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ホストコミュニティーフィー制度について

2002,7,24



 ホストコミュニティーフィー(host community fee)とは、米国の一部で採用されている制度で、他州から廃棄物が持ち込まれる場合、その量に応じて当該廃棄物の排出者に一定額を納付させることを条件に処理施設の立地を認めるというものである。ちょっと難しい言い方であるが、換言すると自分のところに処理施設ができないので隣町の施設を有料で借りるというようなものである。  アメリカではここ2年ぐらいでこの制度は軌道にのってきたようで、Bourne町では処分場の料金として33万ドル支払ったり、Hampden町では制度の実施についてPine処分場と交渉中である。また、廃棄物処理だけではなく、Pawtucket市のようにスポーツ施設に1%の使用料を支払う例もある。  日本の環境省ではこの制度を今後研究し、我が国に有効かどうかを判断するそうである。

 しかし、ちょっと待ってほしい。
 このような方法は、日本ではもう10数年も昔から行われている。 ホストコミュニティーフィーというようなしゃれた名称ではなく、寄付金や処分費の軽減とかちょっと胡散臭い名称であるが、この制度と基本的には同じ方法で行われているのである。

 日本式をちょっと説明する。
 首都圏の廃棄物は多くが地方で処分されている。これは、首都圏で処分場が作れないためである。地方に処分場を作るのは民間の処理業者である。この処理業者は地方に寄付金を納めたり、その地のごみを無料で処分したりする。地方都市は処分場事業の税金も入るため、金銭的にはかなり潤うことになる。一方処分場を所有していない首都圏の自治体はお金を払って遠方の処分場を借りているわけである。民間業者を通したり、処理量に応じたきちっとした支払方法が確立していないのがアメリカとの大きな違いであるが、本質は同じである。
 またこの制度は単にお金のやりとりだけではなく、首都圏の自治体と処分場のある地方の自治体との交流ということも狙いなのだが、こちらの方はうまくいっていないようだ。
 この日本式はいわゆる首都圏と地方の民間企業を介しての裏取引であるため、余り公になることはない。

 他方、ホストコミュニティーフィーをきちっとした制度として運用する前に、根本的に考えなくてはならないことがある。自区内処理の原則である。

 経済的に考えると、首都圏の土地の高いところに処分場を作ることは、さまざまな面でマイナスである。地方の安い土地に安い工法で作ることが経済的に一番良いことになる。また、日本の制度にしても、地方に首都圏のお金がうまく配分されることになる。 しかし、自区内処理の原則をないがしろにすると、肝心なごみ量は増大してしまうだろう。自分のごみは自分で処理することはごみ処理の最低限のルールである。

 似たようなことが他でも行われている。二酸化炭素の排出権取引である。これも自区内で排出抑制ができないためお金でその枠を買ってくる制度である。数年後には二酸化炭素は更に増加してしまうだろう。
 自区内処理の原則とホストコミュニティーフィー制度は対局に位置している。