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スペシャルレポート

MAC WORLD Expo/Tokyo'98特集


今年で第8回目を迎える、アップルコンピュータ・マッキントッシュの、年に1度の国内最大のお祭りであるMAC WORLD Expo/Tokyo'98が、1997年2月18〜21日まで幕張メッセで開催された。95年を境に、売り上げとシェアを落とし続けながらも、Steve Jobs暫定CEOのもとで98年第一四半期(97年10-12月期)に1年ぶりに黒字転換(4,700万ドルの利益)するなど、再生・復活へのを道を着実に歩んでいるようだ。日本でのマックの人気は米国に次いで高いとはいえ、国内でのシェアも落ち始めており、アップルジャパンには踏ん張りを見せてほしいところではある。

それはさておき、昨年のExpoは出展数315社、来場者数18万3,214人であったが、今回も昨年同様の来場者数18万人を見込んでいるとのこと。しかし、今回のエキスポの展示規模は、ホール4〜8を使った昨年に比べて、ホール4〜6へと縮小し、恒例の安売りショップも減少するなど、18万人を達成できるかどうかは微妙なところだ。なお、初日にしては、会場がにぎわっていたことを付け加えておく。
今回の特集では、「会場レポート」と「基調講演レポート」の2本立てでお送りする。ミッチ・マンディッチ氏による基調講演では、Microsoftのベン・ウォルドマン氏やマクロメディア社長の手嶋雅夫氏を招いての、1時間半に及ぶ長い講演となり、その中では、オンラインストアでのBTOサービスなどを「1997年5月には日本やアジア、欧州でも展開したい」という重要な発表があった。ただし、新G3マックやアレグロ、ラプソディなどの発表は一切なく、MacOS8.1とQuickTime3.0の説明にとどまった。

なお、23日のIDG公式発表で、入場者数は4日間で171,749人と昨年を若干下回る結果となった。また、次回のエキスポ「MacWorld Expo/Tokyo'99-The Creative World'99」は、1999年2月18日〜20日の3日間、幕張メッセで開催予定とのことだ。



  • その1・MAC WORLD Expo/Tokyo'98展示会会場レポート(写真のみ掲載中)

  • その2・基調講演レポート(写真のみ掲載中



    その1・MAC WORLD Expo/Tokyo'98展示会会場レポート

    まずは、アップルコンピュータのブースから。今回の展示の目玉は、MacOS8.1とQuickTime3.0である。もちろんG3 Macを忘れてはいけないが。
    MacOS8.0のマイナーアップデートであるMacOS8.1は、筆者もアップデートプログラムを使って既に利用しているが、今のところ問題はない。システムは、MacOS8.0のときよりも明らかに安定しており、またソフトウェアの互換性も、一部のディスク・メンテナンス・ソフトウェア(Norton Utilityなど)を除けば、ほとんど問題ない状況である。筆者の体験では、速度の向上はそれほど感じられないものの、システムエラーは確かに減少している。迷っているユーザは、是非アップデートしてほしい。
    QuickTime3.0については、この分野の専門ではないため、詳細は他の専門誌などを参考にしてほしいが、アップルは次の2点を強調している。
    ・MPEG-4のファイルフォーマットのスタートポイントとしてQuickTime3.0が採用された。
    ・リアルネットワークス社のリアルオーディオ/ビデオとの比較広告でQuickTime3.0の優位性を示した。
    特に比較広告では、インターネット上における、オーディオ/ビデオのストリーミング技術において、品質やサーバソフトウェアと必要としない点といったQuickTime3.0の優れている点を、基調講演でも強調していた。余談ではあるが、QuickTime3.0以前のバージョンでもストリーミング再生ができることを知らない人は、意外に多い。昨夏に、リアルネットワークス社の営業マンが、リアルオーディオ/ビデオの営業で筆者のもとに訪れたとき、「QuickTimeはストリーミング再生ができません」との説明だったので、「リアルさんほどではないけど、できるんですよ」と言ったところ、「え、そうなんですか?」と返されたことがあるほどだ。QuickTimeは、サーバソフトウェアを必要としないので、マルチメディア・コンテンツの作成に最も手軽なソフトウェア技術であり、特にこれからやってみようという人にとっては、最も低コストでユーザフレンドリーな標準技術といえるだろう。

    Think Differentを全世界規模で展開しているアップルのメインブースは、シンプルなモノクロを基調とした地味なブースではあるが、メインステージは常に大勢のお客さんでにぎわっていた。

    アップルコンピュータのブース

    米国同様、日本でも再編が行なわれるクラリスのブースには、4月1日より新たにスタートするFile Maker社のロゴが大きく掲げられている。文字とおり、データベースソフトウェアの「ファイルメーカーPro」のみを扱う会社となるのであるが、Windowsの世界でスタンドアロンのデータベースソフトとしてNo.2を誇る、同社の人気ソフトである(Macの世界ではもちろんNo.1だ)。今後の展示会で、クラリスの社名やロゴを見ることはもうないだろう。

    クラリスのブース

    ニュートンでおなじみのエヌフォーブース

    大谷和利さんとリチャード・ノースコット氏のツーショット(エヌフォーブースにて)

    マイクロソフトのブース

    アークポイントブースのニューワテクノロジ製品

    アドビのブース

    インターウェアのブース

    PowerBook1400用G3アクセラレータ(インターウェア)

    メディアビジョンのブース

    参考出品のPowerBook2400用G3アクセラレータ(メディアビジョン)

    第1世代PowerMac用G3アクセラレータ(メディアビジョン)

    富士フィルムのブース

    アップルユーザーグループのブースで見かけたMacOS8.1の動いているLisa

    その2・基調講演レポート

    米アップル社のミッチ・マンディッチ上級副社長

    米アップル社のアバディス・テバニアン上級副社長

    米アップル社QuickTimeアーキテクトのピータ・ホーディ氏

    米マイクロソフト社のベンジャミン・ウォルドマン氏

    Word98日本語版の説明をするベン・ウォルドマン氏

    Excel98日本語版の説明をするベン・ウォルドマン氏

    ドリーム・ウィーバーの説明をするマクロメディア社長の手嶋雅夫氏

    パネルディスカッションの様子

     

    (この項つづく/なかみつ)


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