Knight & Princess

背景描写
    現在PCたちが旅をしている地方には、大きな国と小さな国(都市国家)があります。
    情勢は表向き平穏です。
    ≪事情通≫などで成功すると、以下の文が解ります。

    都市国家<キャロル>:
      君主:アリス・キャロル(18歳、女性)
      人口:2万人程度
      主産物:小麦、絹織物
      山脈を後ろに控える美しい国です(スイスあたり風)
      山脈により気候が特殊なため、かいこをうまく育てることができ、主要な輸出物となっています。
      先々代の君主が、かいこと絹織物をこの国に取り込み栄えることになりました。
      現在はお姫さまが3年前から、君主として立っています。

    大国<ウォック>:
      君主:ジャバ・ウォック(48歳、男性)
      人口:首都3万、計18万人
      主産物:食料一般、鉱物、木材等
      ここら一帯を治める大国です。
      現在、東のはし(キャロルは北西にあたる)で戦争中。
      戦費を捻出するためにキャロルを併合することを目論んでいるらしい。


    PC達がキャロルのそばを通りかかるところから話は始まります。
    小高い丘の上に出て、キャロルの城壁が見渡せるようになると、 真っ先に100人を超すような兵士たちの姿が見えます。
    兵士たちは、敗軍のようにしょんぼりした雰囲気でとぼとぼとキャロルへ向かって歩いています。
    しんがりには騎士が数人いて、軍をまとめています。
    ここで《知覚》を行い、成功すると騎士隊長らしき人物の声に”アダマス”の聖痕を認めます。
    PC達が彼らと接触をする場合、聖痕がすぐわかるようなら、騎士隊長が受け答えをしてくれます。<騎士隊長の話へ。>
    聖痕を巧妙に隠しているのなら、騎士の一人が、丁重に追い返してしまいます。

キャロルの都市内部
    キャロルの内部はよく栄えています。
    人々は平和で、戦争時にみられるような殺伐とした雰囲気は微塵もありません。
    ほかの都市よりも、服飾に関する店が多く見られます。
    店は、魔法等に関連しない食料、服飾関連は1割引きで入手できます。
    道行く人々に兵士のことを尋ねると、 「南の森に住むなんたらいう化物を退治にいってる」くらいしかわかりません。

    宿屋兼酒場は数件あります。
    酒場のマスターに話を聞くと、 「南に1日ほどいった森林に(グリフォン)ちゅう化物がいる。
    とくに悪さをしたという話はきかないけど、討伐しに行ったらしい。」
    ということがわかる。

    宿屋に泊まった翌日、街に兵士が何人も繰り出し、一つのお触れを発表します。
    「体に、特殊なアザを持ったものを募集する。我こそはと思うものは騎士詰め所に名乗り出よ。」
    という内容です。
    PCが聖痕を顕わにしているなら、兵士に呼び止められ、「ここに顔を出していただけないでしょうか?」と 騎士詰め所の地図を渡されます。
    ここで騎士詰め所に行くと、聖痕の検分をされ、騎士隊長に会うことになります。<騎士隊長の話へ。>
    このまま、街をでていくならシナリオはここで終わりです。

騎士隊長の話
    騎士隊長に聖痕者であることを明らかにして出会うと以下の話が聞けます。
    隣の大国、ウォックはキャロルを虎視耽々と狙ってきました。
    この度、ウォックの第4王子が急病にかかり、その特効薬を作成するために(グリフォン)の心臓が必要であるらしい。
    ウォックの王はアリス姫に対し、「心臓を持ってくるか、姫本人が見舞いに来るか。」の2択を迫っている。
    もし、姫がウォックに行こうものなら、そのまま婚姻という名の虜囚となり、この国が奪われてしまうことが目に見えている。
    ここで心臓を持っていけば、世間的に優位に立ち要求をかわすことが容易になると思われる。
    そのため、我々は(グリフォン)を退治しに行ったのだが、(秘儀魔法”皇帝”)を使われ敗退した。
    (秘儀魔法)で陣形を崩され、兵士数人が食われた。
    聖痕を持たぬ一般兵士では対抗し得ないため、急遽このような形で聖痕者を募ったのだ。
    と言って、PC達に(グリフォン)退治の手伝いを依頼します。
    依頼を受けるなら、<森まで>に続きます。
    彼は”アダマス”の聖痕を持っています。

