6月30日
 
新宿ピットインにて浅川マキ。第一部はドラムスのセシル・モンローと二人で始め、途中からキーボードで渋谷毅が入り、第二部は渋谷のピアノと二人で始め、途中からドラムスが入るという構成。歌とドラムスだけという編成など、非常に珍しいはずなのにいとも当然のようにやってしまう凄さ。きっと当人達には特別なことをやるという意識や力みなど無いのだろう。究極の顔合わせならではといえる。
 究極の名作『闇のなかに置き去りにして』から、これだけはやって欲しいと思っていた「無題」は第二部の幕開け。場所としてはちょっともったいないが、三人で見せる流れを考えての配置だろう。歌詞(といってもスポークン・ワーズですが)をその場に応じて変えていたのも印象に残った。



6月27日
 
日野の安養寺にて山中ひとみの帰国記念カンボジア古典舞踊公演。三人のお弟子さんを引き連れて公演を行う模様に、彼女の歩みが感じられた。

 特に野球に興味があるわけではなかったのだが、夜は知人の誘いを受けて神宮球場にて巨人×ヤクルト戦を観戦。TVや新聞でだとゲームの勝敗にばかり関心がいくが、こういう場で見ていると、ゲームの進行の中でそれぞれの選手が役割の中でどれだけ盛り上げるかというエンタテイメント性に目がいく。さすがにこの季節の野外は気持ちよい。このようにくつろげる野外コンサートも無いわけではないが、動員面でこういう敷居の低い娯楽性に対抗できるコンサートがどれほどあるかな、などと考えてしまった。むろん強烈なメッセージ性やドラマ的な盛り上がりは、参加意識の強さによって醸し出される部分も多いのだから、敷居が低ければ良いというわけではないけれど。


6月26日
 
下北沢の ぐ で、鈴木万由香&小野紫による朗読「言の葉号」の公演。二人のセッション形式で披露されたナナオサカキの詩の朗読が特に面白かった。CD-Rまでわざわざ制作するなど、一つの公演に力を注ぐ様子が見事。形になっていないものを形にするための努力に頭が下がる。

6月23日 勝手にしやがれ
 
MUSIC MAGAZINEの取材で、ギターレスの7人組、勝手にしやがれのリーダーで、ドラムスとヴォーカル、作詞作曲を担当している武藤昭平にインタヴュー。感覚一発の部分を強く持ちながらも、それを音楽理論に変換して言語化する能力に長けたユニークなキャラクターで、あっというまに打ち解ける。楽しい取材だった。

6月19日 モナレコード
 
“Save the 下北沢”のミーティング&署名活動。不思議なもので先週とはうってかわって、色々なことが滑らかに進む。いろいろな部分で協力をいただいている下北沢のモナレコードにも主要メンバーと共にごあいさつ。ここはCDショップとライヴ・ハウスとカフェが合体したようなお店で、とにかく雰囲気がよい! 実はマサの友人が店員だったりという偶然もあり、僕のCDも置いていただくなど、いろいろな部分で今後もお世話になりそうです。

6月18日 
 
吉祥寺マンダラ2にて原みどり主宰の“歌う女ともだちvol.5”。デジタルラブタブラは前回とうってかわってリラックスしたムードの好演。特に「新しい神様」のスキャットが良かった。しかし今回の最大の目玉は、ヨーコトリヤベ、篠原りかとの女性ヴォーカル三者セッションによる「蘇州夜曲」。フライング・リザーズのような(本人はマイルスを意識していたようだが)三声のハーモニー、ホッピー神山のピアノとテッシーのギターのインタープレイが絶品だった。
 久々に見る篠原りかもずいぶんと凛々しくなっていて、成長のほどに驚かされた。


6月16日 佐野元春新作インタヴュー
 
ぴあの関東版、関西版に掲載する佐野元春の新作インタヴュー。オリジナル・アルバムとしては4年半ぶり。ポエトリー・リーディングのアルバムを2枚も発表するなど、しかしこの間の彼は実に激しく動き続けていた。なぜそうせざるを得なかったのかと言えば、2001年以降の諸々の状況があったからに他ならない。それを経てポップ・ミュージックというフォーマットに回帰した彼の心境に突っ込み、充実した内容の取材にできたと思う。

6月15日 はっぴいえんどBOOK
 
はっぴいえんどBOXと連動して制作されていたものの完成が遅れていた「はっぴいえんどBOOK」の見本誌が届く。A4サイズで300ページ、3500円という重厚長大なものだが、実に充実した内容である。楽曲解説その他で原稿を書かせてもらった者の一人として素直に関われたことを嬉しく思える本だ。監修の木村ユタカさん、ご苦労様でした!

