テンジャンチゲとビールで済ます。・・・なので犬の味は分かりません。ちなみにテンジャンチゲというメニューは浦身湯屋になかったため、店の主人が気を遣って他の店からわざわざ出前でとってくれたものだった。
(浦身湯)
 ハラを満たしたところで、南大門の眼鏡屋へ。とにかくお手頃価格なもんで、みんなそれぞれに気に入った眼鏡を作っていく。オレも気に入ったフレームを見つけたんだけど、とりあえず今回は見送る事にする。そしてこの後、近々無くなってしまうという、通称「おばけ市場」を散策、南大門市場をさらに「かき混ぜたような」市場だ。市場の入り口、ふと目をやると檻に入れられた犬たちと目が合ってしまった。はい、彼らは食用です。グノオオオーーーッ!(これもオレの心の声です)。ここでレコード屋なんぞ見て廻ったあと、気になって、も一度さっきの眼鏡屋に戻った。んで・・・結局オレも作ってしまいました、赤い縁のカワイイめがね(自分で云うなっ)。今、大活躍してるよん。
 そのうち日も暮れかけ、地下鉄に乗り込んでカンビョンへ。そこからタクシーでクリ市にある、ジミヘンさんの愛称でイルサンタバンサでもお馴染み、ホンジョンスーさんの日本食レストラン「オデヤンパダフェ」に向かった。3度めの訪問ながら、やはり「ハラいっぱいの愛」を受ける。様々な料理を感涙しながらいただいたと思ったら、その上に刺身の舟盛り、そして絶品のメウンタン。Oh!食べ切れないゾ。でも幸せだなぁ。ジミヘンさん、いつもいつもホントにありがとう!

    

(ジミヘンさんと)


 そして男5人はホンデへ戻り、オレたちのバンドと同じ名前のお気に入りの店「コプチャンチョンゴル」へ。
 トゥブキムチでマッコリを呑んでいると、妙に日本語の上手いあやしい韓国人(かなりマッチョ系)が二人割り込んで来て「もう一軒付き合わないか」と云う。既にぐでんぐでん状態の柴藤さん、河端さん、東さんはまんざらでもなさそうで、一緒に行くと云う。店に迎えに来てくれたウニと行衛さん、オレの3人は丁重に断ってなんとか帰宅。
(ウニと)
 朝方4時くらいに帰って来た3人に「武勇談」を聞くと、ナント東さんはそのあやしい男に「誘われた」そうな。そう、彼らはゲイだったのだ。トーゼン東さんはお断りする。(その時の様子を見たかった)それが彼らのゴキゲンを損ねたのか、そもそもタダ酒を呑むつもりだったのか、こちらは少ししか呑んでないのに結構な金をとられたそうであるーーーーー。行かなくてよかった(笑)。まだまだ知らない世界はたくさんある。
 ・・・さて、今回はここまでにしとこうかな。韓国・音楽と食べ物の旅はまだまだつづくよん。ハプニングもあった後半も、おっ楽しみにぃ〜。

2004年4月 伊藤孝喜