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公害防止体制を強化について


2006,9,2



神戸製鋼所のばい煙データ改ざん、JFEスチールの排水データ改ざんなど大手企業の環境管理体制に関する事件を受け、環境、経済産業両省は、企業による公害防止体制を強化する指針の策定を決めた。

環境省、経済産業省は、地方自治体代表や企業代表、市民代表、学識経験者を集め審議会を行っている最中である。

8月31日の審議会では、大企業の代表として三井化学、キッコーマン、中小企業の代表として神谷理研(メッキ工場)、地方自治体の代表として愛知県と千葉市が事例を発表した。これらの事例を元に環境管理体制のあり方を見直そうというものである。

企業側からは、以下のような意見が出た。
・行政と企業のコミュニケーションが取りづらくなった。
(環境に関する法律がたくさんできて、だんだんと行政に指導を請いに行くことが難しくなったため。)
・行政窓口に行くとすぐに情報開示を求められる。
・本社と工場とのコミュニケーションが取りづらくなった。
(本社でも部課長クラスになると工場に行く機会はほとんどなくなるため。)
・企業トップの環境意識と従業員の環境意識のギャップが大きい。
(企業トップの方が高い。)

また、自治体の意見では、
・大企業になるほど公害防止統括者とのコミュニケーションが取りづらくなる。
(行政の窓口に来る人はもっとしたのレベルの人である。)
・情報公開はきちっと行っているが、市民とのコミュニケーションはうまくいっているとは限らない。


大方予想の範囲内の意見である。


ところで最近の改ざん事件は、公害防止統括者自らが行っている。改ざんに至ったのは、制度に問題があるのか、それとも統括者の個人に問題があるのか、組織がらみなのかということに突き当たる。この審議会では制度に問題がある場合には、それを改善しようというものである。

事務局の経済産業省からは、統括者に環境管理という意識が欠如していないか、また、社会全体を考えても環境保全について二の次になっていないか(例えば安全管理と比べておろそかになっていないか)などの意見も出てきた。

公害防止管理者等の制度(特定工場における公害防止組織の整備に関する法律)そのものに問題があり、機能していないのではないかという意見も出た。

また、市民、企業、行政の双方のコミュニケーションがうまく取れていないことが問題であるという意見も出た。企業の公害防止統括者は本来は環境に関するスポークスマンの役割も果たし、双方のコミュニケーションを円滑にする役目も担っている。さらに、この公害防止統括者は企業内においては、本社と工場、上司と部下というような関係においても仲立ちする役目もある。

公害防止体制のそもそもの目的(この法律は、公害防止統括者等の制度を設けることにより、特定工場における公害防止組織の整備を図り、もつて公害の防止に資することを目的とする。)を改めて思い起こし、原点に戻るというような意見もでて、最終的にはこの考えに落ち着きそうである。

「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」により、企業内の公害防止組織や情報の公開等については強化できたようだ。しかしこの法律には、関係者の意見交換等コミュニケーションについての記述はない。今後法律の改正があるとすれば、公害防止管理の認識をさらに深めるとともに、コミュニケーションの大切さを強化することが望ましい。

「公害防止組織」という言葉が古いからといって単に「環境管理組織」というように法律の名称を変えることは浅はかであると思う。(審議会でも「公害防止」というのは古い概念であるという意見が出ていた)

原点に戻るならもう一度公害防止とはなにか、ということを考える必要がある。


   
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