 夜は大久保のHOT SHOTにて久保昭二がドラムスを担当する
宴とりっぷのライヴ。演奏時間は短かったが、めったに人を誉めない久保が惚れ込む理由は分かった気がする。特にラストの「墨色の虹」が良かった。お疲れ様でした、今後もよろしく!

6月12日
 
“Save the 下北沢”のミーティング&署名活動。ミーティングがヘヴィな内容になったのと、たまたま署名活動の実働部隊が四人しかいなかったため、普段より地味な雰囲気だったかも知れない。打ち上げも色々あったけど、まあ結果オーライかな。継続するには楽しくやらなきゃね。

6月11日 
 
腹痛で目が覚める。体調悪い中、なんとかだましだまし渋谷のCLUB QUATTROにてソウル・フラワー・ユニオン。ライヴ自体は質量共に充実しまくり。特に後半でモノノケのレパートリーをユニオンでやるあたり、非常に前向きなものを感じた。
 また伊藤孝喜とJIGENのデュオ・コーナーも圧倒的。つくづくすごいリズム隊になったものだと感慨にふけってしまった。

6月10日 
 
久保昭二が来訪。今後の予定などについておおまかな見通しを立ててから、彼は行ったことのなかったNeverNeverLandへ。早く帰るはずだったのだが、ついつい話が長引いてしまい、申し訳ない。ただし今後については、かなり面白い展開ができそう。

6月9日 柵を乗り越え…
 
下北沢のCLUB 251にてソウル・フラワー・モノノケ・サミットと春歌(柴山俊之、下山淳、Dr.Kyon、池畑潤二)。下北沢でソウル・フラワーということで、“Save the 下北沢”のチラシを折り込みに店に行くと、中川敬が「ステージで志田君が直接喋った方がええ」と言い出してくれたおかげで、急遽モノノケのステージの途中で一言喋らせてもらうことに。
 ただし打ち合わせめいたものはしなかったため、どこに待機して良いか分からず、比較的前方に場所をキープ。中川に呼ばれてから慌ててステージと客席を仕切る柵を無理矢理乗り越えて喋ることになって大慌て。それでも場内の観客からは、中川の仕切りもあって、温かく迎えてもらった。
ありがとう中川!
 久々に見たモノノケは、押しつけがましさのカケラもないオープンな雰囲気を堪能。 
 一方の春歌は、前半は邦楽、後半は洋楽の替え歌で、歌詞はエロねたのみ。最初はお気楽に笑いながら見ている感じだったが、ドアーズやストゥージズなどのナンバーでは、強者揃いのメンバーの演奏に引き込まれた。特にドアーズと同じくキーボードでベースのパートも演奏するDr.Kyonがかっこよい。なるほど、ムキになってドアーズやストゥージズのコピーをやられても困ってしまうが、春歌というコンセプトの替え歌でならば、ワン・クッションおいた笑いも取りつつ、プレイヤーもある種の趣味性を楽しめるという仕組み。これは巧みだ。
 終演後の署名集めもお店の協力もあって好反応。ありがとうございました。


6月6日 
 
駒場エミナースにて制服向上委員会が、早川義夫をゲストに迎えてのライヴ。以前野音のイヴェントで見たシュールなステージが印象に残っていたので、一体どんな感じなのか予想できずにいったら、場内はまばら。それでいてアイドルの応援のお約束のパターンなのか、観客それぞれの声援と動きはかなり激しい。制服向上委員会による早川義夫のカヴァー・コーナーはなかなかリキが入っていて、ハモリもけっこうむずかしそうなことをやっていた。
 ゲストの早川義夫は、いっさい喋らず、ひたすらピアノの弾き語りで曲をぶっ続け。新曲らしきものもあったが、普段とまるで変わらないのがすごい。それでいて歌と言葉のパワーは、人を突き刺すような鋭さ。制服向上委員会のファンは微動だにできず。
 何とも不思議な体験でした。

6月3日 
 
表参道のCAYにて佐野元春の新レーベル“DaisyMusic”のレーベル設立記念パーティ。無茶苦茶な込み方だったが、なんとか良い場所へ潜り込む。まずバンドを率いての演奏があり、最初期の楽曲ばかりを立て続けに披露するあたりに、“BACK TO THE STREET AGAIN”というコメントでMUSIC MAGAZINEでのインタヴューを締め括ってくれた彼の心境がうかがえた。爆笑問題、大滝詠一のヴィデオ・レターに爆笑。

 思いのほか早い時間に終わったので、これなら間に合いそうだなと思い、そのまま渋谷CLUB QUATTROの遠藤賢司のデビュー35周年記念ライヴへ、後半3分の1位は見られたようだ。あいかわらず壮絶なテンションで、トシのドラムス、湯川トーベンのベースからなるリズム・セクションもすさまじい。

 ヴェテラン二組のパワーを浴びた夜だった。