富士写真フィルムの看板商品、G Ace 400がモデルチェンジをした。従来のモデルチェンジの時のように、「厳密に見れば違いがわかる」程度の変化だろうと思っていた。しかし、新しいSuper400を現像してみたら驚いた。色の鮮やかさ、特に従来、藍色、濃い緑色は出にくい色だった。それが見事に再現されているではないか。粒状性も--多少コントラストに助けられてはいるが--ブロニー判を見る雰囲気と感じるほどのものだった。
 技術的なところを見ると、従来からのフィルムは、レッド、グリーン、ブルー(写真にすると各々反対色の、シアン、マゼンタ、イエロー)の三つの感光層をもっていた。そこに、第4の感光層として、シアン(写真にするとレッド)層を加えている。この技術は決して新しいものではない。同じ富士写真フィルムReala Aceが同じ技術を使っている。確かにReala Aceで新緑を写すと、非常にみずみずしい緑が再現できた。Reala Aceの場合はその味付け上、コントラストを普通のフィルム(GAce 等)より低く(淡く)設定しているため、驚く程の鮮やかさを持ってはいなかった。この技術を今回、一般用のコントラストが高いフィルムに乗せることにより、驚くほど色鮮やかな表現ができるようになった。
 粒状性も格段の進歩が見られる。新しい感光粒子は、光吸収によって生じた光電子を、粒子上の一点に効率良く潜像形成することにより、見かけの粒状性を上げている。今回のフジのリリースには粒状性の具体的な数字については語られていなかったが、恐らく80〜70%程度にまで細かくなっているのではなかろうか。ラチュードも-2〜+5までと広い。
 また第4の感光層の効果で、蛍光灯光源でもかなり自然な色合いになっている。従来のフィルムでは、蛍光灯光源下では、蛍光灯の種類によって黄色から緑色の変色が見受けられる。私はSuper400を使って、蛍光灯光源下でのスローシンクロ(シャッタースピードを1/30秒以下にしてフラッシュ撮影をすること。人物のバックも明るく撮影できる代わりにバック色は今ある光源の影響を受ける)を何枚か写して見たが、バック色は多少イエロー味になったが従来の1/4程度の変色で収まった。
 丸業フィルムが代わったおかげで、現時点で相当数の仕上りを確認することができた。写ルンですでも多少の効果はあったが、カメラで撮影されたものでは特徴が万遍なく反映されている。欠点を探そうとしていたが今だに見つかっていない。見つけたらこのページにアップしておきます。これで他のフィルムメーカーとデジタルカメラは、よほど心してがんばらないと、追い付けないところまできてしまった。



Super 400の入った丸業、記録用フィルムが安い!!
質問はこちらまでお願いします。


Jan.24.1999