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16. 級数

16.1 級数について  
16.2 級数に関する諸定義  


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16.1 級数について

Maximaは関数TaylorPowerseriesを可微分関数のS列を見付ける為に 持っている。又、Nusumの様に或る級数の閉形式を見付ける道具もある。和や 積の様な演算が級数に対して通常通り行える。この章では展開を制御する様々な大域 変数について述べる。


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16.2 級数に関する諸定義

変数: CAUCHYSUM
デフォルト値:[FALSE] - 二つの無限和(INFを上限として持つ和の事)の積でSUMEXPAND がTRUE、CAUCHYSUMがTRUEに設定されていれば、Cauchy積が通常の積の代りに用いられ る。Cauchy積では、内部和の添字が他と独立して変化する添字ではなく、外側の添字 変数の関数となる。つまり、SUM(F(I),I,0,INF)*SUM(G(J),J,0,INF)は SUM(SUM(F(I)*G(J-I),I,0,J),J,0,INF)となる。

関数: DEFTAYLOR (function, exp)
利用者が任意の1変数関数の(0の近傍に於ける)Taylor級数をexpとして定義出来る。 ここでexpはその変数の多項式やSUM関数を用いたもので与えても良い。DEFTAYLORで 与えられた情報を表示する為にPOWERSERIES(F(X),X,0)が使える(以下を見よ)。

 
(C1) DEFTAYLOR(F(X),X**2+SUM(X**I/(2**I*I!**2),
        I,4,INF));
(D1)                          [F]
(C2) TAYLOR(%E**SQRT(F(X)),X,0,4);
                     2         3          4
                    X    3073 X    12817 X
(D2)/R/     1 + X + -- + ------- + -------- +  . . .
                    2     18432     307200

変数: MAXTAYORDER
デフォルト値:[TRUE] - TRUEであれば、(切捨てられた)Taylor展開の代数操作で TAYLORは正確であると確証される迄の項を保持する。

関数: NICEINDICES (expr)
式を取り、和と積の全ての添数を変更して幾らかより判り易いものに変更する。 添数として"I"が使え、"I"が内部式で用いられていれば、ちゃんとした添数を見つ けるまでJ,K,L,M,N,I0,I1,I2,I3,I4,...の順で振られてゆく。

変数: NICEINDICESPREF
デフォルト値:[I,J,K,L,M,N] - NICEINDICESが和や積で添数を探す為に用いるリスト。 これは利用者がNICEINDICESが如何に"良い添数"を見付けるか、その順序を設定する 事が出来る。例えば、NICEINDICESPREF:[Q,R,S,R,INDEX]。

ある特定の和で、添数としてこれらを何れも用いる事が出来ない事をNICEINDICESが 見付けた場合、最初のものを基準に用いる。ここで、そのリストの添字を消耗すると、 Q0,その次にQ1等々と試みる。

関数: NUSUM (exp,var,low,high)
R.W.Gosperによる決定手順を用いたvarに対するexpの不定和を計算する。式expと潜在 的な解はn次の羃乗、階乗、二項係数、そして有理関数の積として表現可能なものでな ければならない。"定和"と"不定和"と云う言葉は、"定積分"と"不定積分"の類似として 用いる。不定和を取るとは、変数の複数の区間、例えば0からinfへと云ったものでは 無く、その上での和に対する近い公式を与える事を意味する。それ故、二項級数の 一般的な部分和に対しては公式が存在しない為、NUSUMは使えない。

関数: PADE (taylor-series,num-deg-bound,denom-deg-bound)
全ての有理関数のリストを返す。この有理関数はTaylor展開で分子と分母の次数の和が 級数展開の切捨て水準以下のものである。つまり、"最上の"近似であって、更に、指定 された次数の上限を満すものである。最初の引数は単変数のTaylor級数でなければなら ない。第二と第三の引数は正整数であり、分子と分母の次数の上限を定める。PADEの最 初の引数はLaurent級数でも良く、その上限の次数がINFであっても良いが、この場合、 総次数が羃級数の長さ以下の全ての有理関数が返される。ここで、総次数は分子の 次数+分母の次数で、羃級数の長さは"切捨ての水準"+1-minimum(0,"級数のオーダー") である。

