宇宙と私 森 久紘

なぜ、自分はここにいる

「ソフィーの世界」という本の最後のほうで「宇宙のすべての物質は一つの有機体のようなものだ」と。さらに私たちの命は「何十億年も前にともされた巨大な火から飛び散った火花なんだ」ともいっている。
自分の存在というものを深く静かに考えると不思議である。森政弘は「心眼」という本の中で、次のような意味のことをいっている。「ぼくが、今ここにいる原因は、母から生まれた。さらに先祖をさかのぼるとサルから爬虫類、アメーバへ。もっと先は通常生命がないと思われている分子から原子、そして素粒子までいってしまう。このように考えると連綿とこの宇宙のあらゆるものを生かしている筆舌に尽くしがたい絶妙なからくりがあることが分かってくる。そしてこの宇宙(大生命)に対して畏敬の念がわいてくる。さらに、この自分自身もこの大きな自然、大宇宙の絶妙な仕組みを構成している一つであることを思うと安心感ができてくる。」心を慰めることができる。自分が死んでもこの宇宙の絶妙な仕組みの一部を永遠に構成していることになる。また「爬虫類も原子も先祖であり親戚であるということにもなる」と。
悠久の宇宙と今ここにいる「この自分」の眼前をこの現実が刻々過ぎ去ってゆく。


ヨースタイン ゴルデル著、ソフィーの世界、日本放送出版協会、1995年6月30日発行
森 政弘著、心眼、俊成出版社、昭和51年11月26日発行




九鬼周造の可能世界論


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