タイのマーケット

***ウイークエンド・マーケットを覗いて見ました***

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1.ウイークエンド・マーケットの簡単な由来

_バンコックの北側、鉄道の駅でいうと、バンコック中央駅(ホアランポーン)から三つ目、バンスー駅近くの国鉄用地に、ウイークエンド・マーケット、文字通り土曜と日曜だけ開いている巨大なマーケットがあります。

_タイの人が言うチュトチャック・マーケットは、その昔王宮近くのサナムルアン広場で開催されていましたが、警備の都合でこの場所に移設したもので、サナムルアンでは巨大なテントの中に、円形に雑然としたマーケットが開かれ、今と同じ商品が並んでいました。

_サナムルアン広場は、 「新井先生一押し、大使館はススメナイ」、カオサン通りから近く、当時滞在していたシーロム通りとスラウオン通りの間にあるデチョー通りのアパートからは、サムロー(今のトクトク)を交渉すれば、イーシップバーツ(20バーツ:ただし当時は確か200円位だった)で行ける便利な場所でした。

_今のマーケットは、冷房バスを乗り継ぐか、暑い10円バス(2バーツ)を乗り継ぐかで行くことになりますが、大量買い付けの人はほとんど自家用車で来るようで、駐車場は大変な混雑です。そのうち、現在建設中のタナヨン社の高架鉄道や、地下鉄、あるいは国鉄のホープウエル計画が進展すれば、きっと便利なところになります。


2.ウイークエンド・マーケットは本当に安いのか

_このマーケットは、いわゆる朝市とは違い、朝9時ころからボチボチ店が始まり、10時ころには包みをぶら下げた買い物客でごったかえす時間になりますが、客層が現地の市内の人、市外からの人、売る人、買う人、冷やかす人、タイの人(コンタイ)、中国の人(コンチン)、日本の人(コンイープン)、外人(コンファラン:元来フランス人・白人)、中年の人、老年の人、若い人、ジャリ・ガキどもまで、市制がしける位の人口を呑み込むマーケットで、これは新聞求人広告で、普通年俸200万円、営業部長クラス年俸900万円の例もあるようなナンデモアリのバンコックの凄いところです。

_バンコックに仕事に来て、伊勢丹のそばの店や、マーブンクロン、あるいはプロンチット通りの免税店(DFS:Duty-Free-Shop)よりも、土産物が20%―30%安いウイークエンド・マーケットは、覗いていいところですが、元陸軍副参謀長の御曹司のサラウッド国鉄総裁と話した時、「あそこは高いよ、もっと安い所があるよ」と仰った所から見て、現地にはもっと深い穴場があるものと思っております。


3.ウイークエンド・マーケットに観光ツアーは来るか

_現地に行けば、日本の観光ツアーは来るのが不可能な状態であることが分かりますが、思いつくまま来ない理由を個条書きにすると、

  • 迷子を探すのが不可能、待ち合わせ場所がない
  • 観光バスの駐車場がない
  • 旗を持って並んで歩くのは不可能
  • 現地でタイ語の通訳をつけるのは不可能
  • 土曜・日曜は道路が空いているので、ほかの名所を巡る方が良い
  • 恐らくガイドにマーケットからリベートは出ない?

    ということなのでしょうか?


    4.少しマーケットを御案内致します

    __とても全部ではありませんが、ほんの一部をご案内致します。

    (1)土産物の店

    __タイのお土産は、普通、空港や、伊勢丹のそばのナラヤナなどで、木彫、錫かアルミ?の鋳物、布製品、人形、あるいは陶器等、が並んでいるのを見て、一つ位、買ってもいいかなと思うのが多いのですが、写真は水牛の角の彫り物がおいてある店です。バンコック周辺の田圃では耕運機に押されて、水牛はいなくなりましたので、いまが買い得かも知れません。白いのが6000円位で、黒いのが3000円位(いずれも言い値)、白いのは数が少ないから高いとのことです。

    _写真の昆虫の標本は、税関ではワシントン条約の禁制品となっており、日本に持ち込めないものと思われます。
    _ここで売っている世界第2の大きい蛾ヨナクニサン(第1はご存じモスラ?)も、テナガコガネも近郊農園の養殖とのことです。禁制品のハンドバックになるワニも養殖しており、今年の雨期の大洪水で何万匹?も逃げ出したのがまだ何千匹?も 見つからないで、ドコカニ消えてしまったとか....。(ウッソオー)

    _金色の美しいベンジャロン焼きの陶器は、トム・ヤム(トムはタンメン(湯麺)のタンか...?)などで、エスニックを楽しむ時、テーブルに何個か飾って楽しみたいものです。
    _王様が宮廷用として奨励したとの、この美しい陶器は、よく見ると表面の上薬が平坦なものと、最新の技術か、上薬の表面が盛り上がったものがあり、表面が盛り上がったものは模様も細かく、美しい仕上がりになっています。

