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日本はロシアに対して、2つのガスでものを言えない


2006,8,28



去る8月16日に起こった、ロシア警備艇による日本人拿捕、殺人事件には非常に憤りを感じる。昔のソ連時代と同じような暗黒の国というイメージを髣髴させる。
ロシアに対して正式に抗議しているようだが、その進展は危ぶまれている。北方領土問題などと絡んでなかなか日本の意見を言えないのであろう。

ところで、以下の2つの理由でも、日本は徹底的にロシアに対し応戦することができない。

ひとつはサハリンの天然ガスの問題である。
もし、イランの石油が輸入できないという事態になった場合、石油からのエネルギー政策の転換とともに、ロシアの天然ガスに頼らざるを得なくなる。
ロシアは日本のエネルギー問題(近未来的な)の首根っこをつかまれている。

もうひとつは旧ソ連や東欧諸国の「ホットエアー」問題である。
ホットエアーとは、簡単に言えば炭酸ガスの排出権のことである。
炭酸ガスをはじめとする「温室効果ガス」の削減を目指した京都議定書が発行したが、これは1990年の排出量に比べ、条約国に将来の削減義務を負わせるものである。
ロシアは1990年以降経済の停滞のため、それ以前に比べ炭酸ガスの排出量が3割以上減っている。京都議定書でのロシアの削減目標は0%なのでこの減少分がまるまる排出権の取引対象となる。これが努力せずに得られたもので、かつこの排出権が取引されても実質的に地球温暖化防止に貢献しない「空手形」とされるため、それを揶揄して「ホットエアー」といわれる。ロシアはホットエアー分を売却する意思はないとしているが、京都議定書批准国ではほとんどが目標達成が困難であるため、きわめて有効な外交カードになりえる。

ところで、日本の温室効果ガスの発生量は抑えるどころか大きく増加してしまい、単純な削減だけでは到底削減義務である「1990年比マイナス6%」を達成できそうにもない。もはやマイナス6%は「裸の王様」状態である。誰かが「そんなものは達成できないぞ」と言わなければ誰も目を覚まさないだろう。早く目を覚まして、排出取引で達成しなければ、目標達成は無理だということを知らしめるべきである。

そこで注目されるのが「ホットエアー」である。ヨーロッパの各国もしのぎを削ってロシアにアプローチするだろう。当然日本も入る。その時までにロシアと友好関係を築かなければならない。

日本は炭酸ガスの発生についてもロシアに首根っこをつかまれているといえる。

これら2つのガス(天然ガス、炭酸ガス)のために、日本はロシアに対し、外交上強くものをいえないのではないか、というのが私の懸念である。

   
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