透明なものたちへ
このシナリオは、透明な敵を想定しています。
そのうえかなりアドリブがかったPC対マスターシナリオです。マスターは知略でPCを蹴散らしましょう。
そのため、対透明用の魔法は充実していない方がいいでしょう。
このシナリオは、”The Lunatic”(神尾氏作成)ルールで作られています。
1:依頼
PCたちは、ある場所で魔法の触媒や薬草などの売買をやっている商人の護衛に雇われる。
例
商人:すみません、2-3週間ほど護衛を頼まれてくれませんか?
A:どこまで行くんですか?
商人:国境を超えたいんですが、このごろ山賊が出るようなので。
B:報酬は?
商人:食費別途、戦闘ごとに危険手当て1GP、で成功報酬が5GPでどうでしょう。
c:ま、そんなもんかね。で、何をはこぶの?法にひっかかるのはやだよ。
商人:魔法儀式の触媒やらなんやらです。(知識ロール、珍しいけど、違法ではない。)
といったかんじです。
2:村につくまで
2週間の間、ワンダリングなどを起こしておく。その間、商人を好印象にしておくように。
途中で、荷馬車を引く馬が足をくじいてしまう。
腐りやすい薬草などを先に届けてくれと言われる。塔までは約5日かかる。塔の近くに人口60人ほどの村があります。
PCたちが村につくまでに雨がふり、やがて嵐になってしまう。
そして、嵐のなか村にたどり着くことになる。
村では、もてなしをうける。村人は娯楽に飢えていて、冒険の話を聞きたがります。
村人に嵐がひどいので明日塔にいけばよいと言われる。
- 魔法使いは、よく薬草の調合などをしてくれるので村では、”先生”として有名。
- 基本的に村人は明るい性格。
3:事件のはじまり
宿屋のドアが開き、魔法使いが入ってくる。彼は傷だらけで息も絶え絶え。
彼は ”やつらが・・・・”と言って生きたえる。ふところには”消えずのたいまつ”が数本。
- 魔法使いのいう”やつら”とは魔法使いが魔法で知力などを上昇させたスライムのこと。
- マスターはホラー映画のように透明なスライムを動かしてください。
- 消えずのたいまつとは雨のなかでも消えない魔法のたいまつのこと。PCの人数の半数くらいが適切。
この後、宿屋に村人が駆け込んできて、村人が血だるまになっていると知らせると、宿屋にいる人々はパニックにおそわれ、各々自分の家に帰ろうとする。もちろん、数人が殺される。
宿屋にやって来た村長に急遽、村人の護衛と原因究明を依頼される。
4:村人の護衛
まずマスターは最終的に生き残った村人の人数を経験点に反映することを宣言してください。
50人なら50点、10人なら10点です。
見えない敵から村人を護衛するには、一個所に集めるのがいい。そのため、宿屋に村人を集めるのが常道となるでしょう。
マスターはそこでPCの手薄となった部分を強襲してください。PCは村人が邪魔になって思うようにうごけないはずです。
宿屋で数人村人を襲えば、PCは次の手を考えるはずです。
それに合わせて襲ってあげましょう。
スライム側としては3匹が存在します。
- 獰猛でひとをえさとしか思っていないもの。
- 狡猾でPC達の裏をかきまくってくるもの。(もちろん魔法もつかうし、村人に変化する。)
- 人間にたいして友好であり、人間を評価しているもの。
この3匹です。前者2匹は倒す必要がありますが、3匹めは交渉しだいで仲間になります。
3匹めは人間に自分の存在が広まるのを恐れていますが、PC達の実力も評価しているので、力ずくの口止めよりも交渉による口止めをのぞみます。他の2匹を粗野で野蛮だと嫌っています。
3匹めとPC達との接触によって話は変わります。
3匹めと有効関係を結べれば、ほぼ成功に終わります。
スライム2体は、いまだ未成熟なまま、PC達と戦闘する羽目になります。
友好関係を結べないなら、成熟した二体と死闘を繰り広げるでしょう。
5:結果
うまくスライムを倒すと、ひとり頭ごとの報酬がでます。
経験値は村人の残存数です。ほぼ犠牲なしなら、プレイヤーがとても頑張ったということ。すなおに大量の経験点をあげましょう。すべて後手にしか回れないなら犠牲も多くなります。まあバランスですね。
総論
このシナリオはハッキリ言って人間の能力に依存します。
トリッキーに動くのが好きなヒトは狡猾なアイデアを出してくるのでマスターはそれを認めながらうごきましょう。
うまくバランスをとって進められれば面白くなると思います。
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