    _当然新しい技術の製品は価格も高く、市内の免税店でお土産に買う時には注意しましょう。この新しいベンジャロン焼きは、食器(蓋物、壺、皿、コーヒーカップ)、花器がありますが、日本に持って来ても良い品質のもので、8寸位の花生け、普通の大きさのコーヒーカップ(カップとソーサー一つずつ)、それぞれ2000円位です。

    (2)果物のお店

    _お土産に買って帰れるわけではありませんが、ついでに冷やかして行くと、随分と色々なお店があります。タイの果物はやはり5月から10月にかけての暑い雨期の方がおいしい物が沢山あるように思います。

    _最近はドリアンなどは山で栽培されているそうで、スーパーマーケットなどには12月にも並んでいますが、どなたでも必ず好きになるマンゴスチンなどは、雨期の間の方が美味しいようです。
    _このお店や、中華街、スーパーマーケットなどにきれいに並べて売っている林檎、柿、桃などは輸入品の箱に入っています。

    _タイには四季はありませんが、季節的には一番温度が低く、乾期に入った12月にも、パイナップル、メロン、パパイア、西瓜、ザボンは美味しく食べられます。私がタイならではと思っているのは、マンゴスチン、ライチー、ザボン、ランブータン、でしょうか、右の果物のお店には、いつでも何でも並んでいます。このお店で美味しそうに売っているのは、なんと広告展示用のまがい物の果物です。ナンデモアリのバンコックのマーケットです。

    (3)食べ物のお店

    _世界で一番美味しい料理は、フランス料理、二番が中国料理、三番は自分の国の料理だそうですが、元が中国風のタイ料理は、自分の国でなくとも美味しい料理です。

    _最近流行っている、生鮮魚類がおいてあって、注文に応じて調理してくれる店(SeaFood)等では、甲殻類は何でも安く、大きいエビと月夜のカニを除けば、どれも美味しい食材です。
    _このお店のエビは、産地直送のエビですから、色々な種類がありますが、タイガーみたいなおなじみの顔のエビは、日本のスーパー価格の約1/5でしょうか。

    _左のお店干物のお店のようで、今年の正月のアタリメは、あるいはタイ生まれのアタリメだったのかと、考えこんでおります。

    _日本にだって蜂の子、マゴタロウムシ、ホヤ、コノワタなどという、未開人が見たら怪訝に思う食品がありますから、タイ文化に未開の日本人がみて、これはという食品があっても別に不思議ではありません。
    _右のお店で売っているのは、ご存じ天然記念物の「兜蟹」、これは卵を食べますが、男鹿ブリコを想像する日本人には、少しがっかりする食材です。

    _マーケットで最も日本的でない食材は、最近日本のデパートで夏休みにカブトムシとともに売り出した、日本最大の水棲昆虫タガメの塩漬けで、鉄道学校の校長先生のタイ食に招待された時、その食べ方を聞いた所、それでは注文しましょうかと言い、出てきたのは、確かに2寸程の図体と比較して可愛い頭と目をしたタガメのサラダでありました。(食事中の皆様に失礼して、御要望により写真をあえて掲載させて頂きますと..)

    _ それでも、この食材は日本における蜂の子や、ホヤのように、そのままかぶりつくのではなく(ソウデショウ!)、青いマンゴースライスのサラダ香りをつける食材でありました。タガメはカメムシと格好が似ていますから、同じような強い香りがあり、それが青いマンゴーに合って、何度もトライしているうちに、familiarになって来るのは、不思議なものです。(要するに高度アジア文化的食物なのでしょう、日本に青いマンゴーがあれば、日本人が発明していたカモ...キット)。

    (4)肉屋さん、八百屋さん、パン屋さん

    _ウイークエンド・マーケットの肉屋さんは、冷蔵庫の中に肉を入れて売ってるわけではありません。美味しそうな肉を店の前にぶら下げて、丁寧に切って売ってます。アンコウのつるし切りではありませんが

    _肉の種類は、恐らく牛肉と豚肉、鶏肉、アヒルの肉、が主な食材と思います。中には田鶏(牛蛙:食用蛙)もありますが、牛肉よりも豚肉が多く、五香粉の香りの強い焼き豚は、横浜の中華街を思い出させます。
    _麺類を出すタイ料理店で、牛バラ麺(とにかくタイ文字と、漢字と英語で判断して)を注文すると、横浜中華街のと変わらない、美味しい、量の少なめの牛バラ麺を安く食べることが出来ます。
    _飯焼き豚定食(カオ・ムー・パット)、焼き飯豚定食(カオ・パット・ムー)は、タイ昼食の傑作と思います。

    _八百屋さんの方は、日本と同じですが、短期で仕事をしている限り、ノウハウは身につきません。魚屋さんの所で触れたSea-Foodのような店では、野菜もおいてあって、選択して調理を注文できますが、大体店の人に任せてしまうので、料理が出てきてオイシイオイシイで終わりになります。
    _野菜は、茎と炒める菜葉、袋茸、アスパラ、モヤシ、トマト、キウリ、タマネギ、レーキ等々で、ドクダミの香りのするコリアンダーの葉(パクチー)は好きになれません。大手のスーパーマーケットならば大抵の洋菜類はあるようですが、この店の野菜はよく分かりません。

