ウィルス
このシナリオは単純なシナリオです。
もしよろしければ、ひまなときつかってやってください。
ゴブリンとの交渉がネックなので、ゴブリンを山賊に変えたほうがいいかもしれません。
1:病の村
PCたちは、とある村にたどりつきます。原因はどうでもいいです。
そこで宿屋にはいるとおやじに「すぐ村をでていったほうがいい」と言われます。
PCたちがそのわけを聞こうとすると、宿の外から大声が聞こえます。
「てめえら!まだオレさまのほこらを直していないな!!それならこうだ!」
という声とともに病気チェック、もちろん魔法の病気なんで妖精も。かなり高め(成功率30%くらい)に設定して下さい。
PCたちが宿の外に飛び出していくと、雲にのった中華風の服を着た男がいます。彼は、中国の病気神、呂岳です。
彼の銅像を安置したほこらがこの村にあったのですが、2、3日前に何者かに盗まれ、そのうえほこらが破壊されてしまいました。そこで彼は怒って、さっさとほこらを直し、銅像をもどせ、といっているのです。村人はほこらの再建はなんとかなったものの肝心の銅像をつくる設備が村にはない。そのため、近くの街まで作りにいっているのです。しかし、病気は死人がでてはいないものの、年寄りや子供は寝たきりになっています。
呂岳に基本的な交渉はききません。かれは頭にきているのです。ごちゃごちゃぬかすやつにはさらに強力な病気をおみまいしましょう。
彼はさっさと立ち去ります。病気はかなりのスピードで進行するようです。マスターは時間をきっちりとるふりをしましょう。
PCが魔法でなおそうとした? そんなもの仙術の前には無力です。体系がまったくちがいますし、まがりなりにも神様がかけた病気ですから。
宿屋のおやじに細かな話をきくと、以下のことが解ります。
- ほこらは、以前ここに住んでいた道士が立てたものであること。
- 道士は、薬草などに詳しく、医者のようなことをしていた。
- 道士が亡くなってからは、このおやじがほこらの掃除やお供えなんかをしていたこと。(宿屋のおやじはそのために病気にかかっていません。本人や周りのひとはこのおやじの体が頑丈だからだとおもっています。)
- ほこらは、銅像がもちだされ、ほこら自体も破損していた。
- 村では銅像を作るために、有り金をほとんどもって街にひとをおくっています。たぶん帰ってくるのは、あと1ー2週間はかかるでしょう。銅像をつくるのに手間がかかるのです。この村にもそこそこの鍛冶設備はあるのですが、基本的に鍬などを修理する程度で、銅像にできるような質のよい銅や技術者が村にはいないのです。
PCたちがほこらをよく調べると、ゴブリンの足跡がみつかります。(よわっちくて”社会”をもつモンスターならなんでもいいです。)数は2ー3匹ほど。村人は足跡に気づいていない。
もし、PCたちが銅像の奪還を”依頼”としてお金を要求するなら、銅像をつくるのに金を持っていってしまっている、という理由でお金はだせません。村中のお金をあつめてもあんまりいい額にはならないです。普通の依頼料の半額くらいがせいいっぱいでしょう。
PCたちが腰をあげないなら、病気をさらに悪化させてください。”押し”です。
2:ゴブリン洞窟まえまで
PCたちがゴブリン洞窟近くにくるまでは足跡を追跡する必要があります。もちろん洞窟なんて村人はまったく知りません。途中でワンダリングをおこしてもいいでしょう。(DDなんかは財宝のために必須。)
二日くらい途中で夜にしてあげましょう。そこでPCたちはゴブリンの斥候にみつかります。そのまま寝続けるなら、周囲をゴブリンで囲んであげましょう。みんなで起きて警戒するなら寝不足ペナルティです。つぎの夜に囲みましょう。もちろん病気進行チェックも忘れずに。
ゴブリンたちは全部で10匹ほどですが、ゴブリンロードやシャーマン、ホブのだんなもまじっています。
ロードやシャーマンは流ちょうな共通語でしゃべります。
”ここになにをしにきたゴブか?”
