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固形燃料(RDF)発電施設爆発の本当の原因は

2003,8,26

RDFとはごみの固形燃料のことを指す。今まで無駄に捨てていたごみを燃料にしてそこからエネルギーを引き出すという夢のような技術であるが、今暗礁に乗り上げている。

 一つは御殿場市・小山町広域行政組合のRDF製造施設の裁判である。

 RDFはごみを原料にして作るため加工するのに水分を蒸発させなければならない。そのコストがバカにならない。御殿場市の施設では当初蒸発に関連する電気代を年間2千万円と見ていたのだが、蓋を開けてみるとなんと年間4億円かかることが分かった。それで組合側がメーカーを訴えたわけである。メーカーの見積違いということで損害賠償70億円以上でけりがつきそうである。これは4億円を15年間使うと金利を入れるとこのぐらいという数字だと思う。新しい施設が1基できる金額である。

 一方今回の三重県の問題はもっと深刻である。爆発事故で人が死んでいるのである。

 こちらは御殿場のRDF製造施設とは違いRDF発電施設の事故である。作る施設ではなく燃やす施設での事故である。一般的に世間を騒がしているRDF施設とは作る施設を指している。なぜ騒がれているかというと、ごみを燃やさずに燃料を作るという夢のような話がなかなかうまくいっていないからである。施設の基本的な原理は非常に簡単なもので、ごみを乾燥させ成形させるだけである。しかし、相手がごみなのでなかなかうまく行かない。例えばうまく行かせようとして途中に選別工程(手選別が一番良いのだが)を入れるとコストが上がってしまう。挙げ句の果ては乾燥工程で爆発したり、貯留設備で火災を起こしたりと踏んだり蹴ったりである。それは家庭ごみという雑多なものが混ざった一般廃棄物を扱っているためで、産業廃棄物を対象にしたRDFはうまくいっている。

 前置きが長くなったが三重県のRDF発電施設ではそのRDF貯留サイロが爆発したのである。

 なぜ爆発したかは現在当局が真相を究明中であるが、分かっている情報から推測する。

 三重県のRDF発電システムというのは、県下の数箇所のRDF製造施設(市町村が住民の生ごみをRDF化している)でRDFを製造し、そのRDFを三重県企業庁のRDF発電所のサイロに一時貯留し、外部循環型流動層炉というボイラで燃焼し蒸気を発生させ、そのエネルギーで発電するというものである。ボイラーといっても廃棄物焼却施設そのもので、ダイオキシン対策も施されている。そのボイラーは米国のフォスターフィーラー社(Foster Wheeler Inc.)の設備で世界の50%のシェアをもっているものらしく、信頼のできるものである。しかし、今回の事故は最も単純な構造のサイロで起こった。

 これは考えれば当たり前のことなのだが、数箇所のRDF製造施設から持ち込まれたRDFを巨大なサイロに投入するということは、もはやその時点で製造する側の市町村側の責任があいまいになってしまうということである。

 抜き取り検査もしていると思うのだが、大概は形状、成分、発熱量といったものである。その検査に合格すればその後どんな不良品を作っても検査で受け入れてしまうのである。多分、冷め切っていないRDFが混入していたのであろう。熱を持ったRDFを含め1000tも貯留したら内部の温度はどんどん上昇しやがて引火点に達してしまう。現実には小規模のRDF製造施設では、RDFから湯気がもうもうと立っており内部はかなりの熱をもっていて、時々火災(ぼや程度だが)も起こっている。それを防ぐためにスプリンクラーで水を噴霧していたのだが、もともとが生ごみなのでふやけて元に戻り部分的に嫌気的になりメタン発酵したものと考えられる。それがサイロの上部に溜り爆発を起こしたものと考えられる。 爆発はサイロの上部で起こったので、下部のRDFはそのまま残り燃えつづけたのだろう。

 この原稿を執筆している時点ではまだ燃えているようだが、新聞報道によると富士電機の担当常務が奇妙なことを言っていた。

「内部は900度ぐらいになっているが、鉄の溶ける温度は1300度で(サイロの)崩壊の可能性はない」

 この後に及んでなんといい加減なことを言っているのだろう。鉄の融点は1535度で、あんな頑丈なものでも500度ぐらいになると強度が半減してしまうものである。危険な状況というべきではないか。

 このRDF発電施設は富士電機が受注したものだが、心臓部のボイラーは先のフォスターフィーラー社のものであり、それ以外のサイロを含めた主要な部分は、全体の施設全体のエンジニアリングを含め千代田化工機に丸投げしたものである。富士電機は発電機を含めた電機計装設備しか実際はタッチしていない。 RDFの実態が分かる人間がいなくて、ただ単に石炭火力発電所を作ったに過ぎない。起こるべくして起こった人為的な事故といえる。