The Waste and Garbage Club Home Page
「21世紀への環境科学の取り組み」
-----電気科学会第66回大会実行委員会企画特別講演会
日時:平成11年4月1日(木)
場所:横浜国立大学工学部
プログラム
1.内分泌攪乱物質の生物影響
横浜市立大学教授 井口泰泉
2.国際動向と21世紀への挑戦
-科学的方法論による化学物質総合管理
工技院企画調査課長 益田 優
3.環境汚染物質のリスク評価
横浜国立大学教授 中西準子
1.内分泌攪乱物質の生物影響 概要
出生前後のマウスのエストロゲン作用
出生前後の魚類の化学物質の暴露を研究
1950年〜1960年代にホルモン作用(女性ホルモン)が分かっていた(農薬、PCB)
しかし発ガン性はなかった。(Environmental Hormonsという言葉はあった)
1970年代には毒性、発ガン性から内分泌かく乱物質と拡大
(大学では内分泌かく乱物質で統一表現)
生物の発生はメスから→ホルモンによりオスになる
その子供の膣ガンは妊娠13〜14週で影響される
環境ホルモンの作用→胎児期にもっとも影響する。
ホルモンに対して胎児は不可逆的(大人は可逆的)
DDT→マラリアの蚊によく利いた
コルボーンは1991年に内分泌かく乱物質に関する会議を開いた
アメリカでは4.5t以上排出の15,000種類のホルモン作用を分析
1995年 アナソトー プラスチックからノニルフェノールが出ていることを発見
その後ポリカーボネートからビスフェノールAを検出
1997/7月 ホワイトハウスは各国へ環境ホルモンへ対応するように要請した
それを受け環境庁・通産省・厚生省が個別に研究をし始めた
性ホルモン・甲状腺ホルモン(体内でコレステロールから作られる)の研究が中心
ビスフェノールAのホルモン作用はステロイド(女性ホルモン)よりもはるかに小さい
(大豆が大きい)
尿道開裂が増えている
日本人1万人あたり1〜2.5人
アメリカ人1万人あたり20人
精巣ガンも増加
精子の減少
1ml当たり1億(1940年代)→0.66億(1990年代)→→将来0.2億?(WHOのガイドライン)を割り込む?
ただし病院の施設によりかなり値にばらつきがある
(1億と7千万は誤差のうち)
スズ化合物→巻き貝→オス化する
正常なメスは佐渡に一ヶ所、九州に二ヶ所しか生息していなかった(93ヶ所検査)
広島のカキについては愛媛大学が発表
貝以下の生物はメスがオス化する
魚以上の生物はオスがメス化する
卵黄タンパクを調査
テムズ川で10倍→10,000倍に増えた
ノニルフェノール、オクチルフェノール(界面活性剤)の影響
女性ホルモン(ピル)の影響が出てきた→
下水処理の影響でホルモンに対する保護層がなくなったため
ワニの研究
33℃→卵→オスが産まれる
30℃→卵→メスが産まれる
33℃+エストロゲン→中間体
カエルの研究
DDTを与えるとオタマジャクシがカエルにならない(甲状腺に影響する)
ミネソタ大学→足の多いカエル(農薬の影響)の研究
通産省の「SPEED'98」がホルモン作用の研究で一番進んでいる
2.国際動向と21世紀への挑戦
-科学的方法論による化学物質総合管理 概要
国の大目標
大競争時代を切り開く産業(技術)競争力の実現と社会の持続可能な発展の実現を楯の両面として実現
(目標年次2001〜2025年)
中小目標の例:自動車事故の死亡率の削減
OECDの概要
T期1975年〜 テスト
U期1983〜1991年 安全性情報の交換・提供
V期1992年〜 リスク管理(削減)
UNCEDの概要
理念「持続可能な開発」
UNCEDアジェンダ21第19章
IFCS 化学物質の政府間情報交換
リスク評価−情報提供−リスク管理の3本柱
例:鉛の使用量を減少させる
ハザード評価
使われ方、使用量(MSDS)に記入
化学物質安全性→世界ではどのくらい使用されているか?
イエローカード緊急連絡票制度
PRTR→1992年からの取り組み
POP→1973年〜残留有機化学物質(POP)管理制度
PIC→1992年〜有害物質事前通告制度
☆事業者による自主的な取り組みが必要
☆科学的なベースを作ることが必要
3.環境汚染物質のリスク評価 概要
一方の汚染物質を減らすともう一方の汚染物質が増えるというような矛盾を解決するために「マネージメント」が必要となる。
生体リスク、人の健康リスク、コストの3つで評価
リスクとハザードの違いの認識が重要
リスク=ハザード(毒性)×暴露量
現在まではエンドポイント(評価基準)をガンや奇形などの減少に持ってきている
不確実性の評価が行えるか?がポイント
ダイオキシンの脂肪濃度
一般人・・・・・・・175〜75ppt
焼却炉周辺・・・247ppt
魚介類多食・・・386ppt
このようなリスクを取り除くときどのくらいのコストが掛かるかを計算するのが「リスクマネージメント」の役割
ダイオキシンの由来
水、大気を調査した結果・・・PCP、CNP(いずれも農薬)から来ていることが分かった。
散布量・・・・枯れ葉剤(ベトナム)・・・300kgTEQ
PCP(日本)・・・・・・・・・・・・400kgTEQ
CNP(日本)・・・・・・・・・・・・190kgTEQ
「コスト」とは1年間寿命を延長するための費用をいう
ハーバード大学の調査では$10〜$10の10乗/1人1年まで費用に大きな差がある
ダイオキシン対策は上位の方
(Minekiコメント・・・多分$10は手を洗う〜$10の10乗は特別な医療だろう)
環境庁の出している67種類の化学物質は大きなリスクはないだろう
他に大きなリスクがあるものがある
ダイオキシンは最近の流行で、近い将来は「鉛」がクローズアップされるだろう
mineki質問
現在日本ではダイオキシンの濃度を17種類のTCDDで測定しており、一検体当たり費用は20〜30万円になる。
これではほんの2〜3カ所の測定が限度である。
もっと測定サンプルを増やすために中心点一カ所を17種類行い、その周りの数地点(100地点でも)で1種類(例えば2378-TCDD)の測定をすれば費用に比べ測定地点を増やせないか?
中西教授
Cl4とCl8の挙動は大きく異なる。しかし何倍も違うわけではないので有効。
要は認識の問題。(minekiコメント・・・環境団体に対してだと思う、たった一回の一カ所の精密な分析結果で騒ぎ立てるということなのか?)
mineki質問
現代の子供が病気に弱いのは妊娠中の内分泌かく乱物質の暴露が関係しているのでは?(1950年代からで井口教授もほのめかしていた)
中西教授
よく分からないが、昔の子供にくらべ格段にリスクが減ったのは確か