鷹の子温泉  

松山市鷹の子町744  
営業時間:6:00〜20:00  確認 H11.9.23


 県内でも有名な鷹の子温泉は、宿泊施設や娯楽施設をもつ一大行楽施設である。 そしてこの温泉も、平成7年の夏にいよいよ大改築となり、駐車場の奥に気品のある新しい大浴場が完成した。正面の玄関から入り、靴脱ぎ場のところに小さなカウンターがあり、湯銭を払って上がる。右の男湯は「大師の湯」、左の女湯は「弁天の湯」と呼んでいる。
 籐の敷かれた脱衣場は温泉浴場としては一般的な広さで、ロッカーはスチールで、10円でロックが使えるようになっている。といってもかなりの人がロックしないで使っているようだ。トイレは洋式で広く側壁がくすんだ緑系だからかもしれないが、落ち着いた感じがする。
 浴室は御影石の床にグレイ系の壁で、シックな感じがする。主浴場は、湯面が床とほとんど同じ高さで、洗い場も壁面沿いにしかないので、すっきりしている。湯出し口も独特の黒御影石である。露天風呂あたりの床は安山岩の平石で、露天風呂の周りには、立派な青石がふんだんに使われている。露天風呂には3つの打たせ湯があって、その前に滴よけのプラ版があるが、劣化してちょっと見苦しい状態であった。屋内にも一般のサウナがあるが、この鷹の子温泉の特徴である薬草湿式サウナにふれないわけにはいかない。これは県内の他の公衆浴場には例を見ないめずらしい施設である。これは5種類の漢方薬草を蒸気ふきだし口にのせている湿式サウナで、入るといかにもといった独特のにおいがする。湿式サウナは比較的低温でも息苦しいものだが、ここは特にそれを感じる。さらに以前来たときには記憶がないが、天井から落ちる熱い水滴がどうも気になってあまり長くいる気にはなれなかった。けれども効果的な療養になるのかも知れない。

 この浴場を出るとき、ふと見るとシャンプーやボディーソープなどとともに「はかたの塩」が売り物として展示してあった。「たしか浴場で塩を使うな!」という表示があったような気がするのだが、とするといったいこの塩は何なんだろうという疑問が残る。私は何度かこの浴場に来たが、塩を使っている客はまだ見たことがない。
 さて、ここの施設の最も特徴的なところは、愛媛県で2つだけ(もう一つは松山劇場)ある常設の大衆演芸劇場があることである。温泉入浴とのセット価格は1000円らしいが、時間の許す人はぜひよってみよう。また、宿泊すれば、入浴時間も5時〜24時とのび、他のサービスもゆったりと受けられるであろう。(H11.9.23)

 さて、以下は平成6年に訪れたときの旧鷹の子温泉のレポートである。
 松山の中心から外れていること、近くにユートピア温泉や伊予鉄健康ランドなどの新しい温泉施設ができたことで、かつての繁栄は感じられない。今の新しい鷹の子温泉のレポートの前にまずは、旧もやが立ちこめる早朝に行ったので特にそう感じたのかもしれない。朝風呂は、奥にある通常の入り口ではなく、中央の入り口から入って狭い通路を通って番台に向かうことになる。280円を番台のおばちゃんの前に置く。
 どんな大きな浴場かと期待してはいると、普通の銭湯みたいな脱衣場である。さらに浴室は、小さく、朝風呂を楽しむおじいちゃんでごった返している。広さも普通の銭湯と対してかわりがなく、ただ側壁のけばけばしいタイルや、奥の壁一面に描いてあるバランスの悪いごてごてした松山城によって、ここは少し違う場なんだと感じさせるのである。湯は温泉らしいぬるぬる感がある。脱衣場にはサウナの説明があるが、どこを探してもサウナらしいものはなかった。午前6時というのに、さばけたおじいちゃんが、脱衣場にも隣のロビーのようなところにもたむろして、よたっている。「兄ちゃん、ええ体してるのお。」と服を着ている背から声をかけられて、我れながら返答に困ってしまった。「さあ今日も1日生きるぞ。」というふうに、この温泉の出口から自転車や乳母車を押して散っていくおじいちゃんの姿を見て、1つ1つはごてごてして品のないように思えるこの温泉の良さが何かわかるような気がしてきた。


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