"All Aboard!"

ジョン・デンバー
新譜情報

"All Aboard!"


米Sony Wonderより発売中!!(LK63412、日本発売未定)

<曲目>
1.Jenny Dreamed Of Trains
2.Freight Train Boogie/Choo Choo Ch'Boogie (Medley)
3.Steel Rails
4.Waiting For A Train
5.I've Been Working On The Railroad
6.On The Atchison, Topeka And The Santa Fe
7.Old Train
8.Daddy, What's A Train?
9.The Little Engine That Could
10.Last Train Done Gone Down
11.Last Hobo
12.People Get Ready
13.Lining Track
14.City Of New Orleans
15.Jesse Dreamed Of Trains (Not listed.)

Musicians:
Vocals-John Denver
Guitar,Banjo-John Denver
Guitar,Mandolin,Harmonica-Pete Huttlinger
Piano,Organ,Accordion-Chris Nole
Bass-Alan Deremo
Drums,Percussion-Michito Sanchez
Banjo,Background Vocals-Herb Pedersen
Fiddle-Gabe Witcher
Dobro-Leroy MacNees

Background Vocals:
Herb Pedersen
Denny Brooks
Elizabeth Lamers

Produced by Roger Nichols, Kris O'Connor and John Denver

 結果的にジョンの生前最後のアルバムになってしまった"All Aboard!"は、97年5月、米国内の小ツアーの合間を縫ってBurbankのEncore Studioで録音され、3カ月後の8月26日にアメリカ発売されました(日本発売の予定はなし)。今回のアルバムは、ソニーがジョンに持ちかけた企画で、汽車をテーマにした新旧の歌をカバーしたもので、Sony Wonderというファミリー向けのレーベルからの発売です。
 さて内容ですが、久々にジョン流カントリーを満喫という感じです。 ジョンのオリジナル曲が一曲も入っていないのはがっかりですが、こうした企画版だと普段のジョンのアルバムでは聴けないようなスタイルの音楽もやってくれるので歓迎です。先にも書きましたが、ここまでカントリー色の濃いジョンというのも久しぶりですし、ヨーデル(4曲目)など聞かせてくれるのは一体何年ぶりのことでしょうか。13曲目のアカペラも、今までにない意外な趣向です。感傷的に歌い上げる12曲目も泣かせてくれます。しかし、極めつけは1曲目の"Jenny Dreamed Of Trains"の替え歌版の15曲目"Jesse Dreamed Of Trains"。もちろん、愛娘ジェシー・ベルちゃんのために歌っています。ほのぼのとしたこのアルバムのエンディングにはもってこいですね。
 今回はオーケストラがバックに付いていない分(?)、コーラスに力を入れているようですが、デザート・ローズ・バンドのハーブ・ペターゼンをはじめ、デニー・ブルックス、エリザベス・ラマーといった、’80年代のジョンのレコーディング及びライブでお馴染みの面々が戻ってきたのも長年のファンには懐かしいところです。バックバンドとの息も合い、ジェームズ・バートンやジム・ホーンら凄腕ミュージシャンと組んでいた頃に比べて、地味ながらも自然体でしっくりきます。
 ところで、長年のJDファンだったら、今回のアルバムに入っている"City Of New Orleans"の後半の歌詞が、アルバム『Aerie(友への誓い)』に収録のバージョンと違っているのに気づくでしょう。"City Of New Orleans"はもともとSteve Goodmanが’71年に書き、Arlo Cuthrieの歌でヒットした曲でしたが、ジョンはカバーする際に一部を自分で書き換えて歌っていたのです。書き換えるにあたって、ジョンはSteve Goodmanと長時間打ち合わせたのだそうですが、結局出来上がったものに満足がいかなかったのだそうです。そんなわけで、今回のアルバムではSteve Goodmanのオリジナル通りに歌っています。

以下はこのアルバムについてのジョンのコメントです。(ソニーのプレス・シートより)

"As I got into this album. I saw the opportunity to do some things I wouldn't ordinarliy do musically. I could stretch out a little bit. Most of the songs I've recorded over all these years have been songs I've written myself. This is the first time I've really done a project that uses other people's music. To find the songs that work for you and then to make them your own has been a lot of fun for me. The whole idea of train songs is such a rich thing to me that I wanted to make sure it was for the whole family," says John. "But then, it's certainly true that I think of all of my albums as family music albums. I've always made sure to include songs that are for everybody."

 実はジョンはこのアルバムのために"The Song Of The West"という曲を書いていたのですが、ツアーなどで忙しくレコーディングまでに完成することが出来なかったのだそうです。残念!
 そんなわけで、ジョンのオリジナル曲こそありませんが、親子そろって楽しんでほしいとの願いのこもったジョン・デンバー最後のアルバム、ぜひ一家に一枚置いていただきたいものです。残念ながら日本発売は今のところ未定。数が出回っていないので輸入盤屋さんでもなかなか手に入らないかもしれません。CDnowなどインターネットの通販サイトなら確実に手に入れることが出来ます。

メール下さい nisenora@ari.bekkoame.or.jpまで。
『バックホームアゲイン』