 
(C15) ff:taylor(1+x+x^2+x^3,x,0,3);
				     2	  3
(D15)/T/ 		    1 + X + X  + X  + . . .
(C16) pade(ff,1,1);
					1
(D16) 				   [- -----]
				      X - 1
(c1) ff:taylor(-(83787*X^10-45552*X^9-187296*X^8
                  +387072*X^7+86016*X^6-1507328*X^5
		  +1966080*X^4+4194304*X^3-25165824*X^2
                  +67108864*X-134217728)
       /134217728,x,0,10);
(C25) PADE(ff,4,4);
(D25) []
この羃級数表現では分子/分母の次数が4の有理関数を持たない。一般的に、未知係数 を解く為に十分なだけの分子と分母の次数が、少なくとも足し合わせて羃級数の次数 に到達するものを持っていなければならない。

 
(C26) PADE(ff,5,5);
(D26) [-(520256329*X^5-96719020632*X^4-489651410240*X^3
           -1619100813312*X^2 -2176885157888*X-2386516803584)
	/(47041365435*X^5+381702613848*X^4+1360678489152*X^3
                +2856700692480*X^2
	        +3370143559680*X+2386516803584)]

変数: POWERDISP
デフォルト値:[FALSE] - TRUEであれば、逆の順序で項の和が表示される。それ故に、 多項式が切捨てられた羃級数の様に表示される。つまり、最低次数の項が最初に表示 される。

関数: POWERSERIES (exp, var, pt)
点pt(無限の場合はINF)の近傍で、変数varに関する式expの級数展開の一般形式を生成 する。POWERSERIESでexpを展開する事が出来なければ、TAYLOR関数で級数の最初の 幾つかの項を求められるだろう。

VERBOSE[FALSE] - TRUEであれば、POWERSERIESの実行による進行状況が表示される。

 
(C1) VERBOSE:TRUE$
(C2) POWERSERIES(LOG(SIN(X)/X),X,0);
Can't expand 
                                 LOG(SIN(X))
So we'll try again after applying the rule:
                                        d
                                      / -- (SIN(X))
                                      [ dX
                        LOG(SIN(X)) = I ----------- dX
                                      ]   SIN(X)
                                      /
In the first simplification we have returned:
                             /
                             [
                             I COT(X) dX - LOG(X)
                             ]
                             /
                    INF
                    ====        I1  2 I1             2 I1
                    \      (- 1)   2     BERN(2 I1) X
                     >     ------------------------------
                    /                I1 (2 I1)!
                    ====
                    I1 = 1
(D2)                -------------------------------------
                                      2


変数: PSEXPAND
デフォルト値:[FALSE] - TRUEであれば、拡張有理関数式は全体的に展開される (RATEXPANDもこの原因となる)。FALSEであれば、多変数式が丁度有理関数パッケージ に含まれるものであるかの様に表示される。

PSEXPAND:MULTIであれば、同じ総次数で項が互いに纏められる。

関数: REVERT (expression,variable)
Taylor級数の復元を行う。"variable"は元のTaylor展開で用いた変数である。 この関数を利用する為にLOAD(REVERT)を実行する。

 
REVERT2(expression,variable,hipower)
を試してみよ。又、REVERTは0の近傍での展開のみに使える。

関数: SRRAT (exp)
この命令はTAYTORATに名前を変更している。

関数: TAYLOR (exp, var, pt, pow)
式expをptの近傍に於いて、切捨を行った変数varのTaylor級数(必要であれば Laurent級数)として展開する。(var-pt)**powまでの項が生成される。 expがf(var)/g(var)の型で、g(var)に次数powに達する項が無い場合、TAYLORは g(var)を次数2*powまで展開しようとする。非零の項がまだ存在すれば、 変数TAYLORDEPTH[3]の値をnとする時、pow*2**nに達する迄、g(var)の展開の次数を 倍にして行く。

変数: TAYLORDEPTH
デフォルト値:[3] - 零でない項がまだ存在すれば、pow*2**nに達するまでTAYLORは g(var)の展開の次数を倍にして行く。ここでnは変数TAYLORDEPTH[3]の値である。

関数: TAYLORINFO (exp)
expがTaylor級数で無ければFALSEを返す。そうでなければ、Taylor展開の項を記述 するリストのリストが返される。

