F4とEOS1-特殊なカメラ


F4とEOS1はそれぞれ、ニコンとキャノンとゆう世界に冠たる2大カメラメーカーのフラッグシップとして位置付けられている。このカメラはプロカメラマンがよく使用しているので、ハイアマチュアの間では憧れのカメラとされている。またとにかく『いいカメラ』を欲しい人が、候補に上げてくるカメラである。しかし、単なる憧れや、一番値段が高いから『いいカメラ』だろうとゆう考えだけでこの2つのカメラを持つのは、良い選択とは言えないことをここでお話ししたい。
 この2つのカメラを見てまず最初に「大きい」と感じる、次に持ってみて「重い」と感じる。例えばEOS1NはEOS55より、縦横約1cmづつ大きい。ボディー重量は855gで、EOS55の35%増、EOSKissの2.3倍である。なぜこんなに大きくて重いのか? それはこのカメラがプロの要求する耐久性、耐候性に答えるべく設計されたカメラであるからだ。シャッター作動耐久性は10万回を誇る。36枚撮りにして2778本、毎日1本で約8年、週に1本なら55年使える。その他の機構部分もこの本数に耐えられるように設計されている。堅牢なボディー。埃などが入りにくいような設計。重いはずである。それでいて便利な内蔵フラッシュは付いていない。アマチュアにとって、カメラは持ち主の行くところどこにでも連れていけて、あまり邪魔ではないことが良い写真をとる必要条件だと私は思う。しかしこのカメラにフラッシュをつけて、ましてやレンズまでつけて、旅行荷物と一緒に持ち歩いて、写真を撮ろうとは思えない。毎日10本程度のフィルムを撮影するプロならともかく、アマチュアにとってはシャッター作動耐久性10万回はオーバースペックだ。
 またこの2つのカメラの共通する特徴として、視野率が100%確保されている。ファインダーに見えている部分だけがフィルムに写る。フィルム上に無駄なものを写さないためだ。しかしリバーサルフィルムを使う場合はいいがネガフィルムを使ってサービス版に焼き付けるときは問題が生じる。サービス版を焼く作業上フィルムのコマの四方、約1mmづつはどうしてもカットされる。よってファインダーで見えていてもサービス版ではカットされてしまうことがある。集合写真の両端の人が半分しか写っていないとゆうような失敗を呼ぶことになる。
 このようなことからF4とEOS1は、この重いカメラを使いこなす腕力があって、リバーサルフィルムを主に使う人のみに適しているカメラである。

追記--F5は3D-RGB測光をする唯一の機種となったので、F5を使う優位性が一つ増えたことは確かだろう。シャッター耐久性がF5やEOS1と同等なF100、EOS3がリーズナブルな価格で発売されたのでこちらを使うのもよいだろう。

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Jan.9.1999-Apr.13.1996