色直進性とは一般には使われていない私が設定したフィルム評価基準である。
 一枚の写真のなかには当然のことだが白っぽい部分と黒っぽい部分がある。我々、プリントを焼く人間は、写真の中のーほとんどの場合に於いてー中間色となる人の肌の色を適切な色となるように写真の色を調整する(最近はその色調整もろくにしない、嘆かわしい店、あるいは現像所もよく見かけるので注意されたい。)。肌の色で調整されたとき、白い部分は白く、黒い部分は黒く出ればよいのだが、必ずしもそうならないフィルムが存在する。その様なフィルムを色直進性が悪いと表現することとする。
 上図1が色直進性の良い例で、図2が悪い例である。ただし上図は分かりやすくするために一枚の写真を処理して作り出した作例であることをご了承願いたい。人の肌の色をほぼ同じにしても、バス側面のマークの色は図1は白く(実は淡い鼠色のはずだ)、図2は黄色く表現されている。またタイヤの色を見ると図1は黒く(濃い鼠色)、図2は黄色の反対色のブルー(写真でゆうブルーは一般的な色表現でゆうと紺色)に表現されている。よく『黒の締まりがない』とか、『白がすっきりしない』ことの原因の一つが色直進性が悪いことに起因する。
 色直進性の良い悪いはフィルム固有の性質のほかに、フィルムの経年変化や熱、薬品などによる変色、焼き付けるペーパー固有の性質、変色、フィルムやペーパー現像の不備等が原因になっても発生する。フィルムは新鮮なものを(逆輸入フィルム、ペーパー等は輸送の日数の関係上、製造から時間が経っていることが多いので注意。)現像焼き付けは信用のおける店でとアドバイスしておく。


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