うたをうたって下さい

芸人がいたほうがいいですが、とくにいなくともかまいません。
要は、うたに興味をもってもらえればいいです。
かなり時間のかかるシナリオになりかねないので、適宜カットしたりして下さい。

1:背景
    この国では、国王が2、3カ月前に崩御しました。跡継ぎがなかったため、継承で紛糾しましたが、隣国に嫁した王女がつぎ、合併がなされ、数多くの貴族が没落しました。
    PCたちがもと首都にたどり着いたときは、貴族たちが伝来の家具などを捨て値で売り払っています。
    活気にみちた町を描写して下さい。PCたちがのぞむならそこそこ変わったものを店に並べて買わせてもいいでしょう。
    お勧めはナンバーズです。数を決め、ダイス2つくらいをふり、当たると確率倍返ってくる。

2:依頼
    PCたちが遊び疲れて宿屋に帰ると宿屋にもやはり冒険者風(?)のやつらが2組くらいいます。
    そこに裕福そうな身なりの若貴族がやってきます。彼は、依頼をしに来ます。
    その依頼とは、昔の楽器および楽曲についての本の捜索です。

    • 彼は、隣国の貴族で、この国の伝来のものをいろいろ買い取っていました。そこで古本屋から買い取った複数の本の中に、うたの本がありました。
      その本はすばらしいもので、演奏のわかるものならその価値が解るでしょう。
    • その本には(上)と書いてあって、続きがあります。彼は続きを手にいれて欲しいのです。そしてうしなわれた芸術を復活させようとしています。
    • 依頼料は本代こみで30GPです。彼の本はおよそ 3GPでした。

    冒険者たちは、依頼の取り合いになるでしょう。すると彼は1組に10GPずつ渡して前金とし、本を持って来たものに残り20GPを成功報酬として渡すことにします。もちろん失敗しても前金は返却しなくて結構です。

  • この貴族はうたの発表は自分の名前でなく過去の偉大な音楽家のものと明記して行おうとしていること(盗作はしない)、音楽好きなこと、正直なことをアピールしてください。街のうわさは、音楽好きで正直で気さくないい人です。

3:情報収集
    ここでカードマップを用います。もちろん普通に町のマップを作るのもグッド。

    • この町は、富裕地域、港地域、普通地域、スラム地域の4区画からなるため、マップはカードで3*3を四区画つくる。北東が港地域、北西が富裕地域、南東がスラム地域、南西が普通地域とする。
    • カード四組分、40枚の中に”イベント”カードを10まいくらいと”あたり”カードを4枚まぜる。そしてカード10枚1組を四つにして聞き込み開始。
    • PCに地域を一つ選んでもらい、そこからスタート。
    • ルールとしては、隣接しか動けない。カード一枚の移動と探索に一単位時間(2ー3時間)かかる。
    • ”イベント”カードのイベントは各地域ごとにいくつか考えておくこと。たとえば店じまいで1割引の店、金持ちの獰猛な番犬にいきなり襲われる、スラムで財布をスラれる、港ですべって海に落ちる、等。音楽に関連したものがいいなあ。ミニゲームです。
    • ”あたり”カードがでたら手元に残して引き直す。”あたり”カードを2枚引いた瞬間、シナリオイベントが発生する。
    • プレイヤーの人数や時間によって2*2に変えるや、イベントの規模を小さくしたほうがよいかもしれない。
      いずれにせよダラダラやる状況は避けたい。ここの所要時間は1時間以内に調節。

4:シナリオイベント
    PC達が街をあるいていると歌声が聞こえてきて人だかりがある。歌唱のこころえのあるものなら、そのうたの旋律が本に載っていたうたと似ていることにに気づく。
    そのうたを歌っている女性のそばにうたの本がおいてある。
    PC達がその本を譲ってくれないかと交渉を持ち掛けると、その女性はなぜ欲しがるかを尋ねる。正直に答えると、タダであげるからと、あるしごとを依頼してくる。

    うたの本(下)によると作者のスタジオがこの街から5日ほどのところの丘の地下にあったらしい。そこにいってみたいので護衛をして欲しいと頼まれる。
    本は先に渡してくれる。
    ちなみに女性は大地母神の神官で神にささげる歌の歌手である。季節の変わり目や収穫時、結婚式などで歌を歌っている。 魔法のほうはそこそこ。歌のほうはへたな吟遊詩人顔負けである。

    マスターはこの依頼の報酬は、本をわたすこととスタジオで発見された音楽に関係しないものであることを通告しておくこと。
    貴族は本を受け取り、ちゃんと報酬を支払ってくれる。

5:情報収集2
    図書館や聞き込みなどでスタジオの場所について情報を集めると、以下のことが解ります。
    • 現在、その場所のそばに街があり、その街には有名なバイオリン製作の名人が住んでいること。
    • ”遺跡”などとしてスタジオが調査されたことはないこと。
    • たしかにその位置に丘が存在していること。
    • 以前、幽霊さわぎがあったこと。詳しいことは不明。どこかの冒険者がなんとかしたらしい。(ミスディレクション。時間によっては、はずすべき。)

