DSの特徴など

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DS/IDのバリエーションと略歴

グレード 生産年度 排気量 タイプ
DS19 1955-1968 1911-1985cc Sallon,Decapotable(from 1960)
DS20 1968-1969 1985cc Sallon,Decapotable
DS21 1965-1972 2175cc Sallon,Decapotable(to mid 1971)
DS21 Inj 1969-1972 2175ccFuelInj Sallon,Decapotable(to mid 1971)
DS23 1972-1975 2347cc Sallon,Safari
DS23 Inj 1972-1975 2347ccFuelInj Sallon
ID19 1957-1969 1911cc Sallon,Safari
ID20 1968-1969 1985cc Sallon,Safari,Estate
ID21 1965-1972 2175cc Safari
D Special 1969-1975 1985cc Sallon
D Super 1969-1975 1985cc Sallon
D Super 5 1972-1975 2175cc Sallon

各部寸法、重量

項目 数値(単位) 備考
全長 4.87m
全幅 1.80m
全高 1.47m
軸間距離 3.13m
トレッド前 1520mm
トレッド後 1320mm
タイヤサイズ前 185-15 michelin-XAS
タイヤサイズ後 165-15 michelin-XAS
重量 1360kg

エンジン

項目 数値(単位) 備考
排気量 2347cc DX4
形式 直列4気筒OHV クロスフロー
ボア・ストローク φ93.5x85.5mm
圧縮比 8.75/1
キャブレタ 28/36DMA4 webber
吸気バルブ φ49
排気バルブ φ39
点火時期 BTDC-6°1cyl 機関停止時
ポイント隙間 0.4〜0.5
点火順 1-3-4-2

トランスミッション

項目 数値 備考
クラッチ 乾式単板 ダイアフラム式
1速 0.3076 8.734km/h−1000rpm
2速 0.5151 14.62km/h−1000rpm
3速 0.7567 21.48km/h−1000rpm
4速 1.0312 29.48km/h−1000rpm
5速 1.2758 36.22km/h−1000rpm
後退 0.3170 9.001km/h−1000rpm

性能 DS23Carb(DX4)

項目 数値 備考
最大出力 124bhp/5500rpm (13CV) SAE
最大トルク 19.1kg*m/4000rpm

外見の特徴


1967年以降のDSで最も特徴的な部分はフロントのスイベル式のコーナリングランプでしょう、ステアリングに連動して行き先を照らしてくれます。

機構的には、極めて簡単、ステアリングリンケージからロッドとクランク、ワイヤという構成です。

SMはなにやらこれも油圧で動かしているらしい、実に脅迫観念の結晶である。


ハイマウントされたリアウインカです、いまでは珍しくありませんがこれが1955年に出現したときはけっこう目立つものだったのでしょうね。

しかし、私も見覚えがあるのですが昔、アポロ?という飛び出し式の方向指示器もあったのですから案外普通に受入られたのかもしれません。

実に巧妙なデザインであります。


上の二枚の写真左は普通の状態、右はトランクを開けた状態なのですが、後方視界がさほど変化していないのがわかります、これって偶然ではなく意図したものなのだそうです。


DSとプラスチックの係わり2002/Aug/

現在の自動車には多くのプラスチックが使用されています、言い方を変えるとプラスチック無しには自動車を現在のコストで現在の台数を生産することは不可能とも言えると思います。

実際的にシトロエンはプラスチックの使用に関して、進歩的であったのです。

DSが発表されたのが1955年、この当時クーリングファンをプラスチック(ナイロン11)で製作していた車は殆ど無く、鉄、アルミニウム製でした。

また各部ハイドロニューマチックの配管も高圧配管は鋼管ですが低圧の戻り配管は、乳白色のチューブ、これがナイロン11リルサンチューブです。

これは現在のハイドロ車にも連綿と使われています。

このように、内装、電装、燃料系の随所にナイロン11リルサンが使われています

この樹脂はナイロンの仲間でも、衣服に使われる6、66系とは違い水分の影響を殆ど受け

無いので、寸法安定性に優れたものです。(1976年ころの樹脂メーカのカタログより

抜粋)

次にこの原料メーカカタログの前書きの一部を紹介します。

自動車に初めてプラスチックが材料が用いられたのは第二次世界大戦後のことである。(この記述には反論がある、戦前でもベークライト等熱硬化性のプラスチックは機能部品にも使われていた)この時期にはその殆ど熱硬化性のものでしめられていた。この状態に変化がおこり自動車の分野で熱可塑性樹脂が用いられるようになるには長い年月を要した。しかしそれでもこの材料は内装用又は装飾用部品に用いられていたにすぎない。機能部品は常に金属材料を念頭において設計され、プラスチック材料はただ単なる金属材料の代用としてたまたま偶然に用いられただけであり、無論多くの失敗もひきおこした。今日、熱可塑性材料は”無経験”という状況を克服し、自動車産業の研究陣はその独自な技術による機能部品用材料として研究を続けている。(中略)

プラスチック材料利用の利点は-低価格、(この記述にも反論、少量生産の場合逆に板金、ハンドレイアップのFRPの方が低価格であろう)-軽量-、優れた耐食性、-部品の仕上げ加工不要、-部品の再利用が簡単、-などが列記可能である。


イージードライブの夜明け(シトロマチック以前)

昔,自動車の運転は、熟練しなければ出来ないものでした。

今でこそ マニュアルギヤボックスの場合でも、クラッチさえ切ればシフトアップ・ダウンなどいとも簡単にできますがそれはシンクロ装置のおかげ、このシンクロも初期の自動車にはまだ搭載されていませんから、シフトダウン時にはダブルクラッチなどのテクニックが必要です。

その1コタル電磁セミオートギヤボックス Delahaye135M

これはフランスのドライエ(ドラヘイ)に搭載のコタル製の電磁クラッチ式4速セミオートギヤボックスです

 

このギヤボックスは遊星ギヤを採用。

操作は発進のみクラッチ操作が必要ですが、後はハンドル横のシフトレバーを操作すると変速が可能、もっとも難しい

シフトダウン時のダブルクラッチの必要がありません。

<Special thanks Mr F.Ohoka>


黎明期の前輪駆動車03/July/11

今でこそ、とても身近なFF(フロントエンジンフロント駆動)ですが、操舵と駆動を前輪で行うので

その機構は意外に複雑です、ここではトラクションアバン以前の前輪駆動車を紹介していきます。

その1、1929年アルビスFWD

アルビスFWDは資料によれば1928年から1930年まで生産されたモデル。

概略;チェーン駆動のOHC4気筒1500ccそして8気筒。*Alvis(1920〜1967)

後輪はリーディングアームアクスル、従って4輪独立懸架ということになります。

上左、前方から 上中、フロントアームはダブルウィッシュリーフ?上右、ドライブシャフト近影、ジョイントはまだこの時代等速ではありません。ホイールは定番のラッジ。下左、ラジエタの下に見えるのがインボードのドラムブレーキ。下右、過給器付きOHCエンジン


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