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DSのエンジンの内部


個体:5ベアリングのID20 12年間御不動さまでした。

注)ここで紹介するリペア方針の決定及び実作業、撮影は筆者によるものでは無く

シトロエン愛好家のMさんによるものです、従いまして作業の模様や構造形態を

紹介するのみであり、作業の結果について言及するものではありません。(筆者)

2004/Dec


クランクが回らない:

押しても引いても、クランクは回りません、しかもクラッチも張り付き、ベルト類も全て、プーリーに張り付いていたので、まずはシリンダヘッドを外してもいました。

シリンダ内壁に目立った傷、焼き付きの跡は認められませんが 少しピストンヘッドが白く腐食してます。


エンジン+ギヤボックスを降ろす:

再びシリンダヘッドを取り付けて、実はヘッドに釣り下げ用のフックが付いているので降ろす時はヘッドを取り付ける必要があります。

こういった、重作業を行う場合、ボンネットを直立させる金具を製作しておくと、非常に作業し易くなります。


オイルサンプ:

オイルサンプはアルミ製で中ほどに隔壁が設けられています、しかもドレンボルト穴は隔壁の中央に位置しているので、オイルは全量排出することが出来ます。

オイル交換を自分でやると解りますが、オイルの抜き終わり近くなるとオイルの落ちる筋が前後2筋になるのは、この構造のためだったんですね。


クランクシャフト+フライホイル:

ピストンが動かないので、クランクを先に抜きました。

カウンタウエイトがしっかりと付いてます。


ピストン・コンロッド:

まずはピストンとコンロッドですが、デザイン的に実に古いデザインでして、ピストンピン上の高さがピン下よりも高いほどで、まあトラクションアヴァンからの遺産ですので、致し方ないことなのでしょう。

現代のデザインでは ピン上を短くすることによって、動的なバランスをとっています。

また、この状態でスリーブ内で膠着していました。


エンジンブロック

殆どバレテ、台車に乗っていますが、もともとは緑色に塗られたブロックで、左側のチェンはタイミング用で 車載状態での調整はまず無理そうです、海外ではバルクヘッドにサービスホールを開けた例もあるようです。

あと簡単な説明としては 形式的にはウエットライナ方式の鋳鉄ブロック、クランクは5ベアリングとなっております。


フライホイル:

この年式では、クラッチはコイルスプリングを円周上に配置しています、この後は現代的なダイヤフラム式に進化しています

この状態ではまだ クラッチは張り付いたままですが、分解時にはクラッチ板はまだ充分使用可能な状態でした。


オイルポンプ:

写真が暗いですが アルミ製の丸型の突起がオイルポンプというか、エレメントのスペースですポンプそのものは、この上に位置してます。

このエンジン、ブロックとオイルサンプの合わせ目はガスケットを入れていません、実際加工もかなり精密に出来てます。

オイルサンプの取り付けネジがフライホイルの部分などにあり、気がつかないとちょっと、分解が辛くなることもありそうです。

このエンジンはCXの基本となっているのでしょうから、転用なども可能なんでしょうか?


シリンダヘッド:

左上:取り外したヘッドユニット、カーボンだらけです。

右上:内燃機屋さんから帰ってきた同じヘッド、キレイになりました、ヘッドのひずみが0.5ミリほどあったそうなので面研磨をやってもらいました。


バルブ回り:

バルブ回りもキレイになりました、内容はバルブ研磨、フェースカット、シートの擦りあわせ、ステムシールの交換等を実施しました。


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