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=== Chapter VI ===
No choice, I had to do it.
 4月9日、いよいよ一人っきり、孤立無援の講習の日がやってきた。実際は前からいるダンサーにいろいろ助けてもらったし、あられちゃんにもコールをお願いしていたから“孤立無援”ってわけじゃなかったんだけどね。でも、やっぱりちゃっくもおさむちゃんもいないってのはドッキドキですよ。ただ、もし私が講習をやるとしたら、初めてやる時にこの二人がいたら何となく気恥ずかしくて余計に緊張しちゃったかもしれない。それに普段は思うことがあってもあまり言わないダンサー達(私を含め)が今回はいろいろ言ったりやったりしてくれたのは、二人がいなかったから&コーラーである私が頼りなかったから。そういうこともいいことだと思うし、結果的にはとってもいい機会になったと思う。(最初はどうしようかと思ったけど)

 さて、少し時間を巻き戻して準備期間の話をしよう。次回は2人ともいない。「のりぴ、やれ」という話になったのが3月の2回目の例会の時。それからちょうど2週間。仕事は期末でとっても忙しかったんだけど、ほとんどすべての自由な時間をこれに注ぎ込んだかもしれない。そうは言っても、最初はTeaching Orderを決めていなかったので、2週間フルにバリバリと準備ができたわけではない。最初は簡単なコール、基本的なコールを使っていくつかシークエンスを考えていたんだけど、途中からちゃっくと相談して4か月講習のTeaching Orderを綿密に決めたので、今まで作ったコールは捨てて、新たに準備を始めました。

 今回の講習内容はベーシックが26個+バリエーションが1つで27個。MSも後で一気に教えるんじゃなくて、最初から徐々に入れていこうということで、今回は5個入れました。だから合計32個を2時間でこなさなくちゃいけなくて、結構時間配分がきつかった。
 今回教える32個のコールをCallerlabのTeaching Orderにあわせてソートして、上から順に教えることにした。4つのブロックにわけて講習内容を考えて、1ブロック毎に練習用のシークエンスを8個くらい準備した。最初の予定では講習して、練習シークエンスをHead/Sideで2回繰り返して、さらにあられちゃんにサイトでさらっと1チップやってもらうつもりだった。が、現実はそうはいかなかった。

 まあ、ちょっと考えればそれだけ全部やるのは無理だってわかるよね。だから私も「練習シークエンスは2回できないな」とか、「あられちゃんのコールは最初のブロックでは省こう」とか、いろいろ考えていたんだけど、人の集まりが遅くて実質1時間半しかなかったことや、人が少ない(ダンサーは9人)上に、講習+練習コールをすると結構長時間立っていることになるので、休憩をしっかり取らざるを得なかったこと、私の予定していた以上に繰り返しコールを動いてみたいという要求がダンサーから出た、などの理由からかなり時間がきつくなった。

 MSの5つのコールをやる最後のブロックを始める時は既に時計は8時45分を指していた。「15分で5つかぁ。じゃあ、1コールあたり3分でやりますね」とダンサーを急き立て、何とかラストブロックの練習コールまで全部やってちょうど9時。よくできました〜、パチパチパチ!って感じ。

 やってみての自己評価。きちんと準備してきたので結構満足してます。わかりやすかったかどうか、ダンサーにちゃんと聞いてないんだけど(こわくて…)、自分としてはちゃっくより丁寧で、おさむちゃんよりはわかりやすい講習ができたと思っています。(^_^;)
 それは今までの一年間で彼らの講習を見ていて思ったことを反映させたから。まず、ちゃっく。サイトでガンガンやるからまだ教えてないコールも口をついて出てしまったりするわけだ。笑い話として残っているのが、“Double Pass Thru”とコールしちゃってから慌てて「全部通り過ぎてください」とダンサーを動かしておいて「これがdouble pass thruです」、以上。みたいな講習を結構やっていたのでした。それとか、「今日はプラスのリストの半分をやろう」と打ち合わせたにも関わらず、調子に乗って全部やっちゃったり、とにかく大雑把。ここはそれでいいってところもあるけど、「速すぎる!」と音をあげた人も多かったからね。

