メートルが最初に制定されたのは1795年フランス.
定義としては,地球子午線(経線)1/1,000万の長さを1mとした.

その後,1875年国際的にメートル条約ができ、白金99%、イリジウム1%の合金でメートル原器が作られ,原器はパリ国際度量衡局に保管し,ほとんど同じ副原器を各国が保管することとなった。当然,日本にもある.
しかし原器には、破損、変形などの永久不変の問題、精度の問題があり,「外からなんら影響を受けていない静止した同一種の原子の出す光の波長は定まっている」という考えに基づき、光の波長を基準にする提案がなされた.
しかしこれも、電気的影響を受けないこと、ドップラー効果により他の波長と混合しないなどの制約から,純粋に波長が一定した光が得られなかった.
その後研究により,Kr(クリプトロン)質量数86が理想的に近い光が得られやすいことがわかり,1960年10月14日国際度量衡総会でこれを採用することが決定された.我が国では,1961年7月1日に政令で定められた.

その後,原子秒を利用する時間測定の方が光波を利用する長さ測定より高い測定精度を持っていることがわかったなどにより,1986年10月20日第17回国際度量衡総会において,

「メートルは,1秒の1/299792458の時間に光が真空中を伝わる行程の長さとする」

という決議が成立し,現在これが使用されている.

参考文献:基礎物理学(上)
金原寿郎著