Free JAMAL Campaign

法務省入国管理局
2004年8月20日
首都圏コープ関連労組協議会

 私たちは首都圏にある生活協同組合の労働組合の連絡組織です。最近の難民問題をめぐる状況について深く心を痛めており、以下のように要請いたします。

難民問題及び入国管理行政の抜本的改善を求める要請書

 2001年の日本の法務省による難民認定は、欧米諸国が数万規模なのに比して、けた違いに少なく、26人となっております。国際社会でもこうした日本の状況は憂うべき事態として注目されています。
 現在、クルド人の2家族、カザンキラン家とドーガン家の12人が7月13日以来、1ヶ月以上に渡り、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)前で座り込みを続けています。彼らはトルコで迫害を受けずに暮らすことを求めてデモに参加したことなどから、送還されれば極刑に至る処罰を受ける危険があります。しかし、証拠が足りないということで、入国管理局は、一人も、クルド人を難民として認めておりません。さらにイランから来られたジャマル・サーベリさんは難民申請をしていましたが、横浜出入国管理局へ、月1回の確認印を受けに、審査室に入ったところ、突然、難民不認定が告げられ、退去強制令書が手渡され、そのまま収監されてしまいました。幸い4月に釈放され、今は自由の身ですが、いつ収容され、強制送還されるか分からない状況にあります。ジャマルさんは日本で労働運動にも参加しており、もしイランに戻った場合、政治的活動を理由に収容され、命の危険にさらされる可能性が高いです。
 8月5日付けの朝日新聞をはじめとした新聞報道によれば、日本の法務省が「トルコ政府からの迫害」を理由に難民認定申請中のトルコ国籍クルド人十四人に関し、トルコの軍当局や警察当局に氏名を教えるなどしていた問題が明らかとなっております。これは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の「庇護(ひご)手続きの申請者名などは秘密を保持しなければならない」とする指針に明らかに違反しています。また、難民申請者に対して、収容・拘禁が繰り返されて、迫害から辛うじて逃れて日本に来た人々が、日本での重罪犯罪者と同様に長期に収容・拘禁されています。先の見えない収容、恣意的な扱いに、いつ送還されるか分からない不安を高じさせ、精神の安定を維持できなくなった人や、カッターナイフの刃を飲んで自殺をはかるなどする人が続出しています。こうした人権侵害を国みずからが行い、国境を硬く閉ざして、難民を排除する日本の姿勢はきわめて非常識で、許されるものではありません。
 難民を認めない姿勢の一方で、日本政府は「不法滞在」者の取り締まりを強化してきました。その結果さまざまな人権侵害が行われています。ある韓国人一家(夫・安英烈、妻・金恩希、子ども・安智)をめぐっては、入国管理局は小学校6年生の安智(ちえ)ちゃんの出頭命令を出しており、いつ強制送還されても不思議がない状況です。彼女は日本で生まれ育ったため、韓国社会をまったく知らない子供です。そもそも小学生に出頭命令を出し、収容所に閉じ込めようという姿勢そのものが重大な人権侵害にあたります。
 私たちの働く職場である生活協同組合は、助け合いの精神にもとづいた組織です。生協では難民の救援カンパや海外の生協との交流など国際交流にも力を入れてきました。そうした取り組みは日本社会が国際社会とよりよい関係を築くことにつながるという意味も含まれています。私たち生協で働くものにとって、生協のそうした国際交流の取り組みが進む一方で、政府みずからが人権を踏みにじり、国際社会に恥じをさらす行為を続けるのを断じて容認することはできません。日本政府の姿勢に強く抗議したいと思います。そこで以下のように要請いたします。

1 クルド人の2家族、カザンキラン家とドーガン家を難民認定する事。
2 イラン人のジャマル・サーベリさんを難民認定する事。
3 難民を一切受け付けない行政を転換し、難民を広く受け入れる事。難民申請者の強制収容など人権侵害を取りやめる事。
4 韓国人の安一家の強制送還をとりやめ、在留許可を認める事。
5 個別の事情を勘案せず、不法滞在を理由としてすぐに強制送還するような行政を改め、在留許可を認める、人権尊重の行政に転換する事。