世界の螺子規格の変遷

ここでは主要三角山形螺子の歴史を国別に紹介していきます。


序文

ネジの起源(原型)は巻貝を模したものであるとも、つる草の巻付く様とも言われています。

人工的な物としては紀元前250年ころアルキメデスの水揚げポンプや

紀元前100年ころにはネジの送りを利用した万力を使用してオリーブオイルを

絞る技術も出て来たと言われている。

締結用としてのネジ利用はその後15世紀になって甲冑の一部やレオナルドダビンチの

スケッチにネジ加工の原理が残されている。


イギリス
ウイットネジ
1841年イギリス人ウイットウォース(Joseph Whitworth)が提案したねじの形式で、
ウイットねじの始まり、そして史上初めてのねじ規格である。
1882年と1895年にBSW(British standard Whitworth screw threads)制定
1907年に細目系列のBSF(British standard Whitworth fine screw threads)が追加された
その後1962年にISOインチねじ(ISO inch screw threads)の誕生によって国際規格としての
資格を失い、1965年イギリス当局はついにBAねじ、ウイットねじを廃止する宣言を行うに
至った。

BAねじ1905年、1914年にイギリスのねじ規格となったねじの形式でねじ山の角度が
47度30分 時計、電信機、その他精密機械に用いられた。
BSCY 自転車ねじ基本山形は60度 ねじピッチは26TPIを中心に構成されている

BSCYドリルサイズ

イギリスインチ用スパナ寸法


アメリカ
アメリカねじ
1864年にアメリカ人セラース(William Sellers)がウイットねじを改良したねじの形式を
Franklin学会に発表したもので これはセラースねじ(sellers screw threads)と呼ばれたが、
1868年にアメリカ規格として正式に採用され USねじ(Uunaited states standard screw thread)
と改称された。

ASMEねじ
アメリカ機械学会(American Society of Mchanical Engineers)が1905,1907年に制定した機械に使用する
目的でもので 並目と細目の二系列から成り立ち 直径を番号で呼ぶものである、この番号は後の
ユニファイネジを番号で呼ぶナンバーサイズねじの起源と言われる。

SAEねじ
1918年 アメリカ自動車技術会(Society of Automotive Engineers)がUSねじと基本山形が同じで
より細目のねじ二系列を発表したこれが SAEねじである。

その後1933年からアメリカ規格協会(American Standrd Association)が以上のねじ規格を整理して
NCねじ(American national coarse screw threads)
NFねじ(American national fine screw threads)
NEFねじ(American national extra fine screw threads)
及び8N,12N、16Nねじなどを発表し1938年からそれまでの
USねじ、ASMEねじ、SAEねじに替わって用いることになった。

ユニファイねじ
アメリカ、イギリス、カナダの三国が軍需品の互換性をはかる目的で制定された
規格は1945年に出来たが調印は1948年となったそして 正式な国際規格としての
発表は1962年のことであった ISOインチねじ(ISO inch screw threads)

UNF UNC


ドイツ
レーベンヘルツねじ
1890年精密機械工業で使用するために 山角度53度8分、直径1〜10mmのねじ規格が
出来たが 間もなくメートルねじ(SIねじ)に置き換えられ、現在はDIN規格からも
廃止されている


フランス
1894年に制定されたSFねじ(system Franch screw threads)が 現在のメートルねじの
原型で、1898年フランス、スイス、ドイツの代表がチューリッヒにて会合して制定された
ものがSIねじ(system international screw threads)となり国際性を持ち始めた。
そして1940年、ISA(International Federation of National Standardizing Associations)は
チェコ・スロバキア、デンマーク、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、スイス、
旧ソ連、フィンランド及びスウェーデンの同意を得て、メートルねじの並目、細目の全系列を
ISAメートルねじとして発表した。
しかし第二次世界大戦の勃発によってその発展は中断を余儀なくされた。
戦後ISAに代り国際標準化事業を行うために設立されたISO(International Standerd Orgnization)
がISAメートルねじを再検討し1962年にISOメートルねじ(ISO metric screw threads)を制定発表
した。


日本


主要ネジの基本山形


参考文献:養賢堂,ねじ締結の理論と計算,山本晃著 1971年2版

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