| TOTAL | 370.62km | CP-1 | 111.17km |
| NEUTRAL | 8.41km | CP-2 | 232.65km |
| SPECIAL | 350.00km | ||
| LIASON | 12.21km | MAX TIME | 13:00 |
| 今日は本大会唯一のループコースである。テントの撤収をしなくていいのが実にうれしい。 ルートはアルタイの最深部をたどる。 |
| 昨日帰ってくるときにFタイヤがぐにゃぐにゃなのに気がついてチェックしてみたらハ ーフムースのチューブがパンクしていたのでSSERで買ったミシュランのハードチュー ブに変えたのだがキャンプからスタート地点までのリエゾンで口金の首がちぎれてダメ になった。 予備のチューブは持っている(しかしこれもミシュラン製)し、炭酸ガスボンベも持っ ているのでFタイヤのチューブ交換くらいならさっとできる。スタート順位が後ろのほう ということでどうするか迷ったが万全を期してスタート直後にコントロールゾーンを過 ぎたところでチューブ交換をする事に決めた。でもFフェンダーブレースにガムテープで がちがちにかためてあるので取り出すのは大変だ。時間がない。しかも私にとってトラ ブル続きのミシュラン製。ふと後ろを見るとチームメイトの西川さんもフェンダーにチュー ブを付けているではないか。しかも簡単に取れそうだ。「ねぇ、西川さん、チューブくれな い?」「う、う〜ん。(しばし沈黙)いいよ。」悪いなぁとちょっと反省したが好意は生かさ なければな。 チューブ交換を始めた。スタートに集まっていたモンゴル人達が回りを取り囲んで大変 な騒ぎである。天候がもともとあやしかったのだが修理している間に雨が降ってきて最 悪のコンディションとなってしまった。 そのうち4輪のスタートも終わり追走のオフィシャルカーも出発してしまう。ようやく修 理も完了したが結局実質スタートは4輪よりも後になってしまった。 スタート直後は谷をまっすぐ登っていく。あいかわらずFまわりがあやしいがそんなこと は言っていられないので若干ペースをあげて途中何人か抜いていく。順位が後ろのほ うなせいか分岐で決心が付かずにうろうろしているエントラントを抜くシチュエーションが 多い。同じ抜くのでもしょぼいなぁ。まぁ、バトルをしてぶっちぎれるようなコンディション ではないし。(腕も。) ルートは高原っぽいものの小山が散在する中を縫っていく。そんなに僻地ではないらし い。コマ図にはちょっとした建物らしきものがときどき出現する。200kmちょいくらい行 ったところで街をかすめる。その後方にそびえる山脈の向こうは中国だという。 ピストは割に単調で山裾を淡々と走る。ときどき現れる建造物に石積みのものが多くな る。コマ図に「カザフ族の墓」などとあるから、今までとは違った民族の住む土地に入っ たのだろう。 また水没か?!滔々と流れる川出現240kmを過ぎてから涸れ川や小川が多くなりその何回目かの時,段差をくぐってある川 のほとりに出たとき「やられた!」と声が出た。 滔々と流れている。川幅は20mくらい。向こう側の河原には何台も水抜きをしている姿が 見える。諦めにも似た気持ちでバイクを停め、歩いて渡ってみることにした。入ってみてびっ くり。胸のすぐ下まで水位がある。流れもきつくともすると体を持って行かれそうになる。ほう ほうの体で対岸にあがると旭田さんや西川さんらのチームメイトがいる。水抜きはもう終了し て一服、旭田さんはやれやれといった感じでランチパックを喰っていた。吉川君もいて600 の再始動に手間取っている。10人近くいるだろうか。聞くとエンジンを止めて3人くらいで押 さないととても無理らしい。旭田さん が「いやぁ、もうバイクが浮いて浮いて押し流されそうで体を乗せかけて車体を沈めないとど うにもならんかったよ。」 