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拡大生産者責任について
2004,6,4
拡大生産者責任について
・拡大生産者責任とは
Extended Producer Responsibility (EPRと略される)の日本語訳である。これは、OECD(経済開発協力機構)が定義した言葉で、
「製品に対する製造事業者の責任をライフサイクルの消費後の段階に拡大させた経済手法」とされている。(日本では「容器包装リサイクル法」がこの考え方を導入している。)
・ヨーロッパのEPR戦略
EPR戦略はヨーロッパ製品の販売戦略上重要な位置づけにある。また、廃棄物関連法に位置づけられている。
EPRガイダンスマニュアルとは
OECDが2001年3月に制定したものでEPR導入について責任の範囲、支払い義務者、リサイクル費用の調達、各主体の役割、貿易問題、経済的手法等が詳細に記述されている。
・拡大消費者責任とは
2001年9月のEPRワーキンググループで門前委員が「拡大消費者責任」という言葉をはじめて使用しているが、その後はあまり使用されていない。拡大生産者責任の手法にごみ有料化やデポジット制度等消費者に直接責任がかかるような制度も含まれるためであると考えられる。
・日本のEPRの考え方
経済産業省をはじめ、国ではEPRの導入の可能性を検討しているが、産業界の反対が強く今回の廃棄物処理法の改正でも盛り込まれることはなかった。すでに廃棄物処理法には事業者責任として歌ってあるというのが大方の意見だが、非常にあいまいな表現となっている。そのほか環境基本法、循環基本法にも盛り込まれているが責任の所在があいまいである。
・EPR導入に重要な事項
EPR導入で重要なことは以下の4つである
1.拡大生産者責任制度の目的は、他の環境政策と何ら違いはなく、社会的公正の最大化にある。
2.拡大生産者責任制度を設計する際、達成すべき目標・目的を詳細に規定する必要がある。
3.拡大生産者責任制策は、@不法投棄にかかる問題、あるいはAリサイクル市場の機能不全などの理由から必要である。
4.環境配慮型設計は、拡大生産者責任制度に対する基本的モチベーションを供するものの、環境配慮型設計の適用のための厳格なインセンティブを伴う政策は費用がかかる傾向がある。
・新宿の現状とEPR導入の可能性
新宿区のごみは、家庭から出るごみは平成10年度の年間129,675tから平成13年度の年間103,420tと2割程度減少しているが、事業者が排出するごみは平成10年度の年間100,000 tから平成13年度の年間108,000tと逆に1割程度増加している。事業者の自己処理という排出責任の原点(廃棄物処理法にも明確に記述されている)に戻るとともに、家庭ごみに対してはまだリサイクル可能なペットボトルや食品トレー、紙類などEPRの考え方に基づき事業者による処理やリサイクルが徹底できる品目もある。
新宿区独自に条例等を定め徹底すべきである。
特に新宿区はごみ処理を他区に委託しているためごみを減少させることは喫緊の課題である。
また、単に輸入されたEPRの概念をそのまま導入すると経済に大きな打撃を与えてしまうため、行政、産業界、住民が参加し適正なEPRの方法を検討しなければならない。
・新宿区のごみ政策について
新宿区のごみ政策は非常に消極的である。これは、昼間人口(約80万人)が夜間人口(約30万人)をはるかに上回り、その結果事業者の排出するごみ量が、家庭から排出されるごみ量とほぼ同量になっているためである。つまり、このごみ量が減少するということは新宿の発展が止まってしまうということを表すに他ならない。
しかし、このまま事業系ごみの増加を許すわけにはいかない。他区にごみ処理を委託しているため将来の費用の増加が避けられないためである。
はやくからEPRの考え方を取り組むことにより、事業系のごみ問題は解決に向かうはずである。
例えば、新宿や近隣区と共同してデポジット制度を導入し、空き缶やペットボトルの散乱を防ぐとともにリサイクル率をあげるとか、家庭ごみの有料化を導入しごみそのものを減量するとか、事業系ごみの処理費が安いため高くすることにより、事業者に生ごみや紙類のリサイクルにインセンティブを与えるとかが考えられる。