 そしておさむちゃん。おさむちゃんの講習はチャレメでもそうだけど、ひとつのコールを教える時にそのコールにまつわるすべてを一気に語ろうとしてしまうから情報が多すぎるのよね。歴史からかかるフォーメーションのバリエーション(滅多にかからないようなフォーメーションも含めて)からトラフィックから問題になっている点まですべて。上のレベルではそういうのもありかもしれないけど、チャレメでもみんな飽和状態になってたし、増しては初めてスクエアダンスってものに触れる人達にそこまで言ってもしょうがないと常々思っていたわけだ。そういう意味ではちゃっくとおさむちゃんを足して2で割るとちょうどいいかな、って感じ。

 それから、前回のビギナーから出たクレームで、いきなり説明に入って、説明が終わってからコールの名前が言われると動きと名前が結び付きにくいという話があり、実際にこれをよくやるのがおさむちゃんでした。しかも、どこからがコールの説明なのか、それともコールをやるための体形作りのための動きなのかがよくわからない時もあったので、これを反省し(Club CYNOSのスタッフの一員としてね)、今回は必ず「これからこれを説明します」と前置きをしてやるようにしました。

 バリエーションについては、Teaching Orderを作る際にいろいろ検討したんだけど、“若者相手なんだからガンガンやろう”という思想から一歩引いて、そうは言っても1回の講習量は多いし、みんな毎回出れるわけじゃないし、最初は体で覚えることが大事。ひとつひとつきちんと覚えていってもらおう、的な思想でなるべく一つのコールを分割して別の日にバリエーションを講習することにしました(コーラーは少し面倒になるけど)。だからと言って、「これはここからしかかからない」とは思い込んで欲しくないので、一応「これがかかる形は2つあります。が、今日はこれだけしかやりません」という断りをして教えました。

 あとは何だろうな。気を付けたことと言えば、“体で覚える”を重視したことかな。Courtesy Turn, Swing, Tradeなどの動きは何度も練習した。それからコールがリストの表記と違う言い方でコールされる場合についても補足した。例えば「Arm Turn」は「Arm Turn」とコールされることはなく、「Turn your partner by the right」といった使われ方をする、など。

 あまり余計な説明はしないように心掛けたけど、理解して覚えると覚えやすいので、少し踏み込んだ説明もした。フォーメーションの名称も結構教えたし、“何人コール”という考え方も説明した。例えばPass Thruは「Heads Pass Thru」のように向かい合ったカップルにかけられることが多いけど、最少単位は“向かい合った2人のダンサー”であることを説明。Star ThruやCalifornia Twirlは男女の位置が重要で、その組み合わせが違うところからはかからないけど、Slide Thruは“手を使わないStar Thru”であるとはいえ、“手を使わない”が故に男性同士や女性同士でも可能であることを付け加えた。それからパート分けについてもちょっとだけ話をした。ここではまだ長いコールはあんまりないけど、Dive Thruの説明の時にCenterが作ったArchをくぐっってEndsとCenterの位置を入れ替えるまでが1パートで、Endsに出た人は2パート目としてCalifornia Twirlをやる。Centerは何もしないわけだけど、ここでは「待つ」が2パート目であるという話をしました。

 Dive Thruと言えば、「コールは“Dive Thru”ですが、実際には“Centers arch, Dive Thru”という風にコールされます」と説明した時にダンサーから「“Centers Arch”と言われないこともあるんですか?」とか、「別の人がarchするように指示されることがあるんですか?」という疑問が出て、最初の質問は肯定。2番目の質問は否定しようと思ったら、あられちゃんから「“Ends arch, Dive Thru”もあるよ。その時は中に入った人がCalifornia Twirlをやるんだよ」と指摘され、「へ?」と思ってしまいました。確かに資料を調べると誰がarchをしてもいいことになっていた。これはまったく知らなかった。HPのアニメを作った時に、一通り定義をチェックしたつもりだったんだけど、チェックもれか忘れてしまったかのどちらかだろうな。いずれにしろ、新鮮なご指摘でした。
 チャレンジだけ踊っているとそもそもDive Thruを踊る機会って滅多にないのよね。だから最近まで私はDive Thruのデフォルトは「Centers Arch」であることをちゃんと認識しておらず、たま〜〜〜にかかると誰がArchするのか? 誰がCalifornia Twirlをやるのか? があやふやでした。すみません。ちゃんと調べてから講習しなきゃいけなかったね。