    _マーケットの中には、食堂が限りなくあり、大抵の食堂で誰かが食事をしています。おなかが空いたら、パン屋さんでパンを買って、コーラを飲んで歩き回ることは可能です。

    _しかし、大抵は2時間ほどで歩き疲れ、冷たいサトウキビのジュースを飲んで、子どもが「いい加減くたびれて」、こんな状態になります。

    _12月から1月の温度の低い時期のマーケットでも、午前中に退散して、昼寝を決め込まないと、月曜からの仕事に差し支えます。バンコックのゴルフは、早朝に始めて10時前に終わるのが良いとか、とにかくバンコックのウイークエンド・マーケットは熱帯の国であります。

    (5)こんな物も売ってるお店(その1:まともなお店)

    服地屋さん、花屋さん、カラオケ屋さん

    _ウイークエンド・マーケットの服地屋さんは、大体が日用品の販売ですから、良い生地が沢山あるというのでなく、日本人が観光のために買うには、タイの田舎の模様の織物を安く買うというような店です。

    _バンコック市内には、タイシルクを売る店があり、色さえ合えば、男性のスーツ上下一着分(シングル幅で5m―5.5m)の絹地が4000円程度で買えます。しかし現地の縫製は、手荒な縫い代が目立って違和感があります。
    _絹地を買って、国内で良い店で仕立てると、結局はかなりの出費になります。絹のタキシードを着るような舞台でない限り、冷やかしに徹するほうが安上がり。

    _バンコックの花屋さんは、蘭の花を見るのが一番です。ウイークエンド・マーケットの中には、こんな蘭の切り花から、植木、庭石、噴水に至るまで、売ってます。

    _しかし、ここの花は、日本に持って帰ることは出来ませんから、見るだけにしておきましょう。

    _バンコックはカラオケの機会が多いところです。
    _シーロム通りの外れ、スラウオン通りとの中通りの親不孝通りから、スクムヴィット通りの入り口から中ごろのソイにある親不孝通りのカラオケは、日本と比べて決して安いわけではなく、安いカラオケを楽しむのなら、ソフトは日本から持って来て、機械はこのお店のパイオニア製を買ってということになるのでしょうが、観光客ならば、カラオケをねたに親不孝通りを楽しむということなのでしょう。

    _カラオケは、33―1/3回転のレコードで、その昔、昭和35年ごろには、テイチクから発売されていましたから、考えてみると、35年以上かかってバンコックまでハルバルと旅をして来たものです。
    _ここは、その昔、ベトナム戦争当時、タイム誌上に、「今世紀最大の赤線はバンコック」との記事のあった歴史的な町ですから、その種のものもナンデモアリのようですが、ただし、このウイークエンド・マーケットには、全くありませんので念のため。(その種についての最新情報はタイ関係のWEBのページをよくお調べください)

    (6)こんな物も売ってるお店(その2:少しまともでないお店)

    ペット屋さん、ポスター屋さん、ハテナ屋さん

    _ウイークエンド・マーケットには、犬やウサギ、ニワトリや金魚など、まともなペットを扱うお店は沢山ありますが、このお店にはハリネズミを売ってます。それが、この写真のように丸まっていても、手のうえでおとなしくして、キョトンと人の顔を見上げていても、可愛いもので、なるほど、こんなものもペットになるものかと、感心します。

    _このペット屋さんは、緑色のイグアナを売っています。イグアナは日本でも飼う人がいるそうですから、別に珍しくないと思うのですが、こうして赤いひもをつけて、おとなしくしていると、なるほど、まともなペットに見えて来るから不思議です。恐らく、日本でも衝動買いをする害のないペットの一つでしょう。ここのイグアナはブラジル輸入とのことですが、タイの得意とする先端技術を駆使して現地養殖しているものと思われます。

    _このほかにも、このマーケットでは、リスとかイタチとか熱帯魚とかを売っています。イタチはフェレットという白いイタチで、ウサギ狩りに使うと書いてありますが、バンコックでどのように、ウサギ狩りにシロイタチを使っているのか、どなたか教えてください_

    _日本だって、ポスターを売る商売があるのですから、ナンデモアリのバンコックで、このようなお店があっても、別に不思議ではないのですが、それでも、鐘は一つも売れない日がありそうなバンコックの土曜・日曜のマーケットですから、こんなポスターを売る店は、どのように経営が成り立っているのか、何か不思議な感じがします。(余計なお世話ですが)

    __こんな変なものも、売ってるお店もある例ということで....
    _お店の位置は、駐車場入り口に近い中国骨董店が沢山並んでいるあたり、どなたかタイ語の堪能な方がいらっしゃたら、ついでに、調査、御報告をお待ち致します。


    5.終わりに

    _今回は、土曜・日曜しか開いていない、バンコックのウイークエンド・マーケットの中を簡単にご紹介致しました。
    _この中は、バンコックの楽しい場所の一つで、流行のせいで、いつも少しづつ変化して来ています。またどなたか新しい発見がありましたら、ぜひ情報をお願い致します。


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    アップデート:1997年1月2日
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