とにこにこしながら言う。 また水抜きだなと観念して手近の3人グループで協力体制を組む。これで本大会2度 目の水没か。バイクを入れてみると確かに流れに押し流されそうだし車体が浮いてきて 抑えが効かない。 大変だったがなんとかかんとか向こう岸にたどり着いた。バイクを水から上げると濡れ たウェアを脱いでさっそくばらし始める。エアクリーナーは水浸し。絞って乾かす。キャブ も水を抜いた。 この時組ドライバーの柄が短く先が届かないためドレンのマイナスネジの頭を舐めて しまった。諦めてジェット交換用の底蓋をはずす。 今度はマフラー。前回の経験から相当水が入っているんだろうなと思っていたら意外。 殆ど水がない。次にイグゾースト。あれぇっ,これも乾いている。 そのときまた1台向こう岸にバイクが現れた。歩いて渡ってきて「手伝って下さいよ。」 という。しゃぁない。お互い様だ。半乾きになったウェアをまた濡らしながら川の中を押 す。 そのとき私はバイクの尻を押していたのだが、マフラーを見ているとなんとぎりぎり水に 浸かっていない。そうか!400も水は中に入っていないかもしれない。あわてて全部組 み直してデコンプを使いながらおそるおそるクランクを回してみるとエンジンが軽い。それ じゃぁとキックしてみるが掛かりかけたと思ったら止まる。何度も繰り返していると吉川君 がやってきて「アクセルでエンジン回転を保とうとするとエンストしちゃうからこういうときは アイドリングを上げる様にした方がいいですよ。」と教えてくれた。そのとおりすると,ほん の10回くらいのキックでエンジンが息を吹き返した。 作業の途中、SSERのメガクルーザーが登場した。こんな深いところ来れるのかと皆 息をのんで見つめる中、さすが自衛隊御用達,いとも簡単に渡りきってしまう。さてなん とかアフリカツインが来るまでに出発したい。あれの川渡りの手伝いは嫌だ。お先に失 礼するぜ! ちょうど同じ頃にここを出ることになった京都の中村さんと一緒に走る。すぐ後ろを走る がどうも私はライディングがそうとうダメらしい。オーバーランをしょっちゅうしてぼろぼろに なり休憩することにした。エンジンがアイドリングになったときふと「えらくアイドリングの回 転が高いな。」と感じた。そうだ!あの河原でアイドリングを上げたままだった。何でもとに 戻すのを忘れたんだろうとぼやきながら元に戻すと今度はすこぶる快調に走れるようにな った。 標高3000mの別天地道はどんどん荒れて狭い谷筋を上がっていく。岩だらけの歩くのも嫌になりそうな所で ある。ときおりとんでもないところにゲルが2〜3軒固まって建っている。いったい何でこ んな所に住むのだろう。そう思いながら進む内、かなり標高の高いところに来た。ここら 辺はこれまで走ってきたところと違って広い高原になっている。遊牧民の飼っているヤク 牛や羊が遠くに散らばってその間をモンゴル人の女の人が大きなかごを持ってなにやら 拾って歩いている。どうやら家畜の糞を集めているらしい。 さらに行くとこんどは峠に出た。ここら辺も高原になっているが牛や人の影すら見えな い。別天地である。 峠のオボーの傍らに#4中村さんが立っていた。「一服しましょう。」エンジンを止める と本当に何の音もしない静けさが広がる。「ここに来たかったんだ。これだけで満足です」 と中村さんがいう。コマ図には「峠、OVER3000m」とだけ記述があった。おそらくここ が今大会での最高地点になるのだろう。 後60km。山を下る道はさほど険しくもなく,そのまますんなりとホブドのキャンプに帰 ることが出来た。テントはそのままだったので設営の手間が要らない。おかげで時間的 にも今日は余裕があり、日没までの短い間ではあったがキャンプでゆっくりすることがで きた。 |