夜空に輝いている星は明るいものもあれば、暗いものもあります。
青白く光っている星もあれば、赤く光っている星もあります。
中には明るさが変わる星があります。これが変光星です。
変光星は、その明るさを変える仕組によっていくつかのグループに
分類されています。
今回紹介するミラは代表的な変光星グループ「ミラ型変光星」に属しています。
ミラは赤色巨星と呼ばれ、赤い色をした非常に大きな星です。
太陽の半径の数百倍あると考えられています。
このミラは、内部の状態が不安定で、大きさが周期的に変わります。
大きさが大きくなったり小さくなったりするのに伴って、
出てくる光のエネルギーも変わります。このようにして、ミラは周期的に
明るさが変わって見えるのです。
では、ミラはどのくらいの周期で、どのくらい明るさが変わるのでしょうか。
周期は332日ですから11ヶ月弱です。明るさは3等星から9等星まで変化します。
ミラの面白いところは毎回きちんと規則的に明るさが変わるのではなく、
時には2等星まで明るくなることもあります。またあるときには、4等星まで
しか明るくならないこともあります。周期も正確に332日ではなく、若干長く
なったり、短くなったりします。
ミラは昨年2006年3月に約3.8等まで明るくなりました。
ということで次回は今年2007年2月に極大等級を迎えることになります。
あと1ヶ月くらいですが、今5等星より明るくなっていて、日に日に明るく
なってきています。
今年はどのくらいまで明るくなるのでしょうか。みなさんも自分の目で
見てみましょう。望遠鏡はいりませんが、双眼鏡があればよいでしょう。
ミラはどうやって探せばいいんでしょうか。ミラは別名οCetといいます。
これは、くじら座ο星ということです。くじら座は秋の星座ですが、
1月2月は19時ころであれば南西の空に見ることができます。
ミラを探すには下の図のように探して見てください。
まず、αCetという星を探します。これは、おうし座の1等星アルデバラン
(αTau)からたどるとよいでしょう。また、βAnd(アンドロメダ座β星)と
αAri(おひつじ座α星)をのばした延長上を
たどるのもよいでしょう。
αCetは赤い色をした2.5等星で、すぐ北に暗い星を伴っているので、比較的
わかりやすいでしょう。αCetがわかったら下の図のように、γCet、δCetと
たどっていきます。そこから図のように四角形の星をたどっていくと、
ミラが見つかると思います。図の円の大きさが双眼鏡の視野の大きさ
(直径7度)です。図の星のそばに書いてある数字はその星の明るさです。
41と書いてあるのは4.1等星です。小数点は省略してあります。
ミラと別の星の明るさを比較してミラの明るさを推測するわけです。
最初は難しいですが、慣れてくると0.1等の違いまで識別できるように
なります。それでも1週間おきに観測すれば明るさが変化していく様子が
わかると思います。