森まで
    森までの道の途中までには、騎士10人と兵士50人が付き添います。
    騎士10人、兵士50人で1トループずつです。
    騎士隊長は、森の手前で部下を停止させ、自分達がもどるまで待機させます。
    理由は、(グリフォン)の能力の前ではトループは無駄死にであるのがはっきりしているからです。

    もし、PCが「盾にするために」トループ達をつれていくなら、素直についてきます。
    この場合、反対しなかったPCの尊厳値にマイナスをかけて下さい。

    森の中にはとくになにもいませんが、モンスターと遭遇を起こしても結構です。
    野宿の見張り番なども決めてください。
    野宿をした次の日、(グリフォン)と遭遇します。

双頭の(グリフォン)
    PC達の前に現れた(グリフォン)は頭を2つ持っており、各々の頭にいくつかの聖痕を持っています。
    (聖痕は魂に刻まれるものなので、魂が2つある場合は3個以上あっても殺戮者ではない)
    ここで、騎士隊長(&騎士、兵士)は戦闘に入ろうとします。
    (グリフォン)は食事に入ろうとします。
    PC達が話しあいを提唱するならさせてください。
    グリフォンの言い分は「ここは、ずっと昔から私の狩り場である。狩り場に入ってきた餌を食すのに何の問題があるのか?」です。
    心臓を欲しがるPC達とは、接点がありえないでしょうが、会話は可能です。
    ですが、スタンスとして、人間は餌であるため戦闘はさけられないでしょう。

    (グリフォン)は片方は肉体戦を、片方は魔法戦をしかけてきます。
    通常の攻撃に、(秘儀魔法)or(元力)の攻撃の2回攻撃で襲ってきます。
    聖痕は2匹合計6個ですが、なるたけ使わないように。
    PC次第では∵封印∵を早めに使用してもOK

    HPは共通で、高めに設定し、その4割が削れると片方の頭が倒れます。
    片方が倒されたらマスターはシーンを変えてください。
    その時、片方の聖痕が天に昇りますが、もう片方が殺戮者化し聖痕を回収して宴宣言をします。
    (グリフォン)が倒されても、宴状態は解除しないで下さい。


騎士隊長の愛
    グリフォンが倒れると、騎士隊長は(グリフォン)の心臓をえぐりだすと、
    聖痕が天に昇りますが、その軌跡は騎士隊長の体に吸い込まれます。
    「力さえあれば、力さえあれば、姫様をお守りすることができるのだ!」
    「おまえたちの力も、私によこせ!」
    ここで、再度の殺戮の宴が始まります。
    宴宣言に伴う処理はここでは飛ばしてください。(グリフォン)のまま継続させてください。
    グリフォンの聖痕はほぼ丸まる残っているので、使用できます。
    騎士隊長本来の聖痕は、アダマス、アダマス、(ルナ)です。
    隊長は、自分が(ルナ)の聖痕を所持していることを知りません。
    殺戮者になって始めて使えるようになっています。

    騎士隊長を倒した後、どうするかはPC次第です。
    心臓を持ちかえって、「騎士隊長はグリフォンとの戦闘で死んだ。」
    とするのが一番きれいなエンディングでしょう。
    その場合、お姫様に泣かれますが、尊厳値にボーナスがあります。
    事実を話すなら、皆は信じません。でも、PC達に殺す動機もないので厄介払いをするように 国外に出されます。



オリジナルルール
    1:人間の聖痕は最大3個であるだけで、1個しか持たない者もいる。
    (こうすると、騎士隊長が聖痕を一つしか持たないと言って奇跡を保持できる。)

    2:殺戮者は、奇跡を使用した後の聖痕を回収しても、長い時間の後に回復できる。
    (殺戮者化した騎士隊長が、奇跡を使い果たしたPCを襲う理由がない)



もどる