ドラマーKOKIのイルサンタバンサ
(日常茶飯事)




第14回 時系列をブットバセ!(苦笑)

 まだ11月なのにニュースでは「街には早くもクリスマスに向けたイルミネーションが・・・」などとのたまうもんだから、アセるじゃない!おいおい、もう年末気分にさせる気かよっ!実はこのイルサンタバンサの為のネタが未だ2本残っていて、それを書かなければオレは年を越せんのよっ。

 てなワケで、時系列がメチャメチャで恐縮しごくなのですが、残暑厳しい9月に楽しい旅をしてきたので、例によって読んだだけで太りそうな(笑)食日記とともに、その記録を綴ります。

9月12日
 朝8時半に起きる。まだまだ朝から暑い。頭ボケボケである。半分寝ながら10時53分東京発の新幹線に乗り込んだ。するとそこでオレの「パブロフの犬」は目覚める。新幹線に乗ると弁当を喰いたくなるのである!スミマセン・・・。早速「鹿児島地鶏弁当」を腹におさめて、落ち着いたところで「Seiji & South Blow」のMDチェックにとりかかったーーー。

 6月に新生「コプチャンチョンゴル」のメンバーとしてレコーディングを共にしたベーシストの柴藤耕一郎さん(イルサンタバンサ その12を読んでね)から、「ちょっとゲストで来てくれない?」との依頼があった。森永Seijiさんという方がギター&ボーカル、そして柴藤さんがベースを担当する「Seiji & South Blow」というバンドのライヴに呼んでくれたのだ。オレは直感で「楽しさ度・大」と感じ、即参加させていただくことにした。そのバンドの音はズバリ、ブルースである。

 台風が近づいていてその進路が気になる中、15時半過ぎ、徳山に到着。柴藤さんと森永さん2人とも駅まで迎えに来てくれていた。ホテルでチェックインを済ませて早速今夜のライヴハウス「ブギーハウス」に向かう。そこは森永さんのお店なのだ。

 CDを1枚聴いただけで、しかも森永さんとは今日が初対面。でもって今夜いきなり本番。若干のキンチョーが無かったといえばウソになる。でも入念な(笑)リハーサルをこなしていくにつれ、今夜は相当楽しいセッションが出来るって確信した。

 だけど忘れちゃならねぇ、いいライヴのためには腹ごしらえ!リハの後、柴藤さんのGFあっちゃんも伴って居酒屋「むらすずめ」(いいでしょ?この名前)へ。絶品のホルモン煮込みとレモンハイで体をセットアップする。

 20時過ぎ、ライヴはまずアコースティックギター・セットからスタートした。しっとりと緩やかなブルースが店を満たす。オレたちは全8曲をたっぷり1時間かけて演奏した。ビールを飲んで休憩した後はエレキギター・セットにチェンジ。全5曲。ラストの「クロスロード」では、柴藤さんとオレがそれぞれソロを演ってしまうほど熱くなった。しかも、もう持ち曲などないのに、アンコールを受けてアドリブで暴れるオレたち。いや〜、盛り沢山で想像以上に楽しかった!決め事なんてぜぇーんぜん無くて、その場その瞬間の歌やギター、ベースと一緒に、オレも太鼓で思いっきり「歌えた」気がする。

 23時、ライヴ終了。台風もうまく逸れていってくれたようだ。

 こうゆう日は酒がすすむのである。旨いのである。ビールでしこたま水分補給したあと、「笑笑」という店に移ってからは焼酎のボトルを何本空けたか分からない。やっとホテルに戻ったのが26時30分。うん、これでいいのだ。
 寝る前に何故か牛乳を飲んで、オレはベッドに倒れ込んだ。

9月13日
 13時起床(って、どれだけ寝てんの!)。今日はオフだ。ゆっくり入浴して、徳山の駅前商店街をぶらぶら歩いてみたりする。腹が減ったので「美登里屋」という名の食堂で天ぷら蕎麦を食す。ふむふむ。つゆが薄めで「西」っぽいね。