 説明に困ったコールは、最近リストに入った「First Couple Go Left, Next Couple Go Right」です。“説明が難しい”という認識がなくて、ちゃんと準備してなかったもんだから、「前のカップルは左に行けと指示されたので、左に行くのですが、その時にそのまま左に行くのではなく、振り返りながら行きます」というような説明をしたら、ゆみぴが「振り返りながら...」とつぶやき、首だけ振り返って動いていたので(もちろん冗談です)、「げっ!」と思った。それはゆみぴからの「その説明、わかりにくいよ」という指摘だったんだけど、じゃあどう言ったらいいんだ、ってのが思いつきませんでした。Wheel Aroundを先に教えていればやりやすかったのかもね。いずれにしろ、既存のコールで説明できるレベルはいいなぁ、と感じました。素人相手にSDを説明するのは難しい!

 今回はとにかく間違ったことを教えない。わかりやすく説明する。時間内でノルマをこなす(!)。など、優先順位の高い課題が多かったので、コール技術については二の次にしちゃったのですが、一応、最初に「リズムに乗って歩くことを心掛けてください」とダンサーに要求してしまった手前、私がリズム感のないコールをしちゃいけないな、ということだけは考えていました。実際にちゃんとできたかどうかはよくわかりません。練習コールの時は、講習の間、静かに鳴らしていた音楽のボリュームをぐっと上げ、一応リズミカルに、を心掛けましたが...。途中、セットの半分がグズグズと壊れかかる場面もありましたが、続けてコールしちゃいたいところはしちゃって、その後に待つことにしました。

 それから、“コールを読む”ことの難しさを感じました。講習の時は手のひらサイズのメモを見ながらやっていたし、ひとつひとつの動きをゆっくりやっていたのであまり問題がなかったんだけど、練習チップをリズミカルにコールしようと思うとなかなか難しいのよね。ダンサーの方に視線をやっちゃうと、どこまでコールしたのかがすぐにわからなくなる。ちょっとゴチャゴチャした時なんかは文字を見失うだけじゃなくて、「今、何やったんだっけ」状態になっちゃう。今までコーラーを見ていて頭ではわかっていたことを実感した、って感じでした。だから、途中からは紙から目を離さず、ダンサーは気配だけで見るようにしました。後からちゃっくに「だからちゃんと指で追うんだよ」と言われたけど、「だってマイク持ってるんだもん」と言ったら、「もう一つの手で」と言われたから、「だって紙を持ってるんだもん」と返しておきました。やっぱり台が欲しいね、コーラーには。

 長くなったけど、もうひとつだけ。第一期生の講習はちゃっくとおさむちゃんが全部やって、プラスに入った頃に私がMSの踊り込みコールを1回だけやったんだけど、その時はみんな私のコールが聞けなかった。声の質も違うし、まあ、慣れてないって事が一番なのかもしれないけど、「発音が“英語すぎる”」という指摘がありました。じゃあ、カタカナでコールすべきなのか? とちょっと悩んだけど、多少聞き易さを優先して英語らしさを消すべき部分はあるのかもしれないけど、基本的には“英語”でコールすることにしました。

 普段、みんなとコールの話をする時は私もカタカナ発音になっているので、コールを英語で発音する事自体、本当は慣れていなくって、だからうまく言えなかったりもするんだけど、進むべき方向としてはダンサーは英語の発音に慣れ、コーラーはなるべく自分の発音を英語に近付けて直していく方がいいと思っているので、そういう方針にしました。で、結果としては、私の講習だったからか、みんなちゃんと動きました。ところどころ別のコールと混同される場面もあったけど、それは必ずしも私じゃなくても起きることだと思ったから、おおむね合格だと自分では判断しています。というか、動いてくれてとっても嬉しかった!

 そんなところで今回のコーラー日記は終わりにしましょう。これか後3ブロックの講習があるわけだけど、今の意気込みとしては各ブロックの初回の講習は引き続き私がやろうかな、と。勉強になるしね。そんなわけで、コーラー日記も定期的に書けることと思います。乞うご期待。(^_^)   (99/04/09)


  


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