    最初の街で解るのは、このくらいです。


この辺でプレイ時間は最大4時間くらいかかるはずです。一息つきましょう。

6:音楽のまち
    PCは、スタジオ付近の街に到着します。街まではとくにイベントないです。
    街が近づいてくると、かすかにバイオリンの音色が聞こえてきます。
    今日は、バイオリン製作の名人(以下名人)の誕生日で、皆が祝っています。街に近づくと一曲披露して欲しいと頼まれます。
    もし、披露してうまくできれば、この街での反応判定にボーナスを与えて下さい。失敗したら死ぬほど酒を飲むことになります。そのPCは2日くらい動けません。

    ここでの情報は、
    • スタジオのことはきいたこともない。
    • 丘はこの街から半日ほど離れたところ。馬車でハイキングにいくのが富裕階級で流行っている。年末、年始にはその丘で大騒ぎをするのが定例。今日も行く予定だったが、朝に雨がぱらついていたため行かなかった。危険はなし。
    • 幽霊さわぎは5年ほど前。丘からあやしげなうたごえが聞こえて来ていた。冒険者をやとったらなんとかしてくれた。(丘の地下のスタジオの天井に少々あながあき、そこが風穴状態になっていた。冒険者たちはとくになにもやっていない。1カ月くらい調査しているうちに植物があなを覆い隠し、勝手に音がやんだだけ。村人は勘違いしている。)

    名人はその日は複数の村人に囲まれている。話をするのは無理。
    次の日、名人に話を聞くと、多分、自分の先祖のスタジオだとおもう。と答える。彼は興味をしめし、自分もつれていけという。つれていくかどうかは自由。ただし彼は高齢で役に立たない。

7:スタジオへ
    スタジオへの入り口は丘から少し離れたところにあります。
    入り口は土砂で半分埋まりかけ、木や蔦で分かりにくくなっていますが、土砂などをどけると出入りできるようになります。
    基本的にトラップのようなものはありません。

    マップはこちら

    各部屋には扉があります。

    • ホール:通路が東、西、南の三方にのびている。床は色とりどりのタイルが敷き詰められており、ふむと音が鳴る。タイルの中には長い時間のうちに音が鳴らなくなったものもあり、トラップのように見せ掛けてPCをおびえさせてください。この音はタイル数枚分で一つの曲になっており、部屋5でかなでる必要があります。

    • 部屋1:金管楽器の部屋、トロンボーンがテーブルの上においてあります。周りに本だながあり、金管楽器を主体とした楽曲の本がならんでいます。しかし、腐敗がひどく、トロンボーンは持ち上げるとぼろぼろに壊れてしまいます。

    • 部屋2:ここでは、天井に巨大ムカデが数匹すんでいます。PCたちの足音に反応して不意打ちをかけてきます。

    • 部屋3:棚があり、各種の色をした石が数十個ガラスのようなケースにはいっています。ラベルがついていたようですが変色してしまってすでに解読できません。この石はCDのようなもので、石にふれると音楽を奏でます。ただし、かなりの数が破損してしまっています。

    • 部屋4:この部屋の東側のかべが崩れており、なかから巨大アリが数匹でてきます。 ここにあったものは、すべてアリに食い散らかされています。

    • 部屋5:四方に通路の伸びている部屋です。壁に音符の壁画。音符にさわると音階にあたる音が鳴る。

    • 部屋6:ここは隠し扉があります。隠しとびらはスライド式で部屋5の音符でうまく曲を奏でると開きます。部屋の中心に螺旋階段があり、部屋7へとつながっています。

    • 部屋7:螺旋階段の行く先です。部屋の周りの通路はいろいろな楽器を記してある壁画が描かれています。部屋10ー13の部屋への隠しとびらは前述の曲を各楽器で演奏することが必要。

    • 部屋8:鍵がかかっています。ここに住んでいた音楽家の仕事場です。机を捜索すれば音楽家の作詞、作曲したうたが紙にしるされています。ピアノやリュートなどがおいてあります。

    • 部屋9:音楽家の寝室です。テーブルがあり、ぼろぼろになったテーブルクロスがあります。 このテーブルクロスは願った料理を出してくれるものですが、もう魔力はほとんど残っていません。ここに貴金属類を配置してもいいでしょう。

    • 部屋10:がらんとした部屋です。天井ににあながあいており、そこからはいったらしい巨大コウモリがPCたちを襲います。

    • 部屋11、12:物置。てきとーなものがあります。

    • 部屋13:螺旋階段があり、下へとつながっています。

    • 地下2階:通路が南にのびています。通路を進むと、丘のちょうど真下あたりで大きなホールにぶちあたります。ホールにはいろいろな楽器をもったちいさなゴーレムが据え付けられています。ホールの横手には地上へでられる道があります。


8:締め
    スタジオでうたをみつけていれば、貴族から報酬がもらえます。村もホールのことを教えれば、よろこんでなにかこころづくしをくれるでしょう。
    このシナリオでてにいれたうたはとてもできのいいもので、バードなどが歌ってお金を稼ぐときに、+1くらいのボーナスがあります。

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