 
例えば、

(C3) TAYLOR((1-Y^2)/(1-X),X,0,3,[Y,A,INF]);
             2                        2
(D3)/R/ 1 - A  - 2 A (Y - A) - (Y - A)
                    2                        2
            + (1 - A  - 2 A (Y - A) - (Y - A) ) X
         2                        2   2
 + (1 - A  - 2 A (Y - A) - (Y - A) ) X
                    2                        2   3
            + (1 - A  - 2 A (Y - A) - (Y - A) ) X
     + . . .
(C4) TAYLORINFO(D3);
(D4)                       [[Y, A, INF], [X, 0, 3]]

関数: TAYLORP (exp)
述語関数であり、式'exp'がTaylor級数表現である時に限ってTRUEを返す。

変数: TAYLOR_LOGEXPAND
デフォルト値:[TRUE] - TAYLOR級数中の対数関数の展開を制御する。TRUEであれば、 全てのlogは全面的に展開されて対数関数の同一性に関連する零の判定問題は、この 展開の過程の邪魔にならない。しかし、この手法は分枝の情報を無視する為、数学的 に常に正しいとは限らない。

TAYLOR_LOGEXPANDがFALSEに設定されていれば、logの展開は形式的羃級数を得る必要 がある場合に限られる。

変数: TAYLOR_ORDER_COEFFICIENTS
デフォルト値:[TRUE] - 式中の係数の順序を制御する。デフォルト値(TRUE)でTaylor 級数の係数は正規な順序で並べられる。

関数: TAYLOR_SIMPLIFIER
- 一引数の関数で、その引数はTAYLORが羃級数の係数の簡易化で用いられる。

変数: TAYLOR_TRUNCATE_POLYNOMIALS
デフォルト値:[TRUE] - FALSEであれば、TAYLORに入力される多項式は無限精度を持つ ものとして考えられる。そうでなければ(デフォルト)、それらは入力の切捨水準を基準 として切捨てられる

関数: TAYTORAT (exp)
expをTAYLOR形式からCRE形式に変換する。つまり、RAT(RATDISPREP(exp))に似ている が処理はより速い。

 
(* 訳者注:

(C161) exp2:taylor(sin(x),x,0,10);
                          3    5      7       9
                         x    x      x       x
(D161)/T/            x - -- + --- - ---- + ------ + . . .
                         6    120   5040   362880
(C162) taytorat(exp2);
                   9       7         5          3
                  x  - 72 x  + 3024 x  - 60480 x  + 362880 x
(D162)/R/         ------------------------------------------
                                    362880
*)

関数: TRUNC (exp)
一般表現のexpを切り詰められたTaylor級数であるかの様に表示する。例えば、 EXP1:X^2+X+1;とEXP2:TRUNC(X^2+X+1)を比較せよ。ここでIS(EXP1=EXP2);の結果が TRUEである事に注意せよ。

 
(* 訳者注:

(C155) exp1:x^2+x+1;
                                   2
(D155)                            x  + x + 1
(C156) exp2:trunc(x^2+x+1);
                                       2
(D156)                        1 + x + x  + . . .
(C157) is(exp1=exp2);
(D157)                               TRUE
*)

関数: UNSUM (fun,n)
第一の後退差分fun(n)-fun(n-1)。
 
(C1) G(P):=P*4^N/BINOMIAL(2*N,N);
                                            N
                                         P 4
(D1)                       G(P) := ----------------
                                   BINOMIAL(2 N, N)
(C2) G(N^4);
                                     4  N
                                    N  4
(D2)                           ----------------
                               BINOMIAL(2 N, N)
(C3) NUSUM(D2,N,0,N);
                         4        3       2              N
          2 (N + 1) (63 N  + 112 N  + 18 N  - 22 N + 3) 4      2
(D3)      ------------------------------------------------ - ------
                        693 BINOMIAL(2 N, N)                 3 11 7
(C4) UNSUM(%,N);
                                     4  N
                                    N  4
(D4)                           ----------------
                               BINOMIAL(2 N, N)


変数: VERBOSE
デフォルト値:[FALSE] - TRUEであれば、POWERSERIESの実行状況に関する註釈をその 処理に沿って表示する。


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