_バンコックは、地下鉄を現在建設中です。
_雨期のバンコックの雨は、日本語でいうドシャブリの夕立で、朝は天気でも、午後に真っ黒な雲と共に降りだし、大雨になり、朝一斉にバンコックに入った車が、市内は排水ポンプが働くのですが、バンコックから出る所の道路の排水がつまって、車が帰れず、大渋滞になるそうです。
_こんなヒドイ体験はありませんが、大使館の近所のスクムヴィット通りのホテルに車で帰るとき、国賓の車が通れば、写真のように、警察官が交通規制をしますから、2時間位は、まわりの道路でウロウロして待つことがあります。
_スクムヴィット通りでも、日曜の朝は、左の写真のようにスイスイ通れますが、週日のスクムヴィット通りは、終日(?)写真のように大混雑してます。
_以前は一週間に何回もの停電で、ホテルに常備のローソクがあり、
バンコックは、王様が「米と魚の豊富な自由な国」を建設するため定めた都ですから、運河が発達して地下水位が高く、そのため、停電でポンプの効かない地下鉄で、土左エ門が出るなんてヤですから、バンコックの都市鉄道は高架による鉄道計画が主でした。
_もちろん、今は王様の在位50年記念の素晴らしい装飾に、電飾が輝いており、自家用車の駐車場も、東京より便利に発展した現在のバンコックは、人口も人口密度も東京とケンカして負けない位の大都会ですから、地下鉄の一つや二つないのが不思議な位です。
_これらの計画の一般的な特徴を、思いつくまま並べて見ますと、
_もちろん、高速道路との目立った連携はありませんし、3計画とも管轄の省庁は異なり、民間の資本が入って独自の計画を進めていますから、全体的・最終的にどう便利になるか、良く見えませんが、バンコック地区の交通委員会事務所に日本の技術者が派遣されていますから、便利な鉄道が実現するものと思います。
_それでは、これら3計画を簡単に紹介します。
_事業主体は、バンコック都庁、管轄は内務省、総事業費360億バーツ(1800億円位)で、1998年に開業する計画で、開業日から30年間の運営権で、契約保証金1億5000万バーツ(開業日に返還する)等の条件です。
(2) 路線の概要
_また、最大旅客数278人の車両、3両または6両で構成する列車を、最小2分間隔で運転し、一時間あたり、片道50、000人の輸送を計画しています。長さ20m、幅3.2mの車両ですと、JRの車両に近い寸法ですから、1両当たり278人乗ると、日本人はダイエットして乗らないとメイワクになると思われます。
(3) 建設の状況
_もともとこの計画は、バンコックランド社が免許を取得して、BOT方式で建設する計画でしたが、インフラの建設は、MRTA(Metroporitan Rapid Transit Authority:ペルーとは全く関係ありません)が建設し、運営は民間セクターが実施する計画で、日本の企業も参加を計画しています。
_管轄が首相府、事業主体は首都圏高速鉄道公社(MRTA)で、総延長は20km、1期が600億バーツ(3000億円位)で、他に車両、電気・信号設備が100億バーツ位かかります。
_昨年の11月19日、この計画は、タイ王国皇太子殿下の臨席を得て、タイ国鉄の中央駅の前で起工式が挙行され、日本からは太田大使が出席されました。
(2)路線の概要
_ホアランポンからバンスー間の駅は、18駅で、シーロム、ルンピニ、シリキット王妃国際会議センター、スクムヴィット、ペッブリ、フアイ・クアン交差点、ラト・プラオ、チャトチャック等の付近に停車場が出来ます。
(3)建設の現状
_バンコックに地下鉄が出来たら、とても便利になります。現在の道路交通は、高速道路が出来、以前のようなムチャクチャな状態はなくなりましたが、以前、私の聞いた最悪のケースは、東京発11時のJALに乗って、午後3時にバンコックに到着して、市内のホテル(距離で30km位:普通なら1時間でカルイ)へ車で行った所、ホテルに着いたのは夜の2時ごろだったそうです。
_こんな時に、地下鉄があればモノノ15分で十分(!)帰れますから、とても便利になるのです。
2.バンコックの都市鉄道建設計画
_現在、バンコックで建設が進んでいる鉄道の計画は、
の3計画が進められています。
_というようなことでしょうか。
3.タナヨン鉄道建設計画
(1) タナヨン計画の概要
_現在、建設が目立って進んでいるのは、タナヨン計画です。
_タナヨン計画は、バンコックの大富豪が経営する大手不動産会社の計画で、子会社であるBTSC社(Bangkok Transit System Corp.)がBOT方式で始めたもので、現在バンコックの大手の建設ゼネコンであるイタルタイ社が20%の資本参加をし、1992年から建設を進めている大計画です。
_路線の総延長は約23kmで、
_軌間1、435mm、電圧750v、第3軌条方式、大体の構造は、日本の地下鉄各社の構造と基本的には大差ないものと思われます。信号方式等詳しいことは、会社に聞いて下さい。
_建造物の基本構造は、幅が8.5mの高架橋で、駅部は2層構造となり、階段で両側の歩道に降りる構造となっています。
_現在の建設は、パノン・ヨテイン通りから、パヤ・タイ、プロンテイット、スクムヴィット、ラーチャ・ダムリ、シーロム通りへと建設が進んでいます。
_しかし、交差点や駅部など工事の困難な個所が多く残っているため、1998年の営業開始には相当の工事促進が必要と思われます。
4.地下鉄建設計画
(1)地下鉄建設の概要
_首都圏高速鉄道公社の地下鉄計画は、一昨年、政府が全面地下鉄方式を決定し、建設が開始されました。それまでは、全長20kmの1期の計画のうち、南半分が地下鉄方式で、北半分が高架方式で計画でした。
_日本政府も、この計画に海外経済協力基金(OECF)の資金で、協力を計画しています。現地の民間企業も入る大プロジェクトに、OECFの基金が入るのは、珍しいことです。
_現在計画されている路線は、ホアランポン中央駅からバンスー駅までの、青線ですが、そのほか、青線の延長路線、オレンジ線、紫線等の路線を計画しています。
_1車両あたり最大225人乗車、6両編成の列車を2分間隔で運転して、一時間当たり、片道40、500人輸送する計画です。
_まだ、起工式が始まった段階で、目立った建設工事は進んでいません。
_建設事務所には、日本から地下鉄の技術者が派遣されており、今後建設が進むものと思われます。