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環境危機をあおってはいけない(ビョルン・ロンボルグ著)を読んで


2003,10,25

環境危機をあおってはいけない(ビョルン・ロンボルグ著)を読んで

 環境問題を扱った本は近年増え続けている。片端から読んでいるつもりなのだが、やっと目の醒めるような本に出会えた。この本は600ページに及び、それも小さな字で2段書きである。 食べる間も惜しんで読んで丸々1日かかってしまった。

 飢餓、森林、エネルギー、食料、地球温暖化・・・と環境問題といわれているほとんどの事項についてデータに基づき人類史上いかに改善してきたのかを淡々と述べている。これはレスター・ブラウン(ワールドウォッチ研究所)の主張とはまったく逆の説であり、 地球は危機に瀕しているというレスター・ブラウンの主張をロンボルグはこの著書の中で喝破している。レスター・ブラウンは長期的なデータではなく、たまたま悪くなった数年間のデータに基づき地球危機を訴えていると。
 ロンボルグは、マクロ的には地球環境はよくなっており、人口も増え食糧も増産され病気も減り、所得も増え余暇も増えた。これはまさに人類の繁栄を表しており、今後も人類が資源を食い尽くすことはないと主張する。
しかし、環境先進国の人ほど、地球全体が悪くなっており、これが将来もっと悪化すると感じているという。そして、そのような人々の気持ちが無駄な環境対策に使われており、それが一番の問題だと主張する。

 一つだけ著書の中のデータを示す。

死亡リスクを100万分の1だけ上げる各種行動と、その場合の死因。
(出所:Wilson1979:45.)



 我々が考えている死亡リスクと実際の死亡リスクとまるで逆であることが分かる。これこそが一番の「環境悪化」の原因だというのが彼の一貫した主張である。