ゴブリンたちの事情。マスターさん、がんばって強気と動揺を演出してください。
- 彼らは狩り、(もちろん普通の鳥獣)をしているうちに本拠の洞窟でクーデターが起ってしまったのです。
クーデターを起こしたのは、ゴブゴブ教という新興宗教っぽい宗教で、このごろゴブリンの間で教えがはやっていた。
- ゴブゴブ教がわは、洞窟にこもっているうえ、女子供もいるのでロードたちはどうやって攻め入ろうか考えているところにPCたちが現れた。
- 現在の戦力比として、PCたちが10とすると、ロードが20、ゴブゴブ教は10くらい(洞窟にこもっているため、この数値より高くなる。)。ただし、人質がいるためロードの手下が裏切らないという保証はない。
- ロードはPCたちを味方につけたいとおもっている。が、あしもとを見られたくないと思っている。もし戦えば、ロード自身はPCの戦士よりも強いし、ロード側の数も多いためロード側がかつ。PCたちが銅像を取り返しに来たことを正直にいえば、銅像を渡すかわりに協力を求めてくる。
- マスターは、とくに、PCたちだけで洞窟にのこったゴブリンには勝てないこと、銅像はゴブゴブ教の本尊(ゴブリンが人間をふんずけている)の一部としてふんずけられているためゴブゴブ教側は返却しないことを強調しておこう。
ここでゴブリンたちと行動をともにするならそのままつづけて下さい。もし勝手に洞窟に向かうならゴブリンたちは止めようとします。すこし遠回りをするなら十分洞窟にいけます。そのときは、洞窟でワナをうまく使って問答無用で攻撃して下さい。ゴブゴブ教にとっては人間は”悪”なのです。ここで狂信者相手に交渉することは不可能です。戦力比をみてもわかるとおり、正面からでは絶対全滅します。
全滅しかけてにげだしたところをロードに出会わせて下さい。たぶん協力してくれるでしょう。その他の方法でも銅像は回収できますが、そのペナルティは後述。
3:洞窟内部にて
ロードと協力するのなら、ロードはPCたちに裏口から別動隊として突入して欲しいと申し出ます。
正面からPCが突破するなら、ワナをいたるところに配置して下さい。
- 部屋1:ここの床にはわらなどが敷き詰められています。実はぼこぼこあながあいていて穴の中には水がたまり、毒ヒルがすんでいます。ゴブリンたちはどう歩けばよいかを知っているためふつうに行動しますが、PCたちには幸運チェックを厳しめで数回行なって下さい。正面突破する場合、ここで数匹のゴブリンと戦闘になります。
- 部屋2:子供ゴブリンがたくさんいます。
- 部屋3:落とし穴があります。PCたちが落とし穴にはまると、南北からゴブリンが殺到してきます。
- 部屋4:イベントはなし。ただのへやです。
- 部屋5:ゴブリンが桶で油やべたべたした液体をあびせかけてきます。回避させてください。かぶったものによってはなんらかのペナルティをあたえて下さい。
- 部屋6:ここには呂岳の像があります。ゴブゴブ教の教祖と信者がいます。信者は死ぬまで戦闘を続行します。全力で攻撃してください。
PCたちがロードと協力しているなら戦闘終了とともにこの部屋にロードたちがなだれ込んできます。
PCたちが遅れてきたりした場合、銅像は欠けてしまっています。
ロードたちは約束どおり銅像をわたしてくれます。システムによっては財宝も渡しましょう。
- 牢屋:ゴブゴブ教のクーデターに反対したゴブリンがつかまっています。
- 通路A:バリケードで現在封鎖中。すき間から弓矢をうってきます。
4:呂岳
PCたちが銅像をとりかえしてくると、呂岳はとても上機嫌ででむかえてくれます。
そして村人たちの病気を癒した後、数十種もの薬草の種を村人に渡します。村人たちは正直にありがたがってこれからほこらをちゃんと祭ることをちかいます。
呂岳はPCたちには御札をくれます。灰を煎じて飲めば毒、病気の抵抗に+1くらいのボーナスがつきます。
ただし銅像が欠けている場合、お札はなしです。
PCたちは村人に見送られながらまた旅を続けていくことになるでしょう。
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