 ホテルに戻ってゴロゴロ。テレビを見たり昼寝をしたり、全くのダメダメ君と化す。でもこーゆーの、たまんないねぇ〜。

 夕方、柴藤さんとあっちゃんに合流。あっちゃんの案内で「Marino Cafe」なるところへ。店の名前に似つかわしくないメニュー「おやじセット」を注文する。えだまめ、お新香、げそなどがセットになってるのだ。それに「新マーボー豆腐」(どこが「新」なのか不明)などをつまみに、酒は生ビール → ソルティードッグ → レッドアイと進めていった。

 で、おとなしく21時にはホテルに戻る。しかしやはり飲み足りない。いそいそとコンビニに向かい、チューハイを買い込んでホテルでゴロゴロ・・・・・。いつ眠ったか忘れた。

9月14日
 「おはよーっ!」爽やかに9時起床!って、当たり前だ。11時には森永さん・柴藤さんと合流し、北九州へ向けて出発する。敢えて高速道を使わず、国道2号線に沿ってのんびりと車を走らせた。瀬戸内海と山々に挟まれた道。高速道では決して味わうことの出来ない流れる自然や家並みを眺めていると、ふと自分の故郷・秋田の風景を思い出したりする。初めて訪れた土地にはいろんな発見があるのよねー。

 途中、お好み焼き風スパゲッティなるものとカフェ・ラ・テでお腹を満たして、16時、北九州のライヴハウス「ANDY」に到着した。店は広々、天井も高く、贅沢なつくり。楽器もいい楽器が揃っている。地元の音楽好きの方が個人的に作ってしまったらしいけど、こんな愛情のこもった店、東京じゃなかなかお目にかかれんだろうなぁ。

 ゆっくりリハーサルをこなして18時半。申し合わせたように(笑)オレたちは「エネルギー補給」のため居酒屋「友ちゃん」に入った。飲むのはビールにレモンハイ、ならば、つまみは枝豆に焼き鳥なんぞピッタリだぁねー。おっと、味噌ホルモンと関鯵サラダが絶品でした。

 ライヴはゆっくりと21時20分にスタート。今回のツアーでは初めて演奏する曲が多いんだけど、自ずと好きな曲もできてくる。トム・ウェイツの「Ol' 55」もそのひとつだ。いいねぇ〜。この日も2セットをこなし、短めに押さえたつもりが終わってみると23時30分だった。男3人、今夜もいい汗をかく。この楽しさがお客さんに伝わっていることを願うばかりだ。

 店で軽くビールを飲んだあと、一路、柴藤さん宅を目指す。が、、、途中小腹がすいてきて(苦笑)、「太るかなぁ〜」と腰がひけながらも食欲を優先し「いか天&丸天うどん」を食べてしまった。カロリー高そう・・・。でも旨かった。
 26時、柴藤さんちに到着してからが「打ち上げ第2ラウンド」。ここでそれはそれは旨い芋焼酎に出会う。「伊佐美」というんだけど知ってる?オレも石毛さんも最近芋焼酎が大のお気に入りなんだけど、クセがあるほど旨いね。
 至福の時を過ごして、オレは風呂にも入らず、そのまま「おやすみなさぁ〜い」。

9月15日
 11時に起床。森永さんと柴藤さんとオレは、今日までの疲れと汗とアルコールを落とすため(笑)、「徒然の湯」なるスーパー銭湯に向かう。え?誰よ、オヤジ臭いって云うのは!? 風呂とサウナを満喫したあと、遅い朝食として豚汁定食&ビール!って、やっぱオヤジじゃん!朝湯のあとの朝酒のしみ込むことしみ込むこと。しあわせやなぁ〜。こんな贅沢なことしていいのかなぁ〜。お天道さん、ありがとう。「ぶぅえーーーっ」などとワケの分からぬ声を上げながら、オレはまたもやダメダメくんになる。

 16時ようやく出発して、17時、本日のライヴ会場、福間の「インディーズ」に到着した。そのままリハーサルに突入。なんせゆっくり湯につかって来たからね、体はメッチャ柔軟よ!今夜も暴れるわよ!

 リハのあと、やっぱ「ガソリン」が必要と近所に飲み屋を探すが、無い・・・。ここは郊外のライヴハウスであった。いかんいかん、都会の雑多な風景に慣れてしまってる自分に気付く。でも、ちょっとお腹が空いてきたかも・・・。どーする?コンビニに買い出しに行く?なんて相談をしているところへマスターが帰ってきて、タイミング良く太巻きを差し入れてくれた。あー、有り難いやねぇ〜。調子に乗ってビールも一杯ご馳走になって、20時30分ライヴはスタートした。

 今回演奏した曲はブルースのカバーが殆どなんだけど、1stステージ・アコースティックセットのラストに演っていた「KI-TA-KU」という曲は森永さんのオリジナルだ。人間て、弱いとこダメなとこ沢山あるけど、優しくもし合える・・・人の心って温かいもんやねーーーそんな風に感じることのできるい〜い曲なのである。その夜、柴藤さんの友人で学校の先生をしている女性がライヴを観にきてくれていて、「この曲を聴いて、何故か涙が出てきました」と云ってくれたんだ。感謝。

 アンコールも含めて22時30分にライヴ終了。今回の3本のライヴで、音楽が持っている様々な表現方法、その可能性を再認識できた気がする。音楽って、やっぱ色々遊べて楽しいじゃん!って感じかな(笑)。いい音楽、いい歌って日本中に・・・そりゃあもう世界中にあるだろうよ!って実感した旅だった。願わくば、オレはそうゆう音楽に触れているミュージシャンでありたい。

 さてさてお待ちかね、打ち上げの巻ですよん!やっほー!しかぁーし、前述したようにこの辺りには飲み屋さんがありましぇん。なので、オレたちは店に御礼を云って、とりあえず柴藤さん宅に戻り、近所のスーパーでつまみ類を買い込んで労をねぎらうことにした。イカ刺し、鶏の唐揚げ、手羽先、冷や奴、枝豆、もずく酢、キムチ、ローストビーフ、ポテトサラダ、etc..... はい、買い過ぎです。やり遂げた男3人、白波のロックで乾杯する!んーっ、男前やねー。飲みながら、旅の思い出(笑)なんぞで大いに盛り上がった。例えば「カレー屋さん」とか「エリック」とか「セクシーシンガー」なんてお題も。いや、意味分かんなくていいのよ。
 呑みまくって喰いまくってしゃべりまくって27時。ようよう体力の限界(?)を自覚しだしたオレたちは、無意識にお布団へもぐりこんでいた。

9月16日
 初組合わせでのセッションでありながら大いにハッピーな気分にしてくれた森永さんと柴藤さんとのツアーも終わり。心地よい疲れが残る中、11時起床。今日は一日オフである。すっかり打ち解けた男3人は、近所の「三陽軒」でラーメン&焼きめし、そしてビールで乾杯アゲイン。再会を誓い合って、柴藤さんとオレは、徳山まで帰る森永さんを見送った。

 実はこのまま明日から柴藤さんとオレはソウルに行く。にんまり。コプチャンチョンゴルのライヴがあるのだぁー。佐藤行衛さんが奮闘、ワンマンライヴをブッキングしてくれたのだぁー。大好きな韓国にまた踏み込めるのだぁー。今回そこにサポートが入ることに。柴藤さんの古い友人、九州出身だけど今は北海道の中標津に住むギタリストの藤本祐治さんのことである。伊藤孝喜、またもやベテランの方と演奏をともにする機会に恵まれる。んでもって、福岡空港で藤本さんと合流して、オレたち、またもや男3人となる。ソウルに行ったら行衛さんを入れて男4人だ!色気は無いけどやる気はムンムンよ。ハッハッハ。
 まずは酒でも呑んでほぐれましょうと、3人で居酒屋に向かう。ビールや焼酎のお湯割りをいただきながら、明日からのリハーサルのことや何やかやを話す。藤本さんは韓国は初めてらしい。どぉーんと任せてくださいよ、オレがハングルで通訳しますよっ、ワッハッハ!なぁーんてエラそうなことは勿論云わなかったけど、3人3様、いろんな想いでソウルに乗り込むことになりそうだ。
 さぁて、明日はソウルへ向けて出発。楽しくなりそうな予感。ちょっとだけ「遠足前日の小学生」状態になりながら、ゆっくりと眠りについた。

 この続きは、次回のイルサンタバンサで。近日公開。思わぬ出来事もあって、そりゃあもう・・・にんまり・・・。おっ楽しみにぃ〜。

2003年11月     伊藤孝喜