今後の古紙のリサイクル率の向上について
2000,12,7
The Waste and Garbage Club Home Page
古紙のリサイクルの検討会が通産省で行われている。
以前、日本製紙連合会がリサイクル55計画を出した時、平成6年度迄にリサイクル率を55%にする計画だったが、53%という実績で達成出来なかった。しかし、製紙連合会のホームページには一切ふれらていない。
その後リサイクル56計画を平成12年度までを目標に計画し、一年前倒しで達成している。
今回の検討会は、その次の目標値を定めるものである。
通産省では単純にリサイクル率の傾向を延ばしたトレンド予測で59、60、61%という数字を打ち出している。しかし、製紙連合会は、なにか余程追い風がないかぎり59%ぐらいが妥当だと考えている。
理由は
・新聞紙のリサイクル率が限界に来ている
・回収がこれ以上伸びるのか
(日本のリサイクル率は世界でもトップレベル)
・脱墨施設200t/日が20基必要
一方古紙再生促進センターは、
高めの設定にしてもらいたい。62.5%は行くだろうと考えている。
雑誌、印刷業界は、
PRで紙の質を落としても問題のないことを啓蒙すればリサイクル率はもっと上がるとしている。
リサイクル率の59%と60%では大きな違いがある。
仮に今後の紙の消費量の伸びを年率1.5%とすると、59%では、バージンパルプの生産量が1335万tから1363万tに増加するが60%では、バージンパルプの生産量が1329万tに減少する。
しかし、この達成率は実は非常に高いものである。
ちなみに世界第1位は日本で2位がイタリア、3位がフランス、僅差で4位がドイツである。
単純に考えて55%を1ポイント上げるのと59%を1ポイント上げるのでは、格段の差がでる。
まして最近のリサイクル動向は新技術が出ない限り横這いに近い状態である。
そこで、ターゲットになったのが、容器包装の300万tである。
これが達成されると10%近い増加が見込まれる。
しかし、本年度の容器包装の紙リサイクル率は惨憺たるものである。
次は紙のリサイクルについての概要を述べる。
1999年で紙の消費量は3039万tで古紙の利用率は1705万tで56.1%である。
新聞紙は50%近くの再製紙を利用している。
しかし、その半分近くは、機械パルプといって作るのに非常にエネルギーを使う製法を行っている。
これを製造するためには多大な電気エネルギーを使用し、1kg製造するために627gの二酸化炭素を排出する。
一方雑誌古紙から作る場合は64gと10分の一程度になる。
今の再製紙50%の新聞をいくら頑張ってリサイクルしても、多大なエネルギーを消費してしまうのである。
再製紙の含有率を上げるか、省エネ型の製造方法を開発するしかない。
また、日本ではこのようにリサイクル率が高いのに市場が整備されていない。
以下、最近のアメリカの古紙市場の概要を示す。
ほんの一例である。1$=110円で単位は円/kgに換算してある。
NEW YORK LOS ANGELES
LOW AVG. HIGH LOW AVG. HIGH
News No.8 6.60 7.48 8.25 12.65 12.87 13.20
Magazines 0.00 0.88 1.65 0.00 1.65 2.20
Corrugated 0.00 1.54 3.85 4.95 5.28 6.60
Container
Sorted office 1.65 2.75 4.40 4.40 8.03 9.90
paper
ある新聞ではSEATTLEのNews No.8が上がったと書かれてあったので、きちんと変動している。
一方日本での相場は、
段ボール9円、新聞11円、雑誌7円(2000、5月現在)
この程度しか情報がない。また市町村から助成金もでているので高いかどうかが分からない
市場の整備が重要である。
以上気になった所だけ述べた。
話を検討会に戻す。
主婦連合の角田さんは今回出席されていなく伝言のみであった。その中で教科書を再製紙作れないか、という問いがあったのだが、再製紙で作るよりも、全て貸し出し式にしたほうが良い。
その時にデポジットをつけて、きれいに返してもらえるようにしたほうがよい。
学年が上がるたびに教科書のごみの山になるのは教育上良くない。
製紙連合会は再製紙の利用を呼び掛けるが、
そろそろ限界も近付いた。
化学パルプは1度目のリサイクルで強度は既に半分近くに落ちてしまうが、機械パルプはなかなか強度が落ちずリサイクル性に優れているのだが、リグニンが残っているため紫外線で色がくすんでしまう。
一方、より白い化学パルプは機械パルプより更に10%以上もエネルギーを消費してしまう。
紙は白ければ白いほど環境に付加を与える構造となる。
再製紙の混入率、白色度に応じて税率を変えればリサイクル率は更に向上するだろう。
そうすればチラシ(0%)や包装紙(5%程度)は高くなり、新聞(50.6%)雑誌(100%?)は安くなる。結構